※当メディアはAmazonアソシエイト、楽天アフィリエイトを始めとした各種アフィリエイトプログラムに参加しています。
最近、スポーツツーリズムという言葉を耳にする機会が増えてきました。スポーツ庁もアウトドアスポーツ推進宣言のスローガンのもとスポーツツーリズムを推奨。スポーツと旅行の新しい楽しみ方となるスポーツツーリズムとは何かを考えてみたいと思います。

 スポーツツーリズムとは

スポーツツーリズム スポーツ旅行

スポーツツーリズム(=Sports tourism)とは、スポーツ(=Sports)と観光(=Tourism)を融合させた造語で、「スポーツ観光」あるいは「スポーツ旅行」と解釈することができるでしょう。

そんなスポーツツーリズムには大きく分けて2つのタイプがあり、異なるスポーツ旅行の楽しみ方があります。

まずひとつが「スポーツイベントを観るための旅行」です。たとえば、プロ野球やJリーグといった人気スポーツイベントには日本全国から熱狂的なファンが集まってきます。

さらに、オリンピック・FIFAワールドカップ・F1グランプリといった世界規模のスポーツイベントになれば、国境を越えて世界中から多く関係者や観光客が集まってきます。

そこには大勢の人の動きがあり、スポーツイベントそのものが旅行の目的あるいは観光の目玉としての役割があるわけです。

そして、もうひとつが「スポーツイベントに参加するための旅行」です。代表的なものが、ゴルフ・スキー・スキューバダイビングなどのアウトドアスポーツをするための旅行です。

また、テニス・バスケットボール・ラクビ―などのスポーツイベントに出場する、あるいは練習や合宿トレーニングなどに参加するため旅行も、すべてスポーツツーリズムの一環と言えるでしょう。

このようにスポーツと旅行はとても深い関係があります。これまでは旅行に行くことが主な目的で、スポーツはあくまで旅行先のアクティビティのひとつとして位置づけていた人も多いと思います。

しかし、スポーツツーリズムではスポーツを観たり参加したりすることが主な目的であり、旅行はそのための手段という考え方になるのです。
 

スポーツツーリズムとスポーツビジネス

 スポーツツーリズムを軸として、スポーツビジネスを盛り上げようとする機運が高まっています。政府は成長戦略のひとつとして、スポーツ産業を2025年までに2012年の5,5兆円から15兆円にまで拡大する目標を掲げています。

経済産業省とスポーツ庁などは25日、日本のスポーツやスポーツ産業の海外展開を支援するための基本合意書を締結した。政府の成長戦略の一環で、スポーツ産業の活性化につなげる。2020年東京五輪・パラリンピックを好機として日本の技術やサービスを海外に売り込み、平成37年には市場規模を現在の約2・7倍の15兆円とすることを目指す。出典:産経新聞

また、スポーツツーリズムを観光の目玉あるいは地域活性化の施策として取り組む自治体も増えています。どのような事例があるのか見てみましょう。

東京オリンピック

スポーツツーリズム スポーツ旅行2020年に開催予定の東京オリンピックは、まさにスポーツビジネスの最高峰と言える大きなイベントです。オリンピック競技を観戦するために、国内はもとより海外からも多くの観光客や関係者が来場することが予測されています。

国内需要からインバウンドまでを含めると、オリンピックによる経済効果は32兆円と試算されています。

東京都は6日、2020年東京五輪・パラリンピックが全国に及ぼす経済効果を発表した。大会招致が決まった13年から大会10年後の30年までの18年間で約32兆3千億円と試算。全国の雇用増加数は約194万人と見積もっている。出典:日本経済新聞

東京オリンピックほどの大きなスポーツイベントはなかなかありませんが、スポーツがいかに経済に大きな影響を与えるのかがよく解ります。

地方活性化

スポーツツーリズム スポーツ旅行 スポーツツーリズムは、スポーツによる地域活性化の促進にも大きな期待が寄せられています。

かつてレジャースポーツの主役だったゴルフやスキーは、アクティブ人口の減少から運営が難しくなり、多額の投資で建設されたリゾートマンションなどはタダ同然の価格で売りに出されている現状があります。

しかし、北海道のニセコや長野県の白馬スキー場、九州や沖縄のゴルフ場など、スポーツツーリズムによる外国人観光客のインバウンドによって地域が活性化した事例も少なくありません。

最近では、地方で開催されるマラソン大会やサイクリングイベントなどのアウトドアスポーツイベントに参加する外国人観光客も増加傾向にあり、スポーツツーリズムが地域活性化に大きく貢献していると言えるでしょう。

また、地方をホームタウンとするサッカーJリーグやバスケットボールBリーグの盛り上がりも、たくさんの人が動くため大きな経済効果が生まれ地域の活性化に繋がります。

政府が進める地方再生の鍵は、スポーツツーリズムにあるのかもしれません。 

スポーツツーリズムの未来

スポーツツーリズム スポーツ旅行 日本においてスポーツは義務教育の延長戦にある「体育」あるいは「レジャー」として位置づけられてきました。そのため、いまだにスポーツをビジネスとして捉えることに抵抗を感じる人も少なくありません。

子供たちのスポーツ教室を開催するボランティアのコーチのほとんどが「好きだから」という理由だけで、その任務を行っています。こうした背景があって優秀な成績を残したスポーツ選手に対する評価も、日本と世界では大きな差があります。

しかし、これからはスポーツをビジネスチャンスとして捉える機運が高くなっていくと予測できます。これまでスポーツを社員の福利厚生程度に考えていた企業も、これからスポーツビジネスに本格的に進出してくるでしょう。

すでにPanasonicは「Beautiful JAPAN towards 2020」と題して、これまで光が当たることの少なった全国のアスリートを紹介しています。

これは大手企業が本気でスポーツビジネスに乗り出したと考えるべきでしょう。以下は、女優の綾瀬はるかさんがマウンテンバイクを紹介している動画です。

出典:Beautiful JAPAN towards 2020

スポーツツーリズムを楽しもう!

 こうした社会の大きな流れから、今後、日本各地でも大小さまざまなスポーツイベントが開催されることが予想されます。「観るスポーツ」「参加するスポーツ」など、スポーツの楽しみ方は人それぞれです。

自分のスタイルで、さまざまなスポーツイベントに参加して、スポーツツーリズムを楽しんでいきましょう!

スポーツツーリズムは「スポーツを楽しむための旅行」ですが、さまざまな恩恵が期待されています。これからスポーツツーリズムを軸としてスポーツビジネスが活性化すれば、日本でもどんどん新しいビジネスチャンスが生まれてくることでしょう。日本は今、スポーツの古い価値観を捨てて、新しく生まれ変わる時が来ているのかもしれません。

ライター

Greenfield編集部

【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。