サーファーのローカルリスペクトについて
『ローカルリスペクト』これは全世界のサーファーの共通概念で、そのサーフポイントにあるローカルコミュニティに敬意をもった行動をとるということです。
どのサーフポイントにもさまざまな歴史があります。
そこでサーフィンができているのは駐車場問題やビーチクリーン活動、地元住民のサーフィンへの理解など、ローカルサーファーの活動が必ずあるはずです。
そこに敬意を示した行動をとることはビジターとして来たサーファーの基本のマナーではないかと思います。
日本でも古くから『郷に入りては郷に従え』ということわざがあるように、その場所に入るならその場所に合わせた行動を心がけましょう。
なかにはローカルリスペクトをネガティブワードとしてとらえている人もいます。筆者はローカルリスペクトはとても紳士的だと考えています。
すべてのサーファーが良い波を楽しみたいはずですが、海にはルールや場所を区切るものはありません。
そんな中でサーファー同士の共通概念で無秩序を回避しようとするのは、素晴らしいことだと考えます。
ビジターサーファーの心得
ビジターとして、初めてのポイントに入ろうとするときの基本的なマナーをいくつかご紹介します。
下記のマナーを徹底していれば海でおこるトラブルはほとんど回避できるはずです。とくにサーフィンを始めたばかりというビギナーサーファーの人は参考にしてください。
事前の情報収集
はじめてのポイントに行く前に、事前に情報収集をおこないましょう。
駐車場所や海でのローカルルールなど確認しておくとトラブルが無くサーフィンできます。そのポイントに行ったことがある人に詳細を聞くのが一番ベターです。
または波情報サイトなどからも情報を収集できます。
入る前にポイントの見極め
ポイントについてすぐに着替えて海へ…の前に、波チェックや海でのサーファーの動きなども観察しましょう。特にチェックするポイントは以下の2つです。
- 波数とサーファーの数は適正なのか
- 自分のスキルにあった波質なのか
もしそのポイントに入るのが適正では無いと思えば、違うポイントに移動するか時間帯をずらすか、場合によっては海に入らないという選択肢も考えないといけません。
目的はサーフィンを楽しむことです。それができるか否かの判断を事前にするようにしましょう。
いきなりピークにいかない
ピークとは、そのポイントの中で最もいい波がブレイクするポジションのこと。
必ずといっていいほど、いい波のピークにはローカルサーファーや通い慣れた人がいて、限りある良い波を、入っているサーファー同士でシェアして楽しんでいます。
そこにいきなりビジターが入り、良い波をガツガツ競りながら乗っていく行為は紳士的とは言えません。
はじめてのポイントなら、まずは乗れる波が余っているポジションで波待ちしましょう。
そのように楽しんでいると自然と場の雰囲気にも溶け込んでいき、思わず良い波が自分に回ってくることもあります。
多人数で入らない
波をシェアしながら楽しむとなれば、そのポイントのキャパも決まってきます。
そう考えると波のいい場所に多人数で入るのはあまり良い選択肢ではありません。とくにリーフのようなポイントブレイクでは注意しましょう。
できれば一人で入るのがベストですが、もし友人と数名で一緒に海に入るようになっても、入るピークを分散したり入る時間帯をずらしたりするなど、他のサーファーへの配慮ある入り方を心がけるといいと思います。
挨拶などのコミュニケーション
他のサーファーへの挨拶やコミュニケーションはとても大切です。ビジターで行ったポイントでは積極的に他のサーファーと挨拶して入るといいでしょう。
コミュニケーションがとれていると、同じ場所の波を知らない者同士で上手にシェアする雰囲気ができるようになります。
筆者の経験上、話しかけることでローカルサーファーから役立ついい情報を聞けたり、気のいいサーファーだと良い波を譲ってくれたりとメリットが大きいと思います。
サーフィンを楽しむには思いやりの心持ち
どんなスポーツやアクティビティも結局は楽しむ同士の思いやりの心持が重要です。自分だけが楽しめればいいというスタンスのサーファー同士ならトラブルになるのは必至です。
上手なサーファーほどローカルリスペクトの精神でマナーに気をつけながらサーフィンを楽しんでいます。
そんな他人を思いやる気持ちがあるサーファーが増えれば、海で起こるトラブルのほとんどは回避できるでしょう。