ウォーターアクティビティではサーフィン用語が必需
波をあらわす言葉は、やはり学問や天気予報で使用するアカデミックな専門用語が本流です。気象情報を本格的に入手するときは、これが必要です。
しかし、波に関する表現として、そのような専門用語とは趣を異にするサーフィン用語があります。
ウォーターアクティビティで使われる用語
サーフィンは波を利用するウォーターアクティビティーの先駆けであり、輸入された文化であるため、使用される用語の基本は英語です。
また、学術的な分野とはカルチャーがまったく異なるため、スラング的な表現も見受けます。
サーフィンだけではなく、SUP、ウィンドサーフィンをはじめとした、そのほかのウォーターアクティビティーでも、サーフィン用語が本流となっています。
また、現場での生の波情報を入手する際にも、用語を知らないと楽しむことだけではなく、安全対策上でも大切になります。
そのためにも波に関するサーフィン用語は覚えておく必要があります。
サーフィン用語における波の各部の名称
波に乗り、波のうえでさまざまなパフォーマンスを楽しむサーフィンでは、波の各部に細かく名前がつけられています。まずは、各名称を覚えておきましょう。
波の部位ごとの名称
トップ | 「波のトップ」などと使われる用語で、波のうえの部分を指します。 |
ピーク | ピークとは、頂上を意味する英単語で、波が崩れだす頂点、いちばん高い部分を指します。 |
ボトム | 波のいちばん低い部分のことを指し、波の底の意味もあります。 |
ショルダー | 波の切れ目の面のことで、ピークの横のこれからブレイクしていく部分です。 |
フェイス | 波の斜面、陸側に切り立ってくる波の面のことを指します。 |
スープ/ホワイトウォーター | 波が崩れてできる気泡まじりの白い部分のことで、ホワイトウォーターとも言います。 |
リップ | 波の崩れそうな先端、まさにブレイクの瞬間の薄くなった上端部分を指します。 |
カール | 波の先端、フェイスからリップにかけての丸く巻いてくる部分です。 |
波の部位以外の基本用語
波の部位ではありませんが、頻繁に使用されるきわめて基本的な用語として覚えておきましょう。
セット | 定期的に3、4本と連続して現れる大きめのうねりのことを指します。 |
カレント | 潮流のことをカレントと呼びます。リップカレントとは離岸流のことです。 |
スウェル | うねりのこと。 |
波の種類・面の状態の名称
波に乗るためは、どんな波なのかや波の崩れ方など波の状態や特徴によって、パフォーマンスに大きな影響がでます。そのため、波の種類や状態を表す独特の用語も多くあります。
波の種類を表す用語
レギュラー(の波) | ビーチから見て右から左へブレイクしていく波のこと。ライト(の波)とも呼びます。 |
グーフィー(の波) | ビーチから見て左から右に崩れていく波のこと。レフト(の波)とも呼びます。 |
ダンパー | DUMPとはドサっと落とすという意味。ショルダー部分がなく、横一線でいっきに崩れる波のことを指します。 |
チューブ/バレル | 文字どおり、波のリップが巻いて管状・筒状になり、空洞をともなった形状の波のことを指し、バレルとも呼ばれます。 |
波の状態を表す用語
切れた波 | 明確なピークがあり、そこからショルダーへ順序よく割れていく波を指します。 |
速い波 | 順々に割れていく波の速度が速い状態です。 |
ワイドな波 | 複数のピークがつながっているかのように、幅広いエリアで同時に崩れてしまう波をこう呼びます。つながった波とも言います。 |
トロい波/タルい波 | 波にパワーがなく、崩れる速度もゆっくりとした波でタルい波とも言います。 |
ホレた波 | 波のトップがカールしてリップが切り立っている波をこう呼びます。 |
厚い波 | ホレた波とは逆にあまりカールせず、波の斜面が傾斜が緩い波のことで、トロい波とほぼ同じ意味で使われます。 |
三角波 | サーフィンでは、ピークが三角形の頂点のようにはっきりとしていて、左右のショルダーに向けて適度な速度で順々に崩れていく波のことを指しますが、ウィンドサーフィンやヨット、カイトボーディングなどの風乗り系スポーツでは、強風で立つ風波の代表的な形状の波を指していることが多くあります。 |
面ツル | 波面に凹凸が少なく、言葉どおりツルツルな状態のことでグラッシーとも表現します。波やうねりがなくても水面全体を表現するときにも使われます。 |
チョッピー/バンピー | 風が強まることで波の面に凹凸が現れる状態です。CHOPとは風波・三角波の意味で、水面全体の表現でも使用します。ガタガタ揺れる意味のBUMPを使ってバンピーとも言います。 |
ジャンク | 波の形や水面がひどく乱れた状態のことで、ジャンクなコンディションなどと使われます。 |
波のサイズの名称
波のサイズについて、気象用語の波高は数値化されていますが、サーフィンでは体の部位を基準とする独特な表現を使っています。
体の部位を基準とするわかりやすい名称
サーフィンでは、足が着いた状態での波の高さがどの部位になるかであらわし、スネ・ヒザ・モモ・コシ・ハラ・ムネ・カタ・アタマなどと呼びます。
また、波の高さは常に変化するので、ハラ〜ムネ、カタ〜アタマ、オーバーヘッドなどと表現します。