オリンピックというと、水泳、陸上、体操など、多くの競技が人気ですが、自転車競技はまだまだ知名度が低いといえるのではないでしょうか。ここでは自転車競技のなかでも、オフロードを走るマウンテンバイク競技について、歴史や魅力を解説します。
マウンテンバイクの歴史など基本を学ぼう
自転車競技は、マウンテンバイク、ロードバイク、トラックレース、BMXの4つのジャンルがあります。そのなかでもマウンテンバイクは、未舗装の山道を走る競技です。
マウンテンバイク競技は1980年代に普及
マウンテンバイクが競技として普及してきたのは、1980年代。
その少しまえに、アメリカのサイクルブランドである「スペシャライズド」が、マウンテンバイクの量産に成功して、マウンテンバイクが広く知られるようになったことも、競技の普及に一役買ったといっていいでしょう。
いつからオリンピックの正式採用に?
オリンピックにマウンテンバイクが正式採用されたのは、1996年のアトランタ大会からです。
ロードレースは、1896年の第1回大会から、トラックレースは1912年からオリンピックに採用されているということを考えると、マウンテンバイクは、かなり新しい競技ということがわかります。
オリンピックのマウンテンバイク競技はクロスカントリー1種目
トラックレースは今回のオリンピックで競われるのは6種目。
それに対しマウンテンバイクは、ダウンヒルとクロスカントリーがあるなかで、オリンピックではクロスカントリー1種目です。
では、クロスカントリーがどんな競技かを、説明しましょう。
クロスカントリーとは?
クロスカントリーというのは、アップダウンのあるオフロードコースを、予想競技時間にあわせた周回数を走ります。
競技時間は、1時間半〜1時間45分と長く、コース内には、急坂や急カーブ、シングルトラックと呼ばれる自転車1台分しか通れないような細い道などもあります。
そのため、クロスカントリーレースでは、自転車のコントロール力と、体力なども必要になる競技です。
クロスカントリーのルール
クロスカントリーのルールはとてもシンプルで、まずは、全選手が一斉にスタートします。
1週目を走った時の、1番の選手のラップタイムが基準となって、その基準タイムの80%の時間で周回できないと、レースから外されてしまうという、80%ルールが適用されています。
しかも、バレーやバドミントンなどの競技のように何度も試合をして決勝まで進むのとは違い、1発勝負のため、大どんでん返しや大波乱が起きることもあります。
使用するマウンテンバイクの特徴は3つ
オリンピックの自転車競技で使われる自転車は、ロードバイク、トラックレース用などがありますが、マウンテンバイク用の自転車の特徴は、下の3つです。
- サスペンション
- 軽量でいて、強度のあるフレーム
- 軽量で、バーストしにくいタイヤ
オフロードを走るマウンテンバイクには、サスペンションがついています。サスペンションはデコボコの道の衝撃を吸収してくれるパーツで、サスペンションがついていることで、衝撃による体の疲労も軽減されます。
またレース用のバイクは軽量でいて、どんなジャンプや着地をしても、ゆがみにくい頑丈なフレーム、そしてパンクしにくいタイヤを搭載しています。
マウンテンバイク競技の魅力と見どころとは
マウンテンバイク競技の魅力や見どころをご紹介します。
手に汗にぎる急坂など難易度の高いコース
マウンテンバイク競技のいちばんの魅力は、何といっても手に汗握るような、難易度の高いコースです。
細くて急なコーナーを、猛スピードで走っていくさまは、スリルと興奮を肌で感じることができます。
とくに難易度が高いコースでは、素晴らしい選手のテクニックなども見どころです。
ハプニングの多さも魅力
マウンテンバイクのコースは、オフロードということもあり、天候によってはドロドロになったり、タイヤがバーストしたり、落車したりなど、レースも波乱万丈です。
しかも、ルールのところで触れたように、1発勝負であるため、選手の当日の体調や、バイクの調整などによっても、ハプニングが多く、それが反対にマウンテンバイク競技の魅力のひとつになっているといっていいでしょう。
東京オリンピックの会場は伊豆MTBコース
今回のオリンピックの会場になったのは、伊豆にあるサイクルスポーツセンターです。
豊富な自転車コースにプラスして、サイクルモノレールや水泳自転車など、いろんなアトラクションがある施設。
オリンピックに使用されたコースは、全長4.1km、高低差150mあり、急勾配の上り下りも多く、日本庭園のような美しい景観もあるコースです。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
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