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なだらかで雄大な稜線が特徴の浅間山。登山者の間で人気の高い山の一つです。今回は浅間山に登りたくなる歴史や魅力について深堀りしてみました。人気の高い山とはいえ現在も火山活動が観測されているので登山には注意が必要です。注意点などもまとめました。

浅間山とは

浅間山火口口 登山

 

浅間山の標高は2,568m。

数十万年前から活発な火山活動が続いており、現在も気象庁からランクA(100年周期・1万年周期で噴火を繰り返し、これからも噴火する可能性の高い火山)の活火山に指定されています。

そのため、気象庁が発表している噴火警戒レベルに応じた入山規制がおこなわれています。

ちなみに現在は、2018年8月30日に「噴火警戒レベル2」から「噴火警戒レベル1、活火山であることに留意」へ引き下げられました。

これにともない、黒斑と火山館ルートの双方とも、賽の河原から前掛山まで登れるようになっています。

「噴火警戒レベル2」は火口から2㎞へまで入山でき、「噴火警戒レベル1」は、火口から500mまで入山ができます。

 

浅間山の歴史

浅間山の「アサマ」は日本古来の火山を示す古語と考えられています。

阿蘇山の「アソ」なども同類の火山を表す古語だとされています。

立山や白山、御岳山、富士山など多くの火山同様、周辺の人々から山岳信仰の対象として祀られてきました。

古代から江戸時代末期までは「浅間嶽」と呼ばれており、「浅間山」と呼ばれるようになったのは明治に入ってからです。

 

 浅間山の噴火の歴史

浅間山噴火の記録が最初に残されているのは「日本書紀」とされ、685年に信濃の国で灰が降り積もって草木が枯れたことなどが記されています。

ただ、浅間山という名称が見当たらないので、ほかの火山が噴火した可能性もあります。

次に記されている浅間山の噴火は1108年(嘉承3年)「中右記」のことです。

「中右記」には、周辺に噴出物が降り積もり、田畑に壊滅的な被害が出たとあります。

もっとも被害の大きかった天明大噴火よりも大規模な噴火だったと想定されています。

その後も、1128年(大治3年)、1532年(享禄4年)、1582年(天正10年)、1721年(享保6年)と、ほぼ50年から300年の周期で大噴火を繰り返し、1783年8月5日(天明3年7月8日)大噴火「天明噴火」が発生します。

「天明噴火」は3カ月間も続き、山の斜面に降り積もった大量の噴出物が崩壊、吾妻川を堰き止めて巨大な天然のダム湖を形成します。

やがて巨大化したダム湖は、水圧に耐えきれず決壊。

吾妻川とその下流の利根川に泥流が押し寄せて、吾妻川と利根川の流域で多くの死者を出しました。

日照不足を引き起こす「天明噴火」の噴煙が、天明の大飢饉の一因になったといわれています。

その後、死者を出すような大噴火は起きていないものの、火山爆発指数:VEI1程度の噴火が約10年周期で発生しています。

 

 

浅間山の魅力

浅間山の最大の魅力は、今も活発な活火山であるということです。

釜山火口を中心に、中央火口丘「前掛山」があり、その外側にはカルデラ地形の「蛇骨岳、黒斑山、剣ヶ峰」が形成されています。

カルデラの北側と南側、東側は天明の噴火で崩落し、現在残っているの西側の一部だけです。

 

浅間山の見どころスポット

鬼押出し

「天明噴火」のときに噴出した溶岩が北側のカルデラや堆積物を巻き込みながら崩壊した跡です。

公園「鬼押出し・浅間園」として整備され公園内に「浅間火山博物館」があります。

 

前掛山

浅間山中央火口丘の頂上です。

2018年8月30日まで「噴火警戒レベル2」であったため登れませんでしたが、現在は「噴火警戒レベル1」に引き下げられたことで登れるようになりました。

 

 

 浅間山の登山ルート

浅間山紅葉  登山

 

黒斑ルート

車坂峠から東へ尾根伝いにトーミの頭(カルデラの縁)まで登り、賽の河原分岐まで下るルートです。

現在は「噴火警戒レベル1」ですからその先の浅間山中央火口丘の頂上「前掛山」まで登山可能です。

 

※噴火警戒警戒レベル1:車坂峠~トーミの頭~賽の河原分岐~前掛山山頂まで警戒レベル

※噴火警戒警戒レベル2:車坂峠~トーミの頭~賽の河原分岐まで

 

火山館ルート

小諸市甲の天狗温泉・浅間山荘から蛇堀川に沿って賽の河原分岐まで登るルートです。

「噴火警戒レベル1」の現在は賽の河原分岐から浅間山中央火口丘の頂上「前掛山」まで登れます。

 

 

浅間山周辺の温泉

天狗温泉・浅間山荘

浅間山の中腹標高1400mにある源泉かけ流しの秘湯・温泉宿です。

浅間山登山の火山館ルートはここがスタート地点です。

 

 

天狗温泉・浅間山荘

 

高峰温泉

標高2000mにある源泉かけ流しの露天風呂がある温泉宿。

「ランプの湯」は高峰温泉の代名詞になっています。

 

 

高峰温泉

 

 

 浅間山登山の注意点

浅間山登山の注意  登山

 

・登山する前に必ず「浅間山に関する情報」を発信しているサイトを確認するようにしましょう。この項の一番下に「浅間山に関する情報」がわかるサイトのリンクを貼っています。

活火山であるため、危険な火山ガスが噴出している箇所がいくつかあります。登山ルートから外れないようにしましょう。

・火山シェルターは、前掛山山頂・槍ヶ鞘・火山館の3カ所に設置されています。登山する前に地図で確認しておきましょう。

 

 

浅間山に関する情報(長野県)

浅間山の活動状況(気象庁)

 

 

浅間山へのアクセス情報

黒斑ルートのスタート地点「車坂峠」は、小諸市内から「チェリーパークライン」を車で登ったところにあります。

火山館ルートのスタート地点「天狗温泉・浅間山荘」へは、小諸市内から「チェリーパークライン」をしばらく登り、途中に「天狗温泉・浅間山荘」の看板があるので細い林道を4㎞ほど登ります。

 

浅間山登山のすすめと題して、浅間山の魅力や歴史について解説してきました。歴史的な背景を理解して登るのと予備知識なく登るのとでは大違いですね。美しい浅間山の絶景と歴史を重ね合わせてみましょう。浅間山はランクAの活火山です。登る前に火山情報をチェックするようにしてください。

ライター

Greenfield編集部

【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。