オビエドの旧市街に設置されたゴール
第14ステージのゴール地点が設置されたのは、アストリアスにあるオビエドの旧市街の中。
この日のコースは、選手の右手にカンタブリア海を見ながらの188㎞。
山岳も厳しいものはなく、スプリンター向けのステージとなりました。
しかし、最大の難関は、ゴール前約1㎞地点に待ち構えていました。
広い幹線道路から、オビエドの旧市街に入るとすぐに、登りがり加えて道幅が急激に狭くなります。
また、この日のコースは海沿いだった立ため、選手たちは終始海風を意識しながらレースを進めていました。
そのため、意外と体力や集中力を消耗した1日となったのです。
そして、選手たちが問題の最後の1㎞地点に差し掛かったとき、大落車が発生します。
メイン集団の中での落車であったため、総合上位を狙う有力選手たちが巻き込まれましたが、すでに集団前方に位置していたスプリンターたちは、そのままゴールを目指します。
この日のスプリントを制したのはサム・ベネット選手(ボーラ・ハンズグロエ)。
第3ステージについで、今年のブエルタでは貴重なスプリントステージをものにしました。
「最後の1㎞での落車だったから、スピードもそこそこ出てたしね。集団の真ん中あたりで起こった落車だったから、ちょっとひやひやしたよ。」
ゴール後のフェルナンド・バルセロ選手(エウスカディ・バスク・カントリー・ムーリアス)のコメントでした。
この日は、リーダージャージを維持したのは、プリモッシュ・ログリッジ選手(ジュンボ・ミズマ)。
落車の影響もなかったようでした。
ブエルタ・エスパーニャ初登場のアルト・デ・アセボ
第14ステージから、アストリアスの登りが選手たちを待ち受けます。
この日のスタート地点は、オビエドの市内からバスで1時間半ほどはなれたティネオという村。
このアストリアスも数多くの名サイクリストを輩出した土地。
そのため、小さな山間の村のスタート地点であっても、たくさんの観客が詰めかけます。
そんな観客のサインに丁寧に対応する選手もいます。
リーダージャージのログリッジ選手もその例外ではありません。
そして、このアストリアス出身で今年のブエルタに出走したのは、ダニエル・ナバロ選手(カチューシャ・アルペシン)。
司会者がナバロ選手に、
「今日は雨が降りますか?」
と質問すると、
「今日は絶対降りません!」
と即答しました。
この日のメインの登りとなるアルト・デ・アセボは、今年ブエルタ・エスパ―ニャ初登場。
しかし、この登りはブエルタ・アストリアスでほぼ毎年のように出てくる場所なので、選手たちにはおなじみの登りです。
加えて、数年前のブエルタ・アストリアスでは、選手たちは雪の中でアルト・デ・アセボを登ることになりました。
そのため、この地方での雨は選手たちに非常に恐怖感を与えるのです。
この日のスタート地点は、出走前サイン台から800mほどはなれた丘の上。
選手たちは、スタート前に少々厳しい坂を登らなくてはなりません。
「いやぁ、アルト・デ・アセボが怖い。」
スタート地点で思わずつぶやいたサイクリストの言葉に、周囲の観客たちから笑い声が聞こえました。
長い登りが続くアルト・デ・クビーリャ
第16ステージのスタート地点は、プラビアという、やはり山間の町。
この日はアストリアス地方の祝日だったため、前日よりもあるかに多くの自転車ファンがスタート地点に集まりました。
アストリアスでも、トーマス・デ・ゲン選手は人気者。
たくさんの観客が、デ・ゲン選手にサインをお願いします。
この日のメインの登りであるアルト・デ・クビ―リャはゴールに向かう最後の登り。
その登り直前の、ゴール地点まで35㎞の地点では、10人以上の逃げ集団があったものの、メイン集団はジュンボ・ビズマとモービースターがしっかりとコントロールします。
山岳賞ジャージを身につけたアンヘル・マドラゾ選手(ブルゴスBH)選手にとっても、この日は重要な日になりました。
結局この日の登りを制したのは、ヤコブ・フルグサン選手(アスタナ)。
今年のブエルタ・アンダルシアを総合優勝した彼が、この日のステージを制することになりました。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
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