キャンプの楽しみを倍増させる焚き火。小さな火を徐々に大きく育てていく過程は楽しいものですが、揃えるべきアイテムは色々とあります。今回は、焚き火に必要なアイテムや着火剤を忘れた場合の着火方法などまとめて紹介するので、ぜひ参考にしてください。
焚き火に必要な道具一覧
焚き火を楽しむには、事前にしっかり準備をすることが大切です。そのためには、道具をそろえるところから始まります。そこで、まずは揃えるべき必要な道具と材料をチェックしていきましょう。いざ焚き火を始めるときに用意し忘れがないようにしてください。
焚き火台
焚き火を楽しむためには、焚き火台を使いましょう。 環境保護の観点から直火を禁止しているキャンプ場が増えており、安全面でも焚き火台の使用が推奨されています。直火禁止の理由としては、キャンプ場の地面で直接焚き火をすることにより、自然に被害を与えること、火災の危険があることがあげられます。
焚き火台は空気の流れがつくりやすいように設計されており、火起こしが簡単で初心者でも手軽に焚き火を楽しめます。
必須アイテムといえるだけあって、さまざまな用途にあわせた製品が数多のアウトドアブランドから展開されており、とことんこだわりを追求可能なギアのひとつでもあります。
焚き火の後始末も直火での焚き火より断然片付けやすく、持ち歩く際もコンパクトに収納でき便利です。
初めてなら、軽量で組み立てやすい焚き火台を選びましょう。持ち運びが楽になり、焚き火の準備と後片付けも非常に簡単です。手間を省き、ゆったりと焚き火を楽しめます。
初心者の方にとくにおすすめなのが、Coleman(コールマン)の「ファイアーディスク」です。なんといっても設営が簡単で、思い立ったらすぐに焚き火をはじめられます。 炭が入れやすい焼き網も付属しているため、BBQをしたい人にもおすすめの焚き火台です。
焚き火シート
キャンプ場で焚き火を楽しむ際に活躍するのが焚き火シートです。焚き火シートとはその名前通り、焚き火台の下に敷くシート状のアイテムです。耐熱性の高い素材で作られており、焚き火の際に発生する熱や飛び散った火の粉による延焼から地面を保護するのが役割です。
キャンプ場での焚き火はもちろん、炭や薪を燃料とするBBQコンロなどでも活躍するでしょう。
火の粉から地面を保護するアイテムなので、素材をチェックするのが選び方のポイントです。特殊なアクリル繊維を用いた耐炎繊維や、用途や目的にあったモデルを選びやすいガラス繊維、約1000℃の環境下で連続使用可能なシリカ繊維などが焚き火シートに使われるおもな素材です。
コールマン(Coleman) のファイアープレイスシートは、グラスファイバー素材を使用した焚き火シートです。使用時のサイズは約80×80cm。正方形で大きく使えて薪の補充がしやすいのは魅力です。収納時のサイズは約22×22×4cmとコンパクトにまとまり、重量も330gと軽量なので、持ち運びに便利です。
耐火グローブ
焚き火で薪をくべるときは耐熱グローブを使いましょう。火傷や木のささくれから手を守るためのアイテムです。火のついた薪を移動したり、熱い鉄板や食材に触れるので、安全かつ効率的な作業が可能です。
専用設計のグローブを使えば、、生地が厚いものや高性能なものが多く、耐久性にも優れ、ケガや火傷を未然に防げます。なかでも牛革製の耐熱グローブは、使い込むほどやわらかく手になじみます。また、牛革の経年変化を楽しみたい人にもぴったりです。
スノーピークの「ファイヤーサイドグローブ」は、二重構造で耐熱性に優れています。インナーグローブは取り外し可能で洗濯できるので、清潔に保ちたい人にぴったりの商品です。
薪ばさみ
コンパクトに収納できる薪・火ばさみは炭や薪をつかむための道具です。名前の通り、火が付いた状態の炭・薪をはさんでつまみ、移動させて火力を調節するのがメインの用途です。たき火やBBQが醍醐味のひとつでもあるキャンプでは、必須の道具といえるでしょう。
伸縮可能な火ばさみはコンパクトになるので持ち運びに便利。スペースを取らずにバッグに収納できます。
火ばさみの形状には「V字型」と「はさみ型」の2種類があります。初心者なら扱いやすいV字型、機能性を重視するならはさみ型がおすすめです。
野良道具制作所の「野良ばさみ」は伸縮可能で、黒皮鉄を使用した丈夫なつくりが特徴です。耐久性の高い火ばさみが欲しい人にぴったりのアイテムといえるでしょう。
火吹き棒
焚き火の火力調整に便利な火吹き棒は、焚き火に欠かせないアイテムです。筒状の棒で息を吹きかけ、酸素を送り込むことで効率よく火を起こせる、火起こしをサポートする焚き火道具の一種です。
火吹き棒があると火起こしの成功確率がグッと高くなります。加えて火力の調整もしやすくなるので、キャンプで焚き火を楽しむ際は火吹き棒を強くおすすめします。伸縮式や分割式などさまざまなタイプがあるので、自分のお気に入りを見つけましょう。
VASTLANDの火吹き棒は、6段階の調節が可能です。カラビナ付きのケースは、カラーがグリーン・ベージュ・キャメルブラウン・ヘザーブラックの4種類から選べます。持ち運びに便利な火吹き棒が欲しい人は、ぜひチェックしてみてください。
リフレクター
リフレクター・風防スクリーンは風で火の粉が飛ぶのを防ぎ、煙の広がりを抑えます。焚き火陣幕とも呼ばれ、調理中に風が吹いても、灰が食材に入るのを防ぎます。風が直接あたらないので火を長もちさせ、スクリーンに反射する輻射熱でよりあたたかさを感じられるでしょう。
風防には布タイプと金属でつくられたタイプの2種類があります。布タイプでも金属タイプでも、比較的大きめなものを選んでおけば、多くの焚き火台に対応できます。
なかでもおすすめなのが、CAPTAINSTAG(キャプテンスタッグ)の「2Way ウインド スクリーン 」です。焚き火台の灰受けとしても利用できる2Wayタイプのため、さまざまなシーンで重宝するでしょう。丈夫な風防を探している人は、ぜひチェックしてみてください。
着火材
火起こしの際に役立つ着火剤も欠かせないアイテムです。燃えにくい炭や薪を容易に燃焼させ、火の準備にかかる時間を短縮できます。とくに焚き火やバーベキューを頻繁に行う方におすすめです。
着火剤は種類によって扱いやすさや使い方が異なります。たとえば固形タイプの着火剤は小分けにできる製品が多く、燃焼時間は長めで扱いやすいのが特徴です。
ジェルタイプの着火剤は備長炭や薪などの燃やしにくいものにも点火しやすく、火力が出しやすいもの。チューブ式のほか、個包装されているタイプも販売されています。
なかでも、小わけにできて燃焼時間が長い固形タイプの着火剤は火おこしが簡単にできます。燃焼時間も長く扱いやすいのが特徴です。マッチやガスライターがあれば簡単に着火できるので、火起こしに自信のない人にうってつけの商品です。
固形の着火剤は数多く販売されていますが、なかでもおすすめなのがLOGOS(ロゴス)の「防水ファイアーライター」です。その名の通り防水仕様で、なにかの拍子にうっかり水で濡らしてしまっても着火できます。1個あたり13~17分ほど燃焼するため、火がつきにくい備長炭などで使用したい人にも適した商品です。
火消し壺・火消し袋
キャンプやアウトドアシーンでBBQなどの後片付けの時に、炭の処理に困ることもあります。そこで便利なのが、火消し壺や火消し袋です。蓋の付いた容器で使用した炭を密閉したり、袋で酸素を遮断したりというシンプルな構造です。
炭を入れた後密閉させることで酸素の供給を遮断するため、スピーディに消火して炭を保管できる便利なアイテムです。
火消し壺を使う最大のメリットは、使用用途でもある炭を安全かつスムーズに消火できることです。火が付いた炭は時間が経てば消火されますが、1時間程度かかることもめずらしくありません。
火消し壺があれば、火のついた炭を入れて蓋を閉めるだけで簡単に消火できるので、片付けもスムーズ。軍手や革手袋をして火ばさみで炭を扱えばよりスマートに作業が進みます。
大小さまざまな火消し壺や袋が展開され、大きいものは多めに炭が入れられるので、家族やグループなど炭を多量に使う大人数でのキャンプやBBQにぴったりです。
小さいものはソロキャンプにぴったり。炭が入る量は多くないものの、コンパクトで持ち運びしやすいのは小さいものならではの利点です。
グリーンライフの火おこし兼用火消しつぼは、消火はもちろん、火起こしもできる優れモノ。蓋は爪を引っかけてロックするタイプで、初心者でも使いやすい火消し壺です。同形状でステンレス素材もあり、より耐久性にこだわりたい人にはこちらがピッタリです。
焚き火に使える薪の選び方と購入方法
焚き火を成功させるためには、薪となる木の種類による特徴を理解して使いわけましょう。薪には針葉樹と広葉樹の2種類があり、それぞれ燃えやすさや火もちなど特徴が異なります。特性を理解し、目的にあわせて使いわけることで、焚き火をより楽しめるでしょう。
針葉樹
スギ・マツ・ヒノキなど、葉が針のように細く尖っている木が針葉樹です。広葉樹よりも安価で手に入れやすいのが特徴です。キャンプ場では、一束500円前後で売られています。
針葉樹の薪は、油分や空気を多く含んでいるため燃えやすく、焚き付けに適しています。なお、松ぼっくりも針葉樹と同様に油分や空気を多く含んでいることから、焚き付けにぴったりです。
その反面、火持ちが悪く、煙や匂いが多い点がデメリットといえるでしょう。また、ススにも注意する必要があります。針葉樹の薪での焚き火で、コッヘルなどの調理器具を直火にかけると、ススで真っ黒になることがあるので気をつけましょう。
広葉樹
サクラ・ケヤキ・ブナのように葉が平らなタイプの木は広葉樹に分類されます。密度が高く、着火しにくい特徴がある一方で、火もちがよく安定した火を維持できます。薪にはおもにナラやクヌギが使用されます。
焚き火の際は、針葉樹と広葉樹の両方を準備するのがおすすめです。スギなどの針葉樹で着火させ、そのあとは広葉樹の薪を使用すると安定した火を維持できます。
関連記事:【2024年】焚き火におすすめの薪8選!薪の種類で燃え方はどう違う?
焚き火で使う薪の購入方法
焚き火で使う薪はどのように手に入れればよいのでしょうか?購入方法を考えてみましょう。
- キャンプ場
- ホームセンター
- 通販サイト
- 森林組合・薪専門店
キャンプ場
キャンプ場での薪の購入は、とても便利で手軽な方法です。多くのキャンプ場では、現地で焚き火用の薪が販売されています。一般的に、キャンプ場内の売店や管理事務所で薪を購入できます。
キャンプ場での調達のメリットは、車が汚れないことです。現地での調達になるので車で運ぶ必要がなく、その場で必要な分だけを買い、すぐに使えます。
ホームセンター
ホームセンターは、アウトドア用品を購入する際の定番の選択肢といえるでしょう。ホームセンターには多様な薪の品ぞろえがあり、自分の目的にあう薪の種類やサイズを選択できます。価格も比較的手頃で、通常はキャンプ場や薪専門店よりもリーズナブルです。
手軽に入手できるため、アウトドア初心者や短期のアウトドア活動に適しています。また、セット商品やバラ売りなど、柔軟な購入オプションがあります。
通販サイト
通販サイトでは、さまざまな種類やサイズの薪が豊富に揃っており、地域を限らず広範囲で商品が手に入ります。そのため、特定の木材を求めたり、地域限定のものを手に入れることが可能です。価格も競争が激しいため一般的にはリーズナブルで、ときおりセールや特典が用意されていることもあります。
通販のメリットとして、豊富な品ぞろえや手軽な購入手続きが挙げられます。自宅まで商品が配送されるので、購入してから家に運ぶまでの車での移動や運搬の手間がかかりません。薪の長さや乾燥度についても細かく指定して買えます。
森林組合・薪専門店
森林組合や薪専門店で焚き火用の薪を購入することで、高品質で環境に優しい木材を手に入れられます。基本的に地元の木材を使用した薪が販売されているため、燃焼効率が高い優れた薪で焚き火を楽しめます。品質にこだわる人や、森林の保全に配慮したい人におすすめの購入先です。
ほかのメリットとして、品質の一貫性が高いのも挙げられます。通販やホームセンターよりも専門的な知識のあるスタッフがいることが多く、薪選びのアドバイスが受けられるのも魅力です。
初心者でもできる焚き火の薪の組み方と種類
焚き付けする前に、薪を組んで焚き火をするやり方もあります。焚き火で使える基本的な組み方を3つと、それぞれの特徴を紹介します。
1.井桁(いげた)型
キャンプファイアーでよく見かける井桁型は、初心者でも簡単に組める薪の組み方です。薪を「井」の字に組んでいくだけのシンプルな方法なので、すぐに挑戦できます。薪を2本平行に置き、その上で交互に薪を2本組んで完成です。井桁型は火力が強いので、暖を取りたいときや、大きな鍋料理におすすめです。
2.合掌(がっしょう)型
高さのある美しい炎を楽しみたいなら合掌型がおすすめです。薪を中央に向けて円錐形に組んでいくので、燃え上がると大きな炎が立ち上ります。合掌型は燃焼時間が短く薪の消費が早いので、多めの薪を準備しておきましょう。
3.並列型
燃えた薪が崩れにくく、熾火がつくりやすく調理に適した組み方です。太めの薪を置き、その上に空気の隙間ができるよう、詰め過ぎずに薪を並べて置きます。並列型は、薪が燃えても安定しているので、直火用としても使えます。
着火剤ありで焚き火に火を付ける5つの手順
アウトドアで焚き火を成功させるために、手順をチェックしていきましょう。
焚き火ができる場所の選定
焚き火を楽しむためには、安全な場所を選ぶのが第一です。許可されていない場所で焚き火をすると、火災の危険性が高まり、周囲に迷惑をかけてしまいます。
キャンプ場や公園などの施設を利用する場合は、事前に管理者に許可されている場所や利用時間、注意事項などについて確認しましょう。
また、自然のなかでは火気禁止区域や、保護区域に指定されているエリアがあります。 指定エリアの外でも、木の枝・葉・草などは燃えやすく、火の粉がテント・タープ・車などの可燃物に引火する危険性はあります。燃えやすいものからは十分な距離をとることが大切です。
初期の火種をつくる
初期の火種をつくるには、新聞紙・木くず・松ぼっくりなどの着火剤と細めの薪を用意しましょう。着火剤は高い火力や燃焼時間を保ち、薪に火をつけやすくします。
着火剤に火をつけるときは、扱いに慣れているマッチやガスライターがおすすめです。
- マッチやガスライターで着火剤に火をつける
- 着火剤に火がついたら、細い薪を重ねて置く
- 細い薪に火がつき炎が安定してきたら、直径2~5cmの中くらいの薪を追加する
- 中くらいの薪に火がつき安定したら初期の火種が完成
はじめから太い薪を入れると、薪自体が高温になるまで時間がかかり、煙がでる原因につながります。皮がついている薪は、皮側を火に向けて薪を組むと焚き付けを促す効果があります。
火力を調整する
焚き火の調整は、薪の量と空気量でコントロールします。初期の火種が完成したら、太い薪をいれて火がつくまで様子をみましょう。太い薪に火がついたら、火力は安定するはずです。
薪の追加は火の状態にあわせて行います。火が弱くなってきたら、火の回りに少しずつ薪を追加しましょう。火の中心に置くと消えてしまうおそれがあります。また、新しく薪を足したときや、火が弱くなったときは火吹き棒などで空気を送り込むと復活します。
調理に適した焚き火の火力
焚き火料理に適した火加減は「熾火(おきび)」と呼ばれる状態です。熾火とは、薪が燃え切って炭になった状態をいい、炎や煙が上がらず火力の強弱が少なくなり安定します。炭の状態になった薪は、高温で燃焼します。
熾火を集めたり広げたりすることで簡単に火力の調節が可能です。熾火はこの調節の加減によって、強火で一気に焼き上げる鉄板焼きや、弱火でじっくり熱を加える煮込み料理など、さまざまなメニューを調理できます。
熾火をつくるポイント
適切な薪を選び、時間をかけてじっくりと熾火をつくりましょう。熾火用の薪には、火もちがよく煙が少ない広葉樹が適しています。とくに、ナラやクヌギは高火力なので焚き火料理にもおすすめです。
熾火になる前に薪を動かすと、燃え始めた火が消えてしまうおそれがあります。組んだ薪が自然に崩れるまで待ちましょう。薪が崩れ始めたら、太い薪の上に小さな薪を積み重ねればOKです。
関連記事:焚き火好きのマストアイテム!最強ツール「ふいご」を使って楽々着火!
着火剤なしで焚き火に火をつける7つのやり方
キャンプでの焚き火や料理に着火は必要不可欠な作業。でも、もし着火剤を忘れてしまったら、どうやって火を点けますか?そんなときのために、着火剤を使わない火の点け方を紹介します。家から簡単に持参できる素材や、現地で調達できる自然のものなど、さまざまなものを活用できますよ。
着火のやり方1:新聞紙や紙でやぐらを組む
新聞紙は、着火剤がない時の代用品になる鉄板のアイテムです。着火剤を忘れてしまったら、まずは新聞紙や使わない紙を使ってみましょう。
まず、新聞紙を長さ20cm程度に切って丸めて棒状にし、これを10本ほど作ります。ちぎった紙片にそのまま火をつける人がいますが、それでは新聞紙だけが燃えて炭に着火する前に消えてしまいます。
棒状にした新聞紙を、キャンプファイヤーの要領で「いげた型」のやぐらに積み上げてましょう。
いげた型に丸太を組むキャンプファイヤーは煙突効果が発揮され、火をつけるのにとても有効な組み方で、着火剤の代用として活用可能です。
新聞紙に炭を置き、いげたに積み上げた新聞紙の真ん中に燃えた新聞紙を投入すれば、しばらく待てばしっかり炭に着火してくれます。
着火のやり方2:割り箸を細かく折る
着火剤が切れたり忘れたりしたときに、かわりに使えるのが割り箸です。使い古しの割り箸でも十分に使えるので、日頃から割り箸をストックして着火剤にしているキャンパーもいるほどです。
割り箸を使って着火するために必要なものは以下の4つです。
- 割り箸
- 炭
- ライター
- 焚火台
必要なアイテムを用意したら、炭の上に細かく折った割り箸を置いていきます。割り箸はライターで火をつければすぐに燃えるので、炭へ燃え移るようにすれば着火完了です。割り箸が燃えても炭に着火しないときは割り箸を足していきます。
割り箸は落ちている小枝などでも代用できますが、火にかけたものを戻すと発火する可能性があって危険なので、戻さないようにしましょう。
着火のやり方3:ポテトチップス
おやつやおつまみでおなじみのポテトチップスは着火剤の代用品として使える食品です。ポテトチップスは油で揚げて水分を抜いたジャガイモなので、着火しやすい素材といえます。
ポテトチップスの種類によってはほぼ完全に燃え尽きるものもあり、燃焼時間の長さとしては十分に着火剤としての役目を果たせるでしょう。
油で揚げないノンフライポテトチップスは油が染み込んでいない分燃えにくく、燃焼時間も普通のポテチと比べて短いかもしれません。また、キャンプに持参しているならおやつにする人がほとんどでしょうから、ほかの代用品とあわせて使うのがよいかもしれません。
着火のやり方4:松ぼっくり
松ぼっくりは着火剤の代用品になります。「天然の着火剤」とも呼ばれ、非常によく燃えるアイテムです。その理由は、松ぼっくりに含まれる松脂がよく燃えるからです。
松ぼっくりは、カサが開いているほうが乾燥しているといわれています。しっかりと乾燥した松ぼっくりを選べば、よく燃える着火剤代わりに使えるでしょう。
着火のやり方5:リップクリーム
バッグやポケットに入っていることの多いリップクリームも、着火剤代わりに使えるアイテムのひとつです。リップクリームは石油を精製して作られたもので、原料が石油なだけあり、火を点けるとよく燃えます。段ボールなどの乾燥した紙にリップクリームを塗り込むと燃焼効果がアップします。
薪にリップクリームを塗り込んでおけば、そのままでは着火しにくい薪も燃えやすくなるでしょう。
着火のやり方6:ガムテープ
ガムテープも着火剤に使えるアイテムです。ガムテープの粘着部分には水溶性のりが使用されていますが、この「のり」の部分が燃えやすい成分でできています。ただ、着火剤と比較すると燃焼時間が少なく、燃えると臭いが発生するのがこの方法の欠点といえます。
着火剤として使用するなら、粘着面に水溶性のりを使用した紙製のガムテープを選びましょう。キャンプではガムテープが補修や掃除などに重宝するので、ひとつ持参しておくと役立ちますよ。
着火のやり方7:保冷剤のジェル
保冷剤のジェルを着火剤代わりに使えます。使わなくなったジェルタイプの保冷剤は、たいていの地域で燃えるゴミ扱いで処分されることに。保冷剤は燃えるということで、着火剤がない時の代用品として使用できるのです。
保冷剤は冷やすためのアイテムで、キャンプではクーラーボックスに本来の用途として入っているケースが多いのではないでしょうか?もし着火剤がないシーンでほかに代用品がなかったら、保冷剤を試してみてください。
焚き火を消火する3つの方法
焚き火を楽しむなら、自分の責任で消火するまでがセットです。焚き火の消火方法は、3つあります。
- 燃え尽きるまで待つ
- 燃えカスを水の中に沈める
- 火消し壺や火消し袋を使う
燃え尽きるまで待つ
焚き火は薪を足さずに放置すると、燃え尽きて自然に消火されます。
- 終了時間から逆算して薪の追加をやめ、細かく割って燃焼を早める
- 細かい熾火をまとめて反応させる
- 白い灰と黒い炭だけが残り、炎が出ていない状態になれば消火完了
燃えるための燃料をなくして自然に消火させることで、焚き火に手を加えず消火できます。安全に消火可能な方法といえるでしょう。
燃えカスを水の中に沈める
燃え尽きるまで待つ時間がないときは、燃えカスを水の中に沈める消火方法があります。
- バケツいっぱいに水を張る
- 薪や炭をひとつずつトングで水に沈める
- 20分程度、冷めるまで待つ
熱源となる薪や炭を取り除き、水に沈めることで酸素の供給を絶てます。バケツさえあれば、あとは水を入れるだけで簡単に実践可能なので、時間がないときはお試しください。
火消し壺や火消し袋を使う
荷物が増えても問題がないなら、火消し壺や火消し袋などを使うのがよいでしょう。
- 火箸や炭挟みで薪を移動させる
- 火消し壺や袋にすべて入れて密封する
- 自然に消火したのを確認して完了
燃えカスも入れればそのまま回収でき、あと片付けを簡潔に終えられるのも利点といえます。
関連記事:【2024年版】焚き火での火事に備えたい消火スプレー3選
焚き火の後始末と灰の持ち帰り方
焚き火を楽しんだあとは、きちんと後始末する必要があります。大きく分けて2つ、キャンプ場の灰・炭捨て場に捨てる方法と、袋やアルミホイルに炭や灰を入れて自宅に持ち帰る方法があるので、正しい後始末の仕方を覚えておきましょう。
キャンプ場の灰・炭捨て場に捨てる
キャンプ場に灰・炭捨て場があるときは、そこに残った灰・炭を捨てましょう。炭は生分解されず、土に埋めてもそのままキャンプ場のゴミとして残ります。ゴミをポイ捨てするのと同じ行為になるのでNGです。
自宅に灰・炭を持ち帰りにくいときは、事前に灰・炭捨て場のあるキャンプ場をチェックして、焚き火を楽しむようにしましょう。
自宅に持ち帰る
キャンプ場に炭捨て場がない、または「持ち帰り」というルールがあるキャンプ場で焚き火をしたら、炭や灰を必ず自宅に持ち帰りましょう。残った灰・炭は袋やアルミホイルに入れて回収し、自宅に持ち帰ったあとはお住まいの自治体のルールに従って処理しましょう。
なお、炭は完全に消火したあとも、火を点ければまた燃えます。近く焚き火をする予定があるなら、炭と灰は別の袋に入れて持ち帰り、炭は再利用するとよいでしょう。
焚き火の後始末にはアルミホイルが活用できます。調理に使われるアルミホイルですが、炭を包んで酸素を遮断して消火するのにも使えるアイテム。炭を包んだアルミホイルはとても高温になるので、素手で触らないよう注意しましょう。
アルミホイルをあらかじめ焚き火台に敷いておくという方法もあります。事前にアルミホイルでカバーすることで、灰・薪から出た樹液・食材から出る脂などから焚き火台が汚れるのを防げます。
焚き火するときの注意点
焚き火は屋外で火を扱うものだけに、火災やケガなどのリスクをともないます。事前にリスクを十分に理解し、安全対策を講じて楽しみましょう。
天候による火災のリスクを避ける
強風や乾燥のときは火災のリスクが高まります。風で火の粉が遠くまで飛び、テントやタープなどに燃え移ると火災を引き起こすことになりかねません。燃え移ったあとは、想像を超えるスピードで延焼するおそれがあり、注意が必要です。
秋や冬に多い乾燥している日は、地面の落ち葉や枯れ草も乾燥が進み、いつもに増して燃えやすくなります。火災のリスクを軽減するため、以下の点に注意しましょう。
- 焚き火をしているときはその場を離れない
- 強風、乾燥注意報が出ているときは焚き火をしない
- 周囲に燃えやすいものがない場所を選ぶ
- 焚き火台は風に煽られない位置に設置する
- 非常時に備えバケツや消火道具を用意する
ケガのリスクを避ける
焚き火によるケガで一番リスクが高いのはやけどです。火の粉が飛んできたときや、薪をくべようとして焚き火台に触れたときにやけどをしてしまうことがあります。使用したばかりで高温の鉄板やスキレットでやけどをするおそれもます。
焚き火でのケガのリスクを軽減するためには、以下の点に注意しましょう。
- 長袖を着用し肌の露出を減らす
- 焚き火のときは手袋を着用する
- 使用直後の調理器具はテーブル中央など届きにくい場所に置く
- 小さな子どもがいるときは目を離さない
安全ガイドラインを遵守する
焚き火をする際は地域の安全ガイドラインを遵守しましょう。各自治体には、焚き火に関する条例や規則が定められていることがあります。
安全ガイドラインは、以下の方法で確認しましょう。
- 自治体のホームページを確認する
- 記載がない場合や不明点は直接問いあわせる
- キャンプ場の管理者に確認する
燃えにくい服装を選ぶ
焚き火を楽しむ際には、火の粉から身を守るために、適切な服装を選ぶことがとても大切です。
コットンやウールなどの天然素材は、火の粉がついてもすぐに燃え上がりにくく、火の粉が付着たらさっと払うだけで対処しやすい素材です。天然素材の衣類は火の粉の熱による穴が開きにくいこともあり、焚き火をするときの服装にぴったりです。
ポリエステルやナイロンなどの化学繊維製の衣類は、火の粉に非常に弱いという点に注意が必要です。火の粉が付着すると、素材が溶けて穴が開いてしまうことがあります。焚き火の際には化繊の衣類を避けるか、難燃素材の上着やエプロンを着用しましょう。
周りの人に配慮する
キャンプ場は楽しく過ごすための場所ですが、大声で騒いだり、大音量の音楽を流したりすると、周囲のキャンパーに迷惑をかけてしまいます。ほかのキャンパーや時間帯に気を配り、静かに過ごす気配りが大切です。
キャンプ場によっては、音楽をかけることを終日禁止していることがあります。音楽を流すと気分が上がりますが、キャンプ場のルールを確認して守るのは基本です。せっかくプロジェクターやスピーカーを用意しても使用できないケースがあるので、お出かけ前に事前のルールチェックは必ず行いましょう。
環境に優しい焚き火
環境問題への関心が高まるなか、重要なキーワードとなっているのがSDGsです。焚き火は環境に負荷を与えるものにもみえますが、やり方によっては、エコな調理や暖房の方法にもなりえます。環境への影響を限りなく低くして、SDGsの目標に貢献しましょう。
自然燃料を利用する
焚き火の燃料には、枯れ枝や落ち葉など自然のものを利用してみましょう。これらの自然燃料を使うことは、森林保護と森林管理の観点から、エコでスマートなやり方といえるでしょう。
また、間伐材は放置されたままでは腐敗してメタンガスを発生させます。メタンは温室効果ガスのひとつで、温暖化の原因ともいわれているものです。間伐材を焚き火の燃料として活用することで、メタン排出の抑制にも貢献できるのです。
火の粉の飛散を防止する
火の粉が飛び散ると、周囲の枯草などに引火して山火事の原因につながります。焚き火をするときは、風向きや風速をよくチェックして、火の粉が飛び散りにくい場所を選びましょう。また、直火ではなく、焚き火台を使用することで、火の粉の飛散抑制になり、環境被害を防止できます。
ゴミは持ち帰る
焚き火で発生した燃料や残りかすは、持ち帰って処分しましょう。ゴミを放置しておくと、周囲の植生や野生動物への影響、土壌や水源の汚染など、自然環境にさまざまな問題を起こします。また、ゴミはなるべく少なくするように心がけることが基本です。
焚き火を終えたあとは、焚き火をする前と同じ状態にするように心がけましょう。周りに自分が落としたものじゃなくてもゴミなどがあれば処理して、より美しい状態で返せるような余裕があればGOODですね。
関連記事:SDGsの達成に向けてキャンプでも簡単にできること
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。