特にアウトドアの場面においては、周囲に助けを呼べる人がいない状況も多いため、最低限の救命や応急手当の知識は身につけておきたいところですよね。
現在全国の消防局では、心肺蘇生やAEDの使い方、けがの応急手当などを習得できる一般市民に向けた「救命講習」を実施しています。
詳しい内容をご紹介しますので、是非受講を検討してみてください。
一次救命処置(BLS)の重要性
一次救命処置(BLS:Basic Life Support)とは、呼吸・心臓が止まってしまった人にAEDの使用、または人工呼吸や胸骨圧迫を行い、救命のチャンスを維持することをいいます。
人間は心肺停止から2分以内に心肺蘇生が開始された場合、90%以上が助かりますが、4分では50%、5分では25%までに救命率が落ちてしまいます。
救急車の要請から到着までは全国平均で8分かかりますから、その間の処置が生死を分けると言っても過言ではありません。
消防局・消防本部が指導する救命講習では、このような緊急事態に遭遇した時のための心肺蘇生の方法を中心に、AED、異物除去、止血法などを学ぶことができます。
救命講習の内容
救命講習は3つのコースがあります。
・「普通救命講習(3時間)」
・「普通救命(自動体外式除細動器業務従事者)講習(4時間)」
・「上級救命講習(8時間)」
心肺蘇生法と簡易応急手当が学べる3時間のコースが最も一般的で、こちらは赤十字の「基礎講習」と同等の内容です。
4時間のコースは3時間のコースと内容はほぼ一緒ですが、医務室などで従事する人向けで、終了試験があります。
8時間のコースはこれらの講習内容の他、小児、乳児、新生児に対する処置、また外傷手当や搬送方法などが加わり、筆記と実技の終了試験が課せられます。
ただし、「上級救命講習」は日常的に実施している都市が少ないので、お住まいの地域の消防局のホームページで確認してください。
【普通救命講習】
講習時間 3時間
講習内容 心肺蘇生やAED・異物除去・止血法
認定証 救命技能認定書
費用 1,400円
【普通救命(自動体外式除細動器業務従事者)講習】
講習時間 4時間
講習内容 普通救命の内容に加え、AEDの知識確認と実技
認定証 救命技能認定書(自動体外式除細動器業務従事者)
費用 1,400円
【上級救命講習】
講習時間 8時間
講習内容 普通救命(自動体外式除細動器業務従事者)の内容に加え、
小児、乳児の心肺蘇生、傷病者管理、外傷の応急手当、搬送法
認定証 上級救命技能認定書
費用 2,600円
参考 : 東京消防庁が実施する救命講習の場合
消防局が認定する『公的資格』
救命講習はいざという時に役立つばかりでなく、受けておくとお仕事にも活かせるかもしれません。
日本赤十字社が交付している基礎講習の認定書は「民間資格」ですが、消防局の発行する認定書は「公的資格」となります。
スポーツインストラクターや警備業界、ホテル業界、教育の現場など様々な分野で有効な資格なので、持っておいて損はありません。
ただし、認定証の有効期限は3年間。技能維持のためにも2〜3年ごとに再講習を受けることをおすすめします。
救命技能しっかり習得すれば、家族や友人など身近な人を守るだけでなく、街中や職場で突然人が倒れた時なども積極的に手を差し伸べることができます。
学びたい技術や講習時間などを考慮し、自分に合ったコースを受けてみてはいかがでしょうか。
なお、講習の費用や日程などは管轄の消防局によって異なります。各地域の消防局のホームページでご確認ください。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。