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冬になると、遠くアラスカの海から繁殖と子育てのために日本近海にザトウクジラがやってきます。全長10m以上にもなる巨体を舞い躍らせるザトウクジラのパフォーマンスはまさに圧巻の迫力です。ぜひ一度、冬のホエールウォッチングに出かけてみませんか?

冬はザトウクジラの季節

ザトウクジラ ホエールウォッチング

 

毎年12月頃になると、沖縄ケラマ諸島、久米島、小笠原諸島などから、ザトウクジラ来訪の第一報が届き、いよいよ冬のホエールウォッチングシーズンが始まります。

そして、海上では親子で泳ぐザトウクジラの姿やメスをめぐるオス同士の威嚇行動など、さまざまなシーンが展開されます。

とくに、ザトウクジラが見せる数々のパフォーマンスは、他のクジラと比べてアクロバティックで迫力満点です。

また、ザトウクジラは群れで行動していることが多く、スポットによっては一度に複数のクジラが見られることも珍しくありません。

ザトウクジラのウォッチングシーズンは4月上旬くらいまで続きますが、遭遇確率がピークを迎えるのは1月中旬から3月中旬くらいです。

ザトウクジラを見ることできるホエールウォッチングは冬だけのお楽しみなのです。

[Andake] レインコート
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ザトウクジラとは

ザトウクジラ ホエールウォッチング

 

ザトウクジラは胸びれが際立って長いことが特徴で、学名のMegapteraには「大きな翼」という意味があります。

毎日体重の3~5%の餌を食べ、主食はニシン、シシャモ、タラ、コウナゴなどです。

かつては乱獲で個体数が激減しましたが、1966年から商業捕鯨が禁止され、近年は順調に増えています。

また、ザトウクジラには北半球を回遊するグループと、南半球を回遊するグループがあります。

日本近海で見られるのは北半球で暮らすグループのクジラで、 夏にアラスカ近海でたっぷりエサを食べて体力を蓄え、冬になると繁殖のために暖かい南の海へ移動してきます。

その移動距離は4,000kmにも及ぶと言われています。

  • 学名:Megaptera novaeangliae
  • 体長:13~16m
  • 体重:30~40トン
  • 寿命:65~77才
  • 性成熟年齢:10才
  • 妊娠期間:11~12か月

参照:wikipedia

 

ザトウクジラを見られる国内スポット

ザトウクジラ ホエールウォッチング

 

ザトウクジラが見られる国内スポットは、沖縄県のケラマ諸島や久米島、鹿児島県の奄美大島や沖永良部島、東京都の小笠原諸島などです。

ちなみに、高知県の宇佐、和歌山県の勝浦、千葉県の銚子、北海道の知床などでも春から秋にかけてホエールウォッチングを開催していますが、こちらはマッコウクジラやニタリクジラ、ハナゴンドウが対象です。

それではザトウクジラが見られる国内のスポットを詳しく見てみましょう。

 

ケラマ諸島

沖縄ケラマ諸島の座間味島周辺は、船さえ出られればザトウクジラの遭遇率はほぼ100%のスポットです。

ケラマのクジラは人懐っこいことでも有名で、超至近距離で大迫力のホエールウォッチングが楽しめます。

那覇から、大型クルーザーを使ったケラマ諸島へのホエールウォッチングツアーも出ているのでアクセスも便利です。

 

久米島

久米島には、毎年100頭を超えるザトウクジラが子育てのために回遊してきます。

基本は船上からのウォッチングになりますが、海況が安定していてクジラが穏やかな時は海に入ってザトウクジラと泳げるツアーもあります。

久米島は、「はての浜」など人気観光スポットの多く、リゾート気分を味わいながらホエールウォッチングを楽しみたい人におすすめのスポットです。

 

奄美大島

奄美大島は、2013年から突如としてザトウクジラの目撃数が増え始め、2017年以降は毎年600頭を超えるザトウクジラが目撃されるようになりました。

奄美大島のホエールウォッチングは、ひとつの群れを1隻の船で見学するパターンが多く、じっくりとクジラを観察することができます。

2016年からは、ザトウクジラを海の中から観察できるホエールスイムも行っています。

 

沖永良部島

奄美諸島にある沖永良部島は、ザトウクジラが集まるケラマ諸島と奄美大島の間に位置し、この2つのエリアを行き交うタイミングでザトウクジラをウォッチングすることができます。

遭遇率は50%と高くはありませんが、ホエールウォッチング専用のボートも出ており、ダイビングポイントへの移動の途中でクジラに出会うことも少なくありません。

そのため、沖永良部島はダイビングがメインで、運が良ければクジラも見たいという人におすすめのスポットです。

 

小笠原諸島

東京都で唯一、ザトウクジラを見ることができるスポットが小笠原諸島です。

小笠原では、専用ボートを使ったホエールウォッチングはもちろんですが、陸上からも肉眼でザトウクジラを見ることができます。

父島にあるウェザーステーション展望台では、2月から4月までの期間限定で小笠原ホエールウォッチング協会の方が陸上観察会を行っています。

ビクセン (Vixen) 双眼鏡 アトレックライトII
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ザトウクジラのパフォーマンス

ザトウクジラ ホエールウォッチング

 

ザトウクジラは、ダイナミックなジャンプや尾びれを上げる動きなど、さまざまなパフォーマンスを見せてくれます。

それぞれの動きを知っておくと、ホエールウォッチングをより楽しむことができます。

ザトウクジラが見せる代表的なパフォーマンスを見てみましょう。

 

ブリーチ

ザトウクジラ ホエールウォッチング

 

ブリーチは体の3分の2以上を海面上に出し、ジャンプするように飛び出してくる迫力満点のアクションです。

ホエールウォッチングのクライマックスシーンで、体をねじりながら背面から落ちていく姿は圧巻です。

ブリーチは、体についた寄生虫を落とす、仲間に自分の存在を知らせるコミュニケーション手段、気まぐれな遊びなど、その行動にはさまざまな諸説があります。

 

ブロー

ザトウクジラ ホエールウォッチング

 

ブローは呼吸のために水面に浮上した時に吐く息で、霧状に3~5mほど吹き上がる「潮吹き」のことです。

浮上している時に、何回かブローを繰り返してから海中に潜っていきます。

次に海面に現れるまで10~20分ほどの間隔がありますが、早い時は2~3分、長い時は30分以上とさまざまなパターンがあります。

 

スパイホップ

ザトウクジラ ホエールウォッチング

 

スパイホップは、体を垂直に立てて頭部を水面から潜望鏡のように出して、周囲の状況をうかがう行動です。

クジラの顔が突然海の中から出てくるため慌ててしまいがちですが、ひととおり観察が終わると、また静かに海中へ沈んでいきます。

 

ヘッドスラップ

ザトウクジラ ホエールウォッチング

 

ヘッドスラップは、上半身を水面上に跳ね上がるように出し、そのまま顎から倒れこむように水面に叩きつける行動です。

自分の力の誇示や、他のクジラに対する威嚇行動だといわれています。

 

ぺックスラップ

ザトウクジラ ホエールウォッチング

 

ぺックスラップは、体長の3分の1ほどの長さがある胸びれ(ペック)を水面上に出し、体を水平、仰向け、もしくは横向きにして浮かび、胸びれを高く上げて海面を叩く行動です。

お腹を見せて、両方の胸びれを打ち付けることもあります。

 

テールスラップ

ザトウクジラ ホエールウォッチング

 

テールスラップは、海面上に高く持ち上げた尾びれ(テール)を振り下ろして水面を叩く行動です。

一度きりでなく何度も繰り返すことが多く、多い時は50回ほど繰り返すこともあります。

お腹を下側にして行うときもあれば、上側にして行うときもあります。

 

フルークアップダイブ

ザトウクジラ ホエールウォッチング

 

フルークアップダイブは海に潜る直前に見られる行動で、水面で数回呼吸をした後、腰を大きく曲げ尾びれを水面上に持ち上げます。

この時に見える尾びれの裏側の模様で、個体識別を行うことができます。

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ホエールウォッチングの準備と心得

ザトウクジラの観察や撮影を楽しむために、スポットに行く前にしっかりと準備をしておきましょう。

まず、冬場の沖縄や小笠原諸島は風が強く寒いことも多くあります。

クジラが上げる水しぶきがかかることもあるので、防水性能のあるカッパやボートコートなどを着ていると安心です。

ライフジャケットは必須ですが、通常はレンタルできるので自分で用意しなくても大丈夫です。

また、写真撮影をしたい人はカメラの望遠系ズームレンズがあると迫力ある写真が狙えます。

加えて遠くにいるクジラを探す時のために双眼鏡もあると便利です。

 

 

一度でいいからザトウクジラを見てみたいという人は、冬のホエールウォッチングがおすすめです。冬の海ではザトウクジラたちのさまざまなドラマが展開されています。そのパフォーマンスを目の当たりにすれば、きっとあなたもザトウクジラのファンになってしまうでしょう。ぜひ、冬のホエールウォッチングに出かけましょう!

ライター

Greenfield編集部

【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。