ダイビングインストラクターの仕事とは?
ダイビングインストラクターの仕事は、ダイビング講習や水中ガイドだと思っている人も多いのではないでしょうか?
ですが、実際はダイビング器材のメンテナンスやスクーバタンクの充填、ボートの点検からお店の掃除など、見えないところでも忙しく働いているのです。
ダイビングを快適に楽しめるのは、まさしくダイビングインストラクターのおかげなのです。
インストラクターと水中ガイドの違い
では、インストラクターと水中ガイドの違いは何なのでしょうか?
海を案内するガイドダイバーは、ダイブマスターの資格があれば水中ツアーを開催することができますが、基本的に知識やスキルを人に教えることはできません。
ですが、インストラクターになれば水中ガイドに加え講習を実施でき、ダイビングがまったくの初心者からプロを目指すダイバーまで、目的に合わせたさまざまなダイビング講習を開催することができるようになります。
インストラクターとしての働き方
ダイビングインストラクターを仕事にするなら、大きく分けて2つの働き方があります。
ひとつは街中にある都市型ダイビングショップで講習やツアーを担当する方法。
そしてもうひとつが、海の近くにある現地ダイビングサービスでファンダイブや講習を担当する方法です。
それぞれの働き方を比較してみましょう。
都市型ダイビングショップの場合
都市型ダイビングショップは、街中にお店を構えるダイビングショップのことです。
普段はプールや学科講習を行い、週末などを利用して海に海洋実習やファンダイブに行く働き方が一般的です。
また、大型連休などを利用して海外や沖縄などのダイビングツアーの引率をすることもあります。
都市型ダイビングショップなら、自分が教えた生徒の成長を長く見守ることがインストラクターとしての役目になるでしょう。
現地ダイビングサービスの場合
ダイビングポイントの近くでファンダイブや講習を開催するのが現地ダイビングサービスです。
ホームゲレンデとなるスポットで、講習よりも水中ガイドを行うことが多くなります。
毎日がダイビング尽くしで、そのダイビングポイントのスペシャリストとして働くことができ、ゲストがリピーターになってくれることが何よりの喜びになるでしょう。
ダイビングインストラクターになるための資格
ダイビングインストラクターになるためには、ダイビング指導団体が開催するインストラクター試験に合格してインストラクター資格を取得する必要があります。
また、日本でダイビングインストラクターとして働くためには、国家資格となる潜水士の免許も必要です。
現地ダイビングサービスによっては船舶免許が必要になることもあるので確認が必要です。
ダイビングインストラクターになるまでのステップ
それでは、ダイビング指導団体PADIのコースを参考に、インストラクター資格を取得するまでに必ず受講しなければならないコースをみていきましょう。
1.オープンウォーターダイバーコース
オープンウォーターダイバーコースはダイビングを始めるための最初のコースとなり、ダイバーに必要な知識とスキルを習得します。
水深18mまでインストラクターなしで潜れるようになることが目標です。
2.アドヴァンスド・オープンウォーターダイバーコース
アドヴァンスド・オープンウォーターダイバーコースは「Thinking Like a Diver」というセクションを学んだのち、24種類のアドベンチャーダイブの中から5種類のコースを修了すると認定される資格です。
アドヴァンスド・オープンウォーターダイバーは水深18mまでの深度制限が無くなります。
3.レスキューダイバーコース
レスキューダイバーコースは、トラブルが発生した時に正しく対処できるスキルと未然に防ぐスキルを身につけ、万が一事故が起きた時の救助方法を学びます。
PADIが推奨する救急法であるEFR(エマージェンシー・ファースト・レスポンス)を修了していることが認定条件になります。
4.ダイブマスターコース
ダイブマスターは、最初のプロレベル資格です。
ダイブマスターコースでは知識開発から実践応用までさまざまなセッションがあり、海中をガイドできるようになることが目標です。
ダイブマスターとして認定されれば、インストラクターと一緒にダイビング講習のアシスタントとしても働くことができます。
なお、ダイブマスターの認定には、年齢18歳以上でありレスキューダイバー資格と40ダイブ以上の経験が必要です。
5.IDC(インストラクター開発コース)
IDC(インストラクター開発コース)は「アシスタント・インストラクターコース」と「オープンウォーター・スクーバインストラクタープログラム」の2つのコースで構成され、インストラクターになるためのスキルや知識を学んでいきます。
アシスタント・インストラクターコースでは、身につけた知識や水中スキルをプレゼンテーションしながら経験を積み、コースが修了すればオープンウォーターコースの学科講習やプールでの体験ダイビングを教えることができるようになります。
そして、オープンウォーター・スクーバインストラクタープログラムでは、 学科とプール講習、海洋実習が指導できるようになることが目標です。
またトラブル対処のシミュレーションや 、軽器材を身につけて800mを泳ぐ体力的な講習なども行われます。
IDCへの参加条件は、年齢18歳以上、ダイブマスター資格所有者、認定ダイバーになってから6ヶ月以上、60ダイブ以上の経験が必要です。
6.EFRインストラクター
インストラクターの認定条件が、EFR(エマージェンシー・ファースト・レスポンス)インストラクター資格を所有していることです。
EFRは救急法のためダイビングと直接的な関係はありませんが、EFRインストラクターコースを修了すれば、EFRの一次ケア二次ケア、子どものためのケア、CPR&AEDコースを開催できるようになります。
7.IE(インストラクター試験)
IE(インストラクター試験)では、筆記試験に加えプレゼンテーションやデモンストレーションなどのプログラムを2日間にわたり実施します。
プロとしての振る舞いや態度も評価の対象となり、IE参加条件はIDC終了から1年以内、認定ダイバーになってから6ヶ月以上、100ダイブ以上の経験が必要です。
8.オープンウォーター・スクーバインストラクター
IEに合格すれば晴れてインストラクターの仲間入りです。
ここからさらにアドヴァンスド・オープンウォーター講習が開催できるインストラクターやスペシャリティコースの指導ができるインストラクターなどにステップアップすることができます。
最高峰は各種インストラクターコースの開催・認定ができるコースディレクター(CD)です。
インストラクターになるということ
ダイビングインストラクターになるということは、大好きな海を舞台に仕事ができるうえ、 多くのダイバーに自らが感動したダイビングの素晴らしさを伝えることができます。
また、インストラクターは接客業なので、海はもちろん人と接することが好きな人なら、ゲストと海の楽しさを共有することもできるでしょう。
まさに、海が好きダイビングが好きという人にはぴったりの仕事です。
ダイビングインストラクターになってひとりでも多くの人に、ダイビングの素晴らしさを伝えていきましょう!