縁の下の力持ち「ステム」
ステムはコラム(フロントフォーク)とハンドルを固定するためのパーツで、普段は触ることもないパーツでしょう。
しかしステムの持つ意味合いは非常に大きく、競技志向のライダーなら必ず交換したことがあるといっても過言ではない重要なパーツです。
ステムはロードバイクを買ったら最初に改造するべきパーツとも言われますが、それほど重要視されるのはなぜなのでしょうか。
乗りやすさが変わる
初めてロードバイクに乗ったとき、どうしても視線が下がり気味で乗りにくく、怖さを感じる方も少なくありません。
視線が下がるのはハンドルの位置が低いからで、ステムもハンドルを低めに取り付ける設計になっています。
逆に視線が上がるようハンドルを持ち上げてくれるステムなら、視野が広くなり、ロードバイク特有の恐怖感も少なくなります。
引き出せる性能が変わる
ロードバイクがスピードを出せるのは軽さだけでなく、ペダルに力を伝えやすい乗車姿勢も大きな要因です。
フレームの設計そのものでも乗車姿勢はある程度決まりますが、ステムによっても変わります。
ステムの長さや角度を変更し、乗りやすさとスピードのバランスを取ることで、自転車の持つスペックをより引き出しやすくなるというわけです。
ステムの選び方
では、ステムを交換するときにはどこを重視して選べばいいのでしょうか。
性能以前に、まずはお持ちのロードバイクに取り付けられるかが最も重要です。
じつはステムの規格はさまざまで、まずは取り付けられるものを選ぶ必要があります。
コラム径を選ぶ
フロントフォークの軸部分を「コラム」と呼び、ステムはコラムに固定します。
ある程度メーカーで決まりはあるものの規格はさまざまで、
- 25.4mm
- 28.6mm
- 31.8mm
- 38.1mm
などがあるので、実際にノギスでコラム径を測ってから購入すると安心です。
ハンドル径を選ぶ
ハンドル径もコラム径と同様に、さまざまな規格があります。
- 25.4mm
- 26mm
- 31.8mm
以上の3種類が主流ですが、31.7mmなど微妙に合わない独自企画もあるので注意が必要です。
こちらも既存のハンドルを取り付ける場合には、ノギスで計測しておくと安心です。
角度と長さを選ぶ
標準装備のステムは、すべてのライダーに合うわけではありません。
ステムが短すぎるとコーナリングが不自由になり、長すぎると肩や胸の疲労に繋がるので、適切な長さのものを選びましょう。
角度を任意で調整できるステムもあるので、自分に合ったポジションを探るためにもおすすめです。
コラムハイト
コラムハイトは、コラムに差し込む部分の長さのことです。
今取り付けてあるステムに対し、あまりにコラムハイトが長くなると、コラムの長さが足りなくなり、取り付けられなくなる場合があります。
多少長くなったり短くなったりする程度であれば、コラムスペーサーを交換、もしくは追加することで対応できます。