「ダイビングに行きたいけれど友達と予定が合わない」「一人でショップの門を叩くのは勇気がいる」と悩んでいませんか?実はファンダイビングの利用者の半数以上は「おひとり様」での参加です。一人だからこそ、自分のペースで海の世界を堪能でき、一生モノの仲間に出会えるチャンスも広がります。本記事では、一人参加の不安を解消するコツや、プロが教えるショップ選びの秘訣を詳しく解説。自由で贅沢なダイビングの旅へ踏み出しましょう。
ファンダイビングは一人参加でも全く問題ない理由

「ライセンスを取得したものの、一緒に行く相手がいない」
「一人でツアーに申込むのは気まずい」
筆者が店舗でよく聞いた、初心者ダイバーの相談です。そして、ファンダイビング参加者の約半数、ショップによってはそれ以上が「おひとり様」の参加という事実を伝えると、ほとんどの人がうれしそうに驚いていました。
ダイビング業界において、一人参加は決して珍しいことではなく、むしろ「日常的な光景」といっても過言ではありません。
それにもかかわらず、多くの初心者が「一人参加は大丈夫だろうか」と感じてしまうのは、ダイバーならではの理由が隠されています。
「一人では潜ってはいけない」というルールの誤解
ダイバーなら誰もが、ライセンス(Cカード)講習で「バディシステム」の重要性を徹底して教わります。「水中でトラブルがあった際、助け合うパートナーがいない状態での単独潜水(ソロダイビング)は絶対にNG」という安全原則です。
このルールが、無意識のうちに「一人で参加できない」「自分でバディを探さなければならない」と思い込んでしまう理由です。
しかし、ショップが開催するファンダイビングツアーにおいては、以下の仕組みがあるため一人で参加してもルール違反になりません。
一人で申し込んだとしても、当日同じチームになったゲスト同士で組む「現地バディ」が一般的です。
インストラクターやガイドがチーム全体を管理し、常に安全に目を配っているため、一人で申し込んだとしても孤立することはありません。
ショップ側が「おひとり様」を大歓迎している
実は、ダイビングショップ側からすると、一人参加のお客様は非常にありがたい存在です。
なぜなら、一人で参加する人はダイビングへの熱意が高い傾向にあり、ガイドの話を熱心に聞いてくれるからです。
筆者の経験上、ダイビングのスキルを向上したい、水中撮影をもっと楽しみたいと積極的に参加する人は高確率でおひとり様でした。
はじめの時間帯は孤立しがちですが、ダイビングツアー終盤には同じチームの方々と仲良くなり、ダイビング情報を交換し合ったり、夜に飲みに行ったりと、ダイバーとして非常に充実している様子をよく目にします。
これはダイビングツアーを提供している側として、この上なくうれしいことです。
「一人だから申し訳ない」と気にする必要は一切ありません。むしろ、ショップ側は新しい出会いを求めてやってくるダイバーを、両手を広げて待っています。
一人でファンダイビングに参加する3つのメリット

おひとり様ダイビングには、グループ参加では味わえない別格のメリットが3つあります。
自分のペースでダイビング・旅行に集中できる
一人参加の最大の魅力は「究極の自由」です。
友人や家族と一緒だと、どうしても相手のスキルや体力、興味のある生物に合わせる必要が出てきます。「本当はこのウミウシをもっとじっくり撮りたかった」「本当はもっと深いポイントに行きたかったけれど、怖いと言われ諦めた」といった妥協が一切不要になります。
またダイビング後の時間も自由。早めに宿に帰って休むのも、地元の居酒屋にふらりと立ち寄るのも、すべて自分の気分次第です。
予約の融通が効きやすい
人気のダイビングショップは特に連休の予約がすぐに埋まってしまいますが、「一人分」のスペースなら滑り込めるケースがあります。
ボートの乗船定員や送迎車の座席など、「あと一人なら乗れる」という隙間枠は意外と見つかるものです。
「明日休みになった!あ、土曜日だ…空いてるかな」という時、一人なら予約が取れる確率が高まります。
新しいコミュニティ・仲間ができる
意外かもしれませんが、一人で参加したほうが、新しい友達ができやすいという側面があります。
グループで参加していると、どうしても身内だけの会話で完結してしまいがちです。しかし、一人で参加していれば、ボートの上やログ付けの時間に、隣に座ったダイバーやガイドと自然に会話が生まれます。
ダイビングという共通の趣味があるため、職業や年齢の壁を越えて会話が弾みやすく、「次の〇〇ツアー、私も行くんですけどどうですか?」と、趣味仲間へと発展することも少なくありません。
一人参加で気になる「不安」と解決策

一人での参加が可能だとわかっていても、いざ申し込むとなると小さな不安が頭をよぎるものです。ここでは、多くのダイバーが抱く3つの不安について、プロの視点から具体的な解決策を提示します。
孤独・寂しさ
「休憩時間やランチの時に、自分だけポツンとしていたらどうしよう」という不安は、一人参加をためらう最大の理由かもしれません。
【解決策】
ダイビングショップのガイドやインストラクターは、単に海を案内するだけでなく、ゲスト同士をつなぐ「コミュニティホスト」としての役割も担っています。一人で参加している方には、その人の適性に合わせて声をかけ、周りに馴染めるようさりげなく配慮してくれるのが一般的です。
無理に会話したり、雰囲気を気にしたりする必要のない環境が整っています。ただ、全てのショップがというわけではありません。過度な期待はしないようにしてください。
追加料金
宿泊を伴うツアーにおいて、一人参加だと「シングルチャージ(一人部屋追加料金)」が発生し、割高になることを心配する人もいます。
【解決策】
相部屋設定があるか、ショップスタッフへ相談してみてください。一人参加は複数名必ずといっていいほどいるため、相部屋OKの参加者をスタッフが確認してくれます。
スキルへの不安
「一人で参加して、もし自分が一番下手だったら迷惑をかけてしまうのでは?」という、自分のスキルへの不安です。
【解決策】
実は、一人参加の人ほどガイドの目が届きやすく、サポートも細やかです。
予約時に「ブランクがある」「耳抜きが苦手」と正直に伝えておけば、ガイドはそれに適したチーム編成やコース取りを考えてくれます。一人だからこそ、プロの技術を独り占めするつもりでリラックスして臨みましょう。
プロが伝授!一人参加を楽しむためのショップ選びのコツ

一人でダイビングに参加する場合、どのショップを選ぶかがその日の楽しさを左右します。
なんとなく適当に選ぶのではなく、一人客に対する「ホスピタリティ」に注目してみましょう。押さえてほしいポイントは、以下の3つです。
「一人参加大歓迎」を明記しているショップを選ぶ
まずは、ショップのホームページやSNSで「おひとり様大歓迎」「一人参加の方も多いです」と大々的に明記しているショップに絞りましょう。
こうしたショップは、現地でのバディ割りや休憩時間の過ごし方など、一人で来たゲストが疎外感を感じないような気配りが上手です。
アットホームな個人ショップvs大手ショップ
ショップの規模によって、一人参加時の居心地が変わります。自分の性格に合わせて選びましょう。
ガイドとお客さんの距離が近く、家族のような雰囲気で迎えてくれます。一度顔を覚えられれば常連として馴染みやすく、深いコミュニティを築きたい人におすすめです。
毎日多くのゲストが訪れるため、いい意味で「放っておいてくれる」気軽さがあります。過度な干渉を好まず、淡々とダイビングそのものを楽しみたい人におすすめです。
ログ付けの時間を大事にしているか
ログ付け(ダイビング後にログブックにダイビング時間や環境、見た生物を記録する)を丁寧に行っているショップは、一人参加でも満足度が高くなります。
ログ付けはガイドからその日のダイビングのフィードバックをもらえたり、他のゲストと感動を共有できたりする貴重なコミュニケーションの場です。
単に「ガイドのサインをもらって終わり」ではなく、図鑑を広げてその日の海の様子を楽しく語り合えるショップなら、一日の終わりに「今日来てよかった」という充実感をより強く味わえるはずです。
ログ付けに関して補足すると、ログ付けは日本独特の文化です。海外ではログ付けの習慣はなく、ログ付け自体義務ではありません。そのため、ログ付けをしないショップであっても不信に思わず、「ここはそういうスタイルなんだな」くらいで考えておきましょう。
一人ファンダイビングを成功させるための3つの心得

最後に、一人での参加を最高に楽しむための、ダイバーとしての心得を整理しておきましょう。
自分のスキルは正直に伝える
一人参加の場合、周りに気を遣って「できない」「やったことがない」ということを伝えない人がいますが、これは逆効果です。
「耳抜きに時間がかかる」「フリー潜降は初めて」「ブランクがあって中性浮力が不安」「実は10本しか潜っていない」など、自分のレベルをガイドに素直に伝えましょう。
事前に情報を共有することで、ガイドはあなたを最適なポジションへ配置でき、結果としてあなた自身が最も安全で楽にダイビングを楽しめるようになります。
撮影や観察にテーマを持つ
「今日はウミウシを徹底的に探す」「じっくりカメラのライティングを練習する」など、自分なりのテーマを持ってみましょう。目的が明確だと、一人で水中にいる時間がより濃密になり、同伴者がいないことの寂しさなど微塵も感じなくなります。
マナーを守る
当たり前のことですが、一人参加だからこそ周囲への配慮が重要です。
集合時間を守る、器材のセッティングは迅速に、ボート上を散らかさないといった基本的なマナーを徹底しましょう。
マナーの良いダイバーは、ガイドからも他のゲストからも信頼されます。その信頼関係こそが、現場の居心地を良くし、「またこの人と同じチームで潜りたい」と思ってもらえる秘訣なのです。
ライター
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マリンスポーツのジャンルを得意としたwebライター。海遊びの楽しみ方やコツを初心者にも伝わるよう日々執筆活動中。スキューバダイビング歴約20年、マリンスポーツ専門量販店にて約13年勤務。海とお酒と九州を愛する博多女です。