ヨーロッパやアメリカでは義務化されているところも多い
日本では13歳未満の子どもが自転車に乗るときには、ヘルメットの着用努力義務があります。
着用努力義務というのは、「着用するように努力する」ということです。
しかし大人の場合は、いくつかの都市以外には努力義務はありません。
レースなどに参加するような本格的に乗る人は別として、ロードバイクやクロスバイク初心者、かなり経験のある人でも、着用していないと言う人もいるようです。
海外ではどうなのでしょう。
フィンランド、スウェーデンなどのヨーロッパやカナダ、オーストラリア、ニュージーランド、アメリカのいくつかの州では、ロードバイクなどを含む自転車全般に乗る際には、ヘルメット着用が「義務」または「努力義務」になっています。
ヘルメット着用が義務になっている理由としては、ヘルメットなしで落車や事故にあえば頭部へのダメージが重篤化することがあるためです。
ある調査によると、ヘルメットをかぶることで、頭部への損傷が70%も減るとも言われています。
ヘルメットを着用していたために、無事だったというケースも少なくないので、安全に自転車に乗るため、着用を義務化しているようです。
ヘルメットをかぶった方が良い理由は?
自転車のスピードは、街乗りにぴったりのミニベロやいわゆるママチャリでさえ、時速12〜19㎞ほどのスピードがでます。
ロードバイクやクロスバイクに至っては、時速20〜30㎞もスピードを出すことができるのです。
車で時速30㎞だとわりとゆっくりという認識ですが、自転車で時速30㎞はかなり速いスピード。
このスピードでぶつかったり、道路の端を走行中に落車したりして頭部をぶつけた場合、ヘルメットをかぶっているか、いないかで事故の衝撃の程度が大きく変わってきます。
ロードバイクなどに乗ったことがある人ならば、一度や二度は誰でも落車の経験があるのではないでしょうか?
ラッキーならば、擦り傷や打ち身程度で大きな怪我もないかもしれません。
しかし、場合によっては自転車から投げ出されてしまって、上半身を強く地面に打ち付けてしまうこともあります。
そんなとき、ヘルメットをかぶっていれば、大きなダメージから頭を守る役目をしてくれるわけです。
最近では自転車ブームということもあり、自転車の事故があとを絶ちません。
そのため、日本国内でもヘルメット着用を義務、または努力義務にしたらどうかという案も多くなっているといいます。
先程、「日本の場合はいくつかの都市を抜かして大人の着用努力義務はない」と言いました。
これは、大阪の堺市や愛媛県などが全国に先駆けて、大人への着用努力義務を条例化したことによります。
とくに愛媛県では、県立高校の自転車通学にはヘルメット着用を義務化して、無料でヘルメットを配るといったこともされています。
義務化されていない国では是非論が繰り返される
日本だけではなく義務化されていない国では、自転車に乗る時の「ヘルメット着用を義務にしたらどうか」についての、是非が繰り返されています。
安全のためには、ヘルメットを着用した方が良いといえますが、なぜ義務化が反対されるのかというと、下記のような理由が上げられます。
・自転車に乗って頭に損傷を負うような事故の確率自体が低い
・ヘルメットを義務化すると、着用が面倒ということでロードバイクなど自転車に乗る人自体が減る可能性がある
・自転車にヘルメットなしで乗って頭部に損傷を受ける可能性よりも、自転車による運動不足解消や、ダイエット効果の方が断然高い
ロードバイクやクロスバイクなどは、誰でも手軽に乗ることができますし、その健康効果はかなり高いと言われています。
手軽な健康維持法にもかかわらず、ヘルメットを義務化すると、それを理由に乗る人自体が少なくなってしまう可能性があるというのが、否定的な意見の理由のようです。
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ライター
Greenfield編集部
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