テント泊登山の魅力とは?
泊まりをはさむ登山といえば、ペンションや山小屋で過ごすのが一般的ですよね。せっかくの登山で、もっと自然を楽しもうと最近人気を集めているのがテント泊です。
もともとテント泊登山といえば、人里はなれた場所で、テントに泊まるしかないという状況で行うものでした。
荷物も多くなり、大所帯で行く一大事のイメージもありますが、最近のテント泊登山の様相は少し違います。
小型テントも低価格化、高性能化し、荷物はかなり小さくすむようになりました。
このためソロでのテント泊も可能になっています。
登山ルートのテント場も整備され、行いやすくなったというのも人気の理由のひとつでしょう。
このような理由から、趣味としてのテント泊登山のシェアが伸びています。
人里を離れ、自然の中に身一つで過ごす体験はほかでは味わえない魅力です。
また登山フリークの方には、泊まりをはさむ事でより遠くまで進むことができるのも大きな魅力になりますね。
テント泊登山の心得
テント泊をしやすい環境になったとはいえ、自然の中に軽装備で挑むということはある程度のリスクが付きまといます。
また、キャンプ場とは違うマナーもあるので、これから紹介するポイントには十分注意して行いましょう。
スペースを大切に
山中のテント場は、キャンプ場とは違い狭いことがほとんどです。
斜面の中にある数少ない平地を利用しているため、好天の連休には所狭しとテントが立ち並ぶことも少なくありません。
このため、キャンプ場のように広めのテントで居住性を重視するような使い方はご法度。
もし全員がその考えて大きいテントを持ってくると、場所取り合戦になって泊まれない人も出てきてしまいますよね。
テント場を使うときには、1人用テントに1人、2人用テントに2人泊まるなど、省スペースを心がけましょう。
ごみを極力出さない
登山の基本でもありますが、ごみを極力出さないことも必須です。
キャンプ場のようにゴミ箱があるわけでもないので、出たごみはすべて自分で持ち帰ることになります。
テント泊をする場合、基本的には自炊することになるので、ある程度のごみは出てしまいます。
食材を下ごしらえするのはもちろん、使う調理器具や食器もなるべく1つで済むように工夫するといいでしょう。
快適性より体力温存を優先
テント泊登山では、途中泊まりで休息を取れるとはいえ、やはり家で寝るほど体力を回復できません。
居住性を重視し、いろいろなグッズを持っていけばある程度改善しますが、それでも十分とは言えないことが多いです。
むしろ、荷物を増やすことで道中体力を奪われるので、避けたほうがいいでしょう。
このため、快適性をあげるために荷物を増やすよりは、必要最低限の荷物で、移動中の体力浪費を防ぐほうが有効です。
食事でも体力回復できるので、快適性を上げる装備よりも、補給や食事にこだわったほうが得策と言えます。
テント泊登山の流れ
では、テント泊登山ではどういった流れで行うとよいのでしょうか。
基本の流れをご紹介しますが、山中で足りないものなどが出るとどうしようもないので、予行練習としてキャンプ場で一度想定する道具を使って練習することをおすすめします。
①受付と設営場所の確保
登山してテント場にたどり着いたら、まず受付を済ませます。
このとき、水場などの場所を確認しておくといいでしょう。
設営場所はなるべく水場から近いほうが楽ですが、夜に水の音で起こされてしまうことがあったり、ほかの方の作業の邪魔にもなります。
このため、水場に近すぎないようにすると快適です。
②テントの設営
場所が決まったら、テントを準備しましょう。
キャンプ場との違いは、凹凸や小石、枝などが当たり前のようにあることです。
まずこれらの掃除をすることからはじめます。
凹凸がひどいときには、砂利と土を使って埋めましょう。
次の方のことを考え、小石や枝は草むらによけておくとベストですね。
テントの設営が完了したら、荷物をテントに収納して、周りのスペースを空けておくのもマナーのひとつです。
③撤収作業
撤収作業は、出発より少し早めに行っておくのが理想的です。
テントの底やシートに泥が染みてしまっている場合、乾かしておくなど対処できるからです。
湿気を吸ったまま下山まで数時間持ち歩くことになるので、そのままにしておくと匂いが出たり、最悪かびてしまうこともあります。
収納した後に天日干ししておくだけでもだいぶ違うので、早目にテントを畳んで日向に置いておくといいでしょう。
あると便利なアイテムは?
テント泊登山では、山中で生活するためのアイテムを、なるべく小さく持ち歩く必要があります。
キャンプ道具をそのまま流用できない場合もあるので、代用できるものを準備していく必要があります。
ボディシート(汗拭きシート)
テント場には基本的にシャワーもお風呂もありません。
しかし登山で汗をかくので、体を清潔にしたいですよね。
そこで活躍するのがボディシートです。
タオルで拭くよりも清涼感がありますし、タオル一枚分で複数枚持ち歩くことができるのでおすすめです。
折りたたみバケツ
限られた水場を共有するため、水を持ち歩くためにバケツがあると助かります。
折りたたみバケツなら、使わないときに小さく畳んでリュックに取り付けることもできるので、1つ用意しておくといいでしょう。
折りたたみ座布団
テント場は凹凸も多く、クッションになるものが必要になります。
車で移動するキャンプなら厚手のグラウンドシートで対応できますが、登山では持ち歩くことはできないと思ったほうがいいでしょう。
折りたたみ座布団であれば複数枚あってもリュックに入れられますし、登山中の休憩にも使えるのでおすすめです。
茶漉し
標高の高い山であると便利なのが茶漉しです。
水場がない場合、雪を溶かして利用することもありますが、砂や落ち葉が混ざっていることもありますよね。
雪を溶かして煮沸した水を茶漉しでろ過すれば大きなごみを取り除けます。
そこまで大きいものでもないのでサイドポケットにも忍ばせておけますし、1つあると助かります。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。