白山東側エリアの見どころ
白川郷について
合掌造りの集落が点在する白川郷は、富山県五箇山とともに1995年ユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録されています。
山間にあり、農地が少ないため、養蚕業がおもな産業でした。
養蚕スペースを確保するために3層、4層の合掌造り、切妻合掌造りが誕生したと言われています。
また、白川郷や越中五箇山ならではの産業として、火薬の原料になる煙硝の生産があります。
床下にヒエやヨゴミを敷いて、蚕糞を混ぜ込んだ土に尿をふりかけながら、数年がかりで煙硝土を作り、さらに煙硝土を灰汁で煮詰めることで純度の高い煙硝になります。
秘境であった白川郷は、軍事機密が守れるため煙硝作りに適していました。
かつては庄川流域の集落のほとんどが合掌造りでしたが、現在は白川郷と富山県五箇山地域にわずかに残るのみとなっています。
ダム建設によって、庄川流域の村々が湖底に沈んでしまったことが、合掌造り集落が減少した要因です。
たとえば、御母衣ダムの湖底には合掌造りの民家が300戸以上沈んでいます。
また、合掌作り民家は茅葺のため、30年から40年に一度、葺き替えが必要です。
葺き替え作業には「結」という村の共同体が総出であたっていましたが、人口減少によって「結」が維持できなくなったことも、合掌造り民家が減少する原因になっています。
ぜひ白川郷に立ち寄って、秘境に暮らす人々の営みや歴史に思いをはせてみましょう。
白川郷には、宿泊できる合掌造りの民宿が点在しているので、一泊してから白山登山に臨むのも良いかもしれません。
大白川温泉
大白川温泉は、白川郷から10㎞ほど庄川上流へ登ったところにある温泉郷です。
ここから大白川に沿って登った白水湖に、白山登山のスタート地点である「平瀬道登山口」があります。
大白川温泉は白山の麓に源泉があり、古くから「美人の湯・子宝の湯」として親しまれてきました。
泉質は、塩味と硫黄味のする微硫化水素臭・含硫黄ナトリウム塩化物温泉です。
筋肉痛や関節痛、五十肩、冷え性、疲労回復、健康増進などに効能があるとされ、登山で疲れた身体を癒すには最適の温泉です。
湯量が豊富なため、どの温泉も源泉かけ流しというのがうれしいですね。
白水湖 大白川露天風呂
大白川露天風呂は、平瀬道登山口付近にある源泉かけ流しの露天風呂温泉です。
露天風呂からは、エメラルドグリーンの白水湖や湖を囲む山々の眺望が望めます。
周辺には、白水の滝、白山ブナの森キャンプ場などがあり、白山麓の雄大な自然が満喫できますよ。
※営業期間は6月上旬から10月下旬頃まで。入浴料 大人:350円/小人:200円、営業時間8:30~17:00(夏季18:00)
平瀬道登山口から白山山頂へ
平瀬登山口前駐車場から登山開始
平瀬登山口には、平瀬登山口前駐車場と100mほど離れた大白川温泉・大駐車場の2つがあります。
平瀬登山口前駐車場がいっぱいの場合は、大白川温泉・大駐車場(60台収容)を利用してください。
平瀬登山口前駐車場にも大白川温泉・大駐車場にも、公衆トイレがあります。
平瀬登山口から白山室堂まで約7㎞、所要時間は4時間程度です。
登りはじめは、低木林の中の丸太階段を登ります。
しばらく登るとブナの原生林が生い茂る森があり、そこを過ぎると熊笹が生い茂る見晴らしの良い登山道に変わります。
平瀬登山口から3㎞ほど登ると木々の姿はなくなり、ハクサンチドリ、カラマツソウ、ニッコウキスゲといった高山植物が茂るエリアに入ります。
室堂まで残り1㎞付近にカンクラ雪渓があります。
登り切ったところが白山室堂、ここが最後の急坂です。
室堂のなだらかな登山道の先に室堂ビジターセンターが見えてきます。
白山山頂のお池めぐり
白山の山頂には約15個の爆裂火口があります。
そのうちの7個が水のたまった火口湖になっています。
7つのお池
・翠ヶ池(みどりがいけ):1042年の噴火によってできた火口に水がたまった火口湖です。翠ヶ池のすぐ近くにある鍛冶屋地獄火口が白山でもっとも新しい火口で、1659年の噴火によるものです。
・油ヶ池(あぶらがいけ):御前峰の直下にある火口湖です。
・紺屋ヶ池(こんやがいけ):剣ヶ峰の直下にあります。
・血ノ池(ちのいけ):御前峰と大汝峰の中間地点にある火口湖です。
・千蛇ヶ池(せんじゃがいけ):千蛇ヶ池雪渓の下にあり、雪解けの頃に少しだけ顔を出します。
・五色池(ごしきいけ):千蛇ヶ池から尾根をはさんだ反対側にある火口湖です。
・百姓池(ひゃくしょういけ):五色池の南隣にある火口湖です。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
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