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カヌーには個人競技以外にチーム戦もあり、戦略性・大人数ならではの迫力など見どころがたくさんあります。今回は、チーム競技のカヌーポロとドラゴンカヌーのルールや見どころを解説します。また、観光で見に行ける大会もご紹介します。

カヌーポロとは?ルールと見どころ

カヌー ルール

馬に乗って行う球技をポロといい、馬をカヌーに置き換えて行うのがこのカヌーポロです。

原型であるポロと同様、チーム戦で行います。ヨーロッパで人気のあるスポーツですが、近年日本でも人気が出てきているスポーツです。

カヌーポロの勝敗ルール

カヌーポロはバスケットボールのように、得点を競いあうスポーツです。

競技エリアは縦35m横23m水深90㎝以上という場所で行われ、ゴールは両チームとも水上2mの位置に設置されています。ゴールは高さ1m横1.5mのフレーム型です。主審の合図でゲームがスタート。

主審はボールを中央に投げます。相手のゴールにボールを入れると1得点になり、多く得点をしたチームが勝ちとなります。

試合時間は各ピリオド10分間で合計20分間、ハーフタイム3分間でおこなわれ、同点の場合、3分ハーフの延長戦が行われます。

タックルは認められていますが、危険なタックルやパドルで相手をたたく(ハッキング)といった反則行為は禁止されており、グリーンカード(警告)・イエローカード(2分間退場)・レッドカード(試合退場)といったペナルティを課せられます。

カヌーポロのチーム構成

1チーム8名のうち、コートには5名が入り、選手は自由に交替できます。2チームで勝敗を競います。

カヌーポロで使用するカヌー・装備

選手はプロテクターを兼ねたPFD(ライフジャケット)、フェイスガード付きのヘルメットをつけて臨みます。というのも、カヌーポロではタックルが認められており、接触等をした際のケガ防止のためです。

カヌー本体にも緩衝材がほどこされ、パドルにも丸みのあるものが使用されています。

カヌーポロの見どころ

カヌーポロの見どころは水上で繰り広げられる、エキサイティングな攻防です。

ルールの範囲内でのタックルなどの行為が認められているため、豪快なボールの取り合いが試合展開を熱くし、水上の格闘技と評されることもある激しいぶつかり合いを見ることができます。

また、それを可能にする選手の鮮やかな漕艇技術は見るものを圧倒します。

ドラゴンカヌーとは?ルールと見どころ

カヌー ルール

ドラゴンまたはドラゴンカヌーとよばれ、起源は古代中国にまでさかのぼる、カヌー競技の中でも歴史の古い部類になります。

使われるドラゴンカヌーは最大のもので12.5mにも及ぶ巨大なもの。そのドラゴンカヌーをチームで漕いで順位を競う競技です。

ドラゴンカヌーは競技ルールが競技団体によって多少異なります。今回は日本ドラゴンボート協会(JDBA)の競技ルールを中心に説明します。

一般財団法人 日本ドラゴンボート協会

ドラゴンカヌーの勝敗ルール

海・川といった、障害物のないフラットな水面をドラゴンカヌーで漕いでいき、着順を決めます。

種目は以下のように3つのカテゴリーと3つの距離に分かれています。

オープン 200m or 250m 500m 1000m
女子 200m or 250m 500m 1000m
混合 200m or 250m 500m 1000m

※不定期でジュニア・シニア種目もあります。

ドラゴンカヌーのチーム構成

ドラゴンカヌーではスタンダード艇とスモール艇があり、クルーの人数も異なります。

  全員 舵取り 太鼓手 漕手
スタンダード艇 22 1 1 20
スモール艇 12 1 1 10

舵取り(ステアーズマン)

ドラゴンカヌーの操縦を行い、カヌー全体の安全管理を担ういわばリーダーです。全体を見まわし指示をだし、操船技術の熟練度も問われるため責任のある役割です。

太鼓手(ドラマー)

ドラゴンカヌーにおいて太鼓手はクルーの漕ぐタイミング・早さをコントロールする役をにないます。全体の操船リズムを管理することから「ドラゴンの心臓」とも呼ばれます。

漕手(パドラー)

漕手は文字通りドラゴンカヌーを漕ぎ進む役を担います。一定のリズムや速度で10~20名で一斉に漕いでいくので、チームワークがとても重要になります。

漕手ひとりひとりが前方の漕手とペースを合わせ、最前列の漕手は隣同士でペースを合わせます。この最前列の2人は漕手のリーダーとされ、ペーサーと呼ばれています。

ドラゴンカヌーで使用するカヌー

ドラゴンカヌーで使われるカヌーは前述したとおり、スタンダード艇と呼ばれる大型のものと、スモール艇と呼ばれる小型のものがあります。

スタンダード艇のサイズは全長1,233~1,250㎝以内、スモール艇のサイズは全長900cm以上となっています。

ドラゴンカヌーの見どころ

ドラゴンカヌーの見どころは、美しく鮮やかな彩色が施された大きなドラゴンカヌーが、大勢のクルーたちによって一斉に漕ぎ出でる、その迫力でしょう。

レース当日は町全体がお祭りのような賑わいをみせ、多くの観客でにぎわいます。

また、ドラゴンカヌーはレースというスポーツ的な側面と、沖縄のハーリーと長崎のペーロンなど豊漁祈願として行う祭礼としての側面があります。

 

ドラゴンは町の一大イベント!観光でいけるドラゴン大会

カヌー ルール

ドラゴンカヌーは各地で大会や祭礼が行われており、当日は町をあげてレースを盛り上げます。全国的に有名なドラゴンカヌーは「ハーリー」と「ペーロン」があげられます。

沖縄県のハーリー

ハーリーはハーレーとも呼ばれ沖縄県で行われているドラゴンカヌーの大会です。沖縄のハーリーは「ユッカヌヒー」と呼ばれる豊漁祈願の行事に合わせて行われます。

旧暦の5月4日あたりで行われ、観光客でにぎわう「那覇ハーレー」と漁師町が近く伝統的な「糸満ハーリー」が有名です。

ハーリーで使うドラゴンカヌーは正式には「サバニ」とよばれ伝統的な製法で作られています。

長崎県のペーロン

ペーロンは長崎で行われており、その起こりは嵐を鎮めるために行った漕行競技と言われています。

現在では、豊漁祈願や田植え終わりを祝うものと、さまざまな祈願を行うものとして、6月初めから8月中旬頃まで各地で行われています。

最も盛り上がるのが各地区の選抜チームが一堂に会する長崎ペーロン選手権大会です。

「ヨーイサー」の掛け声とともに、勇壮なペーロンの競漕は圧巻です。当日は遊覧船が出て多くの観客でにぎわいます。

いかがでしたか?チームで行うカヌー競技には個人競技とはまた違う魅力があります。カヌーポロでは時にはタックルも飛び出すエキサイティングな水上のゲーム。ドラゴンカヌーでは一糸乱れぬパドリングで進んでいく勇壮さ。どちらも見るものを熱くする大会です。大会を観覧できる機会があればぜひその迫力を味わってみてください。

ライター

Greenfield編集部

【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。