2019年12月にスペイン・マドリードでブエルタ・エスパーニャ2020のコースプレゼンテーションが開催されました。今回の記事では、このイベントの様子をお伝えするとともに、2020年のブエルタのコースについて分析をします。
2020年のブエルタを見据えた有力選手が大集合
2019年12月17日にマドリードで開催されたブエルタ・エスパーニャ2020のコースプレゼンテーション。
今年のこのイベントには、現役そしてかつてのサイクリストが総勢30人ほど出席し、華やかな雰囲気に包まれました。
現役選手では、2019年のブエルタ準優勝のアレハンドロ・バルベルデ選手(モービースター)をはじめとして、ナイロ・キンタナ選手(モービースター)やミゲル・アンヘル・ロペス選手(アスタナ)のコロンビア選手、ファビオ・アル選手(UAEエミレーツ)、そしてアンヘル・マドラソ(ブルゴスBH)選手が出席。
一方、ミゲル・インドゥライン氏やアルベルト・コンタドール氏、ホアキン・プリート・ロドリゲス氏、ステファノ・ガルゼッリ氏といった元プロサイクリストたちも多数参加しました。
そして、ステージ上で2020年のコースを分析したのは、ミゲル・インドゥライン、アルベルト・コンタドール、そしてアルベルト・コンタドールの3人。
スペイン自転車史上最高に豪華な3人が、来年のブエルタのコースを分析しました。
とくに、バルベルデ選手は来年のレーススケジュールについて、「東京オリンピックでメダルを取ることが、来年の目標のひとつ」と名言し、オリンピック参戦を正式に表明しました。
75周年を迎えたブエルタ・エスパーニャ。そして、あのジャージも10周年
2020年にブエルタ・エスパーニャは、75周年を迎える記念の年となります。
最初のブエルタが開催されたのは、1935年のことでした。
しかし、ブエルタのロゴの一部として、75周年のロゴを加えたこと以外には、とくに特別なことはありません。
実は、同時にブエルタのリーダージャージである、マイヨ・ロホも来年で10周年を迎えるのです。
マイヨ・オロ(黄金のジャージ)と呼ばれていたリーダージャージが、マイヨ・ロホへと変わったのが2010年のこと。
最初にマイヨ・ロホに袖を通した選手は、2010年のブエルタ初日のチームタイムトライアルを制した、当時HTCコロンビア所属のマーク・カベンディッシュ選手。
そして、2010年のブエルタの総合優勝者は、ビンセンソ・ニバリ選手でした。
ちなみに、2009年に最後にマイヨ・オロを着てブエルタを総合優勝したのは、バルベルデ選手であったことも、特筆すべきことでしょう。
2020年のコースの特徴
まず、2020年のブエルタエスパーニャのコースは次の表の通りとなります。
日付 | ステージ | スタート/ゴール |
8/14 | 1 | ユトレヒト/ユトレヒト(23.3km・チーム・タイムトライアル) |
15 | 2 | スヘルトーヘンボス/ユトレヒト(181.6km) |
16 | 3 | ブレダ/ブレダ(193.2km) |
17 | 休養日 | |
18 | 4 | イルン/アラッテ・エイバル(169.5km) |
19 | 5 | パンプローナ/レクンベリ(151km) |
20 | 6 | ロドーサ/ラ・ラグーナ・ネグラ・デ・ビヌエサ(163.8km) |
21 | 7 | ガライ・ヌマンシア/エへ・デ・ロス・カバリェロス (190km) |
22 | 8 | ウエスカ/サビニャニゴ(190km) |
23 | 9 | ビエスカ/コル・デ・トゥルマレット(135.6km) |
24 | 休養日 | |
25 | 10 | ビトリア・ガステイス/ビリャヌエバ・デ・バルデゴビア(160.4km) |
26 | 11 | ログローニョ/アルト・デ・モンカルビーリョ(164.5km) |
27 | 12 | B.M.シッド・カンポアモール・カスティーリョ・デル・バル/アギラール・デル・カンポー (163.6km) |
28 | 13 | カストロ・ウルディアレス/スアンセス(187.4km) |
29 | 14 | ビリャビシオサ/アルト・デ・ラ・パラポナ・ラゴス・デ・ソミエド(170.2km) |
30 | 15 | ラ・ポラ・リャビアナ/アルト・デ・アンギル(109.2km) |
31 | 休養日 | |
9/1 | 16 | ムロス/ミラドール・デ・エーザロ・ドゥンブリア(33.5km・個人タイムトライアル) |
2 | 17 | ルーゴ/オーレンセ(205.8km) |
3 | 18 | モス/ポルト・マトシノース(178km) |
4 | 19 | ビゼウ/シウダード・ロドリゴ(177.7km) |
5 | 20 | セケーロス/アルト・デ・ラ・コバディーリャ(175.8km) |
6 | 21 | イポドロモ・デ・サルスエラ/マドリード(125.4km) |
2020年のブエルタは、オランダからスタートします。
最初に平坦でスプリンター向けのステージが3ステージ続きます。
その後、選手たちはスペインのバスク地方へ移動。
フランス国境沿いの町のイルンから、スペインでのレースがスタートします。
スペイン初日に選手たちが登るのが、バスクでも有数の登りのアラッテ。
「アラッテの登りは選手の間でよく知られた登りですし、ブエルタもまだ序盤なので、通常ならこの日に有力選手の間で大きなタイム差がつくことはないでしょう。
ですが、もしも、オランダでの3ステージで落車に巻き込まれる有力選手がいたら、この登りで大きなタイム差がつくでしょうね。」
と、ツール・ド・フランスとブエルタ・エスパーニャで表彰台に登った事もあるバスク人元サイクリストのホセバ・ベローキ氏は分析します。
バスクでのレース後、選手たちは南下し、アラゴン地方へと向かいます。
ピレネー山脈沿いの地域です。
基本的に山岳ステージが続く地域で、第9ステージのツルマレーの登りゴールが注目されます。
しかし、この地域は風が強い地域なので、非常に神経質なレースとなるでしょう。
そして休養日をはさんで、選手たちは再度バスク地方を走ったあとに西へと進み、アストリアス地方へと移動します。
この地方で最も有名な登りのアングリルに挑むことになります。
しかし、このアングリルのステージがあるのは第2週目の最終日。
まだレースは1週間を残すため、選手たちは余裕を持ってこのステージを終える必要があります。
ブエルタ最終週は、スペイン北西部のガリシア地方での個人タイムトライアルからスタートします。
海沿いの街をスタート・ゴールとする33kmのコースは、登りも少なくむずかしいコースでもないので、高速レースとなることが予想されます。
そのあと、選手たちはポルトガルへと南下。
ポルトガルを走ったあとに東へと向かい、第20ステージでゴール地点となるのはラ・コバディーリャです。
距離も長く、斜度のきつい登りが、最後に選手たちを苦しめます。
そして、例年同様、最終ゴール地点は、マドリードのシベレス広場です。
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まとめ
ライター
Greenfield編集部
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