栗駒山はどんな山?
栗駒山は日本屈指の紅葉スポット
栗駒山は山開き(5月が山開き)している全期間を通して人気のある山ですが、特に秋の紅葉シーズンには山が真っ赤に染まり、「神の絨毯」と形容されるほどの美しさで、日本屈指の紅葉スポットとして知られています。
紅葉の見ごろは9月下旬から10月頃までで、カエデ、ナナカマド、ヤマウルシといった紅葉と真っ黒な火山岩とのコントラストが楽しめます。
火山ならではのユニークな地形をしているところも、栗駒山の魅力のひとつです。
須川高原では、火山特有の湿地帯や噴火湖、峡谷などのジオパークのような変化に富んだ光景を目の当たりにすることができます。
栗駒山の火山としての歴史
栗駒山は、ほぼ同一の火口から複数回の噴火を繰り返してできた成層火山です(成層火山の代表的な山には富士山やキリマンジャロなどがある)。
気象庁の噴火警戒レベルは1、「活火山であることに留意」するようにと発令しています。
約80万年前に噴火活動がはじまり、西暦915年から1944年の間に少なくとも2回の水蒸気爆発を起こしています。
1度目は江戸時代の1744年2月3日の噴火。
2度目は1944年11月20日の水蒸気噴火で、噴火口に水がたまり現在の昭和湖が誕生しました。
昭和湖の周辺や山頂の北側にある溶岩ドームの剣岳の周辺は、火山性ガスの噴出が活発で樹々の枯死地帯が広がっています。
栗駒山の周辺には47個の噴火口が確認されています。
気象庁:栗駒山「常時観測火山」
栗駒山のおすすめ登山ルートは3つ
中央ルート(登山初心者向け)
中央ルートは、栗駒山山頂への最短ルートで、きれいに整備されていて標高差も少ないことから、登山初心者の方におすすめのルートです。
9月下旬から10月頃にかけては「神の絨毯」を一目見ようという登山客でにぎわいます。
登山口は「いわかがみ平」にあり、ここには広い駐車場やレストハウスもあります。
「いわかがみ平」登山口から栗駒山山頂までのコースタイムは約2時間半ほどです。
東栗駒ルート(登山中級者向け)
東栗駒ルートは、中央ルートと同じ「いわかがみ平」の登山口からスタートします。
栗駒山山頂へ向かう最短コース「中央ルート」ではなく右側の東栗駒山へ向かう登山道を登ります。
こちらのルートは岩場や沢越えがあるので登山中級者向けとなっています。
稜線を進むため見晴らしが素晴らしい、気持ち良いコース。
「いわかがみ平」登山口から東栗駒分岐を経て、栗駒山山頂までのコースタイムは約3時間半ほどです。
須川ルート(登山初心者向け)
栗駒山北側の須川高原(須川高原温泉)から登るルートです。
イワカガミ湿原やシラタマノキ湿原などがあり、遊歩道が整備されているためトレッキングやお散歩なども楽しめますよ。
湿原の高山植物や噴火湖の昭和湖、稜線歩きなど栗駒山の魅力が存分に満喫できるコースとなっています。
須川高原温泉から自然観察路、昭和湖を経て栗駒山山頂までのコースタイムは約3時間15分ほどです。
天馬尾根ルート(登山初心者・中級者向け)
栗駒山山頂を含む火山カルデラ「天馬尾根」を進むルートです。
栗駒山が巨大なカルデラ火山であることを身をもって実感できる登山コース。
尾根を進むので防寒対策を忘れないようにしましょう。
天馬尾根登山口から展望岩頭、須川分岐を経て栗駒山山頂までのコースタイムは約5時間半ほどです。
栗駒山周辺には温泉が豊富
須川高原温泉
標高1,100mの須川高原にある温泉で、古くから湯治場として親しまれてきました。
日本では珍しい硫酸を主成分とした強酸性の泉質です。
温泉の中央を南北に秋田県と岩手県の県境が走っています。
秋田県側には栗駒山荘があり、岩手県側には源泉湧出場所でもある須川高原温泉があります。
源泉湧出場所には毎分6千リットルもの源泉が大量に噴出していて、噴出孔を覗き込むことができます。
住所:岩手県一関市厳美町祭畤山国有林46 林班ト
TEL:0191-23-9337
駒の湯温泉
中央ルートの登山口「いわかがみ平」の少し下にある温泉です。
1618年(元和4年)に開湯した歴史のある温泉。
2008年の岩手宮城内陸地震で土石流によって押し流されるという甚大な被害を受けましたが、7年の歳月をかけて復興しました。
住所:宮城県栗原市栗駒沼倉耕英東95-2
TEL:0228-46-2036
湯浜温泉「三浦旅館」
栗駒山の麓を走る国道398号線沿いの山の中にたたずむ温泉です。
2008年の岩手宮城内陸地震で建物が半壊する被害を受けましたが、2012年に復興し営業を再開しました。
現在も電気が来てなくて夜はランプの灯りで過ごします。
ランプの灯りに照らしだされる幻想的な温泉も神秘的で良いかもしれませんね。
携帯電話の電波も届かないそうなので、デジタルデトックスにもなります。
住所:宮城県栗原市花山字本沢岳山1-11
TEL:090-8925-0204(衛星電話)
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。