ダイビングが怖い理由を考えてみよう
ダイビング未経験者のなかに「ダイビングは怖い」と感じている人がいるのは当然のことかもしれません。「泳げない」「水が苦手」「サメが嫌い」 など、さまざまな理由が考えられます。
ダイビングに対する印象は人それぞれなので、それらを否定するつもりはありません。
ところが、ライセンスを取得して、何度も海に潜っているにも拘わらず「ダイビングが怖い」と感じているダイバーも少なくないようです。
なぜ楽しいはずのダイビングを「怖い」と感じているのでしょうか?
今回は「ダイビングが怖い」と感じている原因や、ダイビングに対する恐怖心を克服するための方法を真面目に考えてみましょう。
ダイビング講習でのトラブルがトラウマに?
よく耳にするのは、体験ダイビングやオープンウォーターコースなど、初級ダイビングコース中に経験した思わぬトラブルが原因で「ダイビングが怖い」と感じているケースです。
なかでもライセンス取得を目的とした海外旅行での事例が多く報告されています。
これは限られた旅行日程の中で無理やりコースを強行するため、十分な知識と技術が整っていない状態で海に潜らざるを得なく、その結果、鼓膜破損や軽いパニックなどのトラブルを引き起こしてしまったというパターンです。
期待に胸を膨らませて始めたダイビングで、いきなりトラブルを起こしてしまえば、ダイビングがトラウマになってしまうおそれすらあるでしょう。
ダイビングのスキル不足?
よくダイビングが上手い人はエアの消費量が少ないと言われます。
もちろん、一概にエア消費量が少なければダイビングが上手い人というわけでもありませんが、同条件であればダイビング上級者のほうが間違いなくエア消費量が少ないことは確かです。
スキル不足の初心者ダイバーに多く見られるのが「速い呼吸」です。レギュレーターから吐いた泡が絶え間なくボコボコ出ていて、タンクの残圧もすぐに少なくなってしまいます。
明らかに緊張している状態ですが、これはダイビングへの恐怖心が抜け切れていないということ。
言い換えれば、頭では理解していても、体が「ダイビングが怖い」と感じているからです。
ダイビングにおける安全管理の必要性に関しては以下の記事も参考にしてください。
ダイビング事故から身を守る7か条!スキューバダイビングにおける安全管理の必要性
ダイビングの恐怖心を克服する3つのポイント
ダイビングの恐怖心を克服するには、ダイビングが「怖い」と感じている原因を認識し、不安に感じていることをひとつずつ解決していくことです。
ダイビングの恐怖心を克服する3つのポイントを見ていきましょう。
ダイビングの恐怖心克服ポイント①呼吸を整える
もし、あなたが街中やオフィスなどで極度の緊張から過呼吸になっている人を見かけたらどうしますか?
誰もが「落ち着いて!ゆっくり深呼吸をして呼吸を整えて」と声を掛けるのではないでしょうか。これはダイビングでもまったく同じです。
ダイビング中に呼吸が速くなっていると感じたら、まずは肩の力を抜いて、ゆっくり深呼吸をして呼吸を整えることが、実は何よりも大切なのです。
これは「セルフコントロール」と呼ばれるもっとも簡単な方法のひとつで、自分自身が緊張状態にあることを認めることがポイントです。
緊張状態にあることを否定してはいけません。緊張が原因で呼吸が速くなっていることを自覚して、呼吸を整えてリラックスするということ。
たったこれだけで、自然とダイビングへの恐怖心も薄れていくはずです。
ダイビングの恐怖心克服ポイント②正しい知識を持つ
正しい知識を持つことは、ダイビングの自信に繋がります。
たとえば、多くの人は「サメは凶暴で危険な魚」だと、映画やテレビなどから無意識のうちに刷り込まれています。しかし、500種以上いるサメのほとんどは無害で、危険とされるサメは数種類だけ。
たとえ危険なサメに出会ったとしても、こちらから手を出さない限りサメの方から逃げてしまう場合がほとんどです。
日本でダイバーがサメに襲われて死亡に至った事例もありません。こうした正しい知識を持っていれば、過度にサメを怖がる必要はありません。
ダイビング中にサメを見たことでパニックを起こしてしまうことの方がよほど危険なのです。
ダイビング中の起こりうるトラブル対処法については以下の記事も参考にしてください。
ダイビング中のトラブル対処法!安全に潜るためのケース別テクニック
ダイビングの恐怖心克服ポイント③経験を積む
ダイビングの恐怖心を克服する最善の方法は「経験を積む」ことです。経験に勝るものはありません。
各種ステップアップコースを受講するなどして、ダイビングの知識とスキルをアップデートしていくことが最善の近道です。
また、レンタル器材の使用している人は、1日も早くマイ器材を揃えることも大切です。
ダイビングは器材依存型のレジャースポーツです。信頼のできる使い慣れた器材を使うだけで安心感が格段にあがり、ダイビングへの恐怖心を軽減できます。