家庭菜園をはじめたけど、「思うように育たない」と感じていませんか?その原因、日当たりや肥料よりも土づくりにあるかもしれません。筆者も土を見直しただけで、野菜の生育が大きく変わりました。畑を休ませやすい年末は、土をリセットするのにぴったりのタイミング。この記事では、今日からできる土づくりの基本を紹介します。身近な材料の活用法もお伝えしますので、最後までお見逃しなく。
育たない悩みを一気に解決!家庭菜園は土づくりで変わる

家庭菜園で野菜が思うように育たないと、日当たりや水やり、肥料の量を見直す人が多いのではないでしょうか。筆者も過去には、朝夕の水やりを増やしたり、追肥を重ねたりしていました。
それでも葉の色は薄く、成長も止まり、家庭菜園に向いていないのかと落ち込んだこともあります。ところが原因をたどっていくと、問題は土にありました。ここではその原因を土の視点から見ていきましょう。
手をかけてもダメな原因のほとんどが「土」
一生懸命お世話をしているのに育たない場合、土に原因がある可能性が。
筆者が家庭菜園をはじめた頃の土は粘土質で乾くとカチカチになり、なかなかスコップが入りませんでした。地面は雨が降るたびに水たまりができ、水はけや通気性がかなり悪く、根が酸欠になりやすい環境でした。根が健康でないと、肥料を与えても十分に吸収できず、成長につながりません。
初心者ほど土の中までは意識しにくいですが、触ったときに「土が硬い」「妙にさらさらしている」「匂いが少ない」場合は要注意です。手をかけてもうまく育たない場合は、まず土の状態を確認してみましょう。
ふかふかの土に変えたら野菜の育ちが見違えた
野菜が元気に育つ土の目安は、「ふかふかの土」。有機物(落ち葉やたい肥など、土の中で分解されて微生物のえさになるもの)を入れる点がとても重要です。
思い切って土づくりを見直し、腐葉土と堆肥をしっかり混ぜ込んだ翌年、野菜の育ちが明らかに変わりました。スコップがなくても手で掘れるほどやわらかく、しっとりしていて握るとまとまるのに、少し触れるとほろっと崩れます。 水やりをすると水がすっと染み込み、水はけがよくなった様子もはっきりわかりました。
有機物は、ホームセンターで購入した腐葉土や堆肥だと失敗が少ないですが、公園で集めた落ち葉や自宅から出る有機ごみも活用できます。特別なことは何もせず、土を耕して有機物を入れ、しばらく休ませただけ。これだけで、野菜の成長の違いを実感できるほど変わります。
冬にこそ始めたい・畑が変わる基本の土づくり

年末から早春にかけては、家庭菜園の作業が一段落しやすい時期。あえて何も植えず、土を整える期間を作ると翌年の育ちが違ってきます。ここでは、筆者が行っている土づくりについて紹介します。
まずはここから!水はけと通気性をよくするコツ
土づくりの基本は、水はけと通気性を整えること。まずは、ひとつずつ手順を確認していきます。
- 土を耕す:表面だけでなく、30cmほどの深さまでしっかり耕し、固まりを崩す。
- 有機物を入れる:腐葉土や堆肥などの有機物を入れる。(1㎡あたり2kgほど。土の20%が目安。)
※家庭ごみなど身近な有機物を使う場合には少し工夫が必要です。(詳しくは後ほど説明) - 米ぬかを入れる:全体にまぶすようにパラパラと振りかける。(有機物2kgに対して半分の1㎏が目安。)
- 全体に水をかける
米ぬかを加えると、土の中の養分バランスが整い、腐葉土の発酵が進みやすくなります。ただし、発酵が進む過程で50~80℃ほどの発酵熱が出るため要注意。60℃を超えると植物の根が熱で焼けて傷むので、最低でも1か月ほど間をあけてから植え付けましょう。
「土づくり」と聞くと大変そうに感じますが、最初にここを整えておくと、その後の管理がぐっと楽になりますよ。
腐葉土と堆肥で土がふんわり蘇る
土づくりには、まず腐葉土と堆肥を混ぜ込みましょう。腐葉土は葉の繊維質が多く、土に混ぜると通気性や保水性を高める働きがあります。一方で、堆肥は土に栄養を補う役割に加え、土壌環境を整える働きも担います。腐葉土は堆肥の一種ではありますが、含まれる栄養分が少ないため、肥料としての効果はあまり期待できません。
腐葉土と併用する堆肥には、窒素分を含む牛ふん堆肥がおすすめ。完全に発酵した完熟牛糞堆肥は、においが少なく家庭菜園でも扱いやすいのがポイント。ホームセンターで手軽に購入でき、ゆっくりと土に栄養を補えるため、土づくりのベースとして取り入れやすい資材です。
年末に仕込んでおくと、寒い時期にゆっくりと分解が進み、土の中の環境が少しずつ整っていきます。時間をかけて分解された有機物は、春にはふかふかに変わり、根がぐんぐん成長できるいい土に変わるはずです。
石灰の使い方がポイント!pH調整でトラブル予防
日本の畑の土は、雨の影響で酸性に傾きやすくなっていますが、多くの野菜は弱酸性から中性を好みます。土づくりではまず土の状態を確認し、酸性に傾いている場合はアルカリ性の資材「石灰」を混ぜて、pHを整えましょう。
家庭菜園で主に使われている石灰は以下の3つ
- 消石灰(水酸化カルシウム):強いアルカリ性で即効性あり。土壌消毒も兼ねる。
- 苦土(くど)石灰(炭酸苦土石灰):緩効性の石灰。苦土(マグネシウム)を含み、有機栽培で使える。
- 有機石灰(カキ殻石灰・卵殻石灰など):自然由来の成分で苦土石灰よりも効果がゆっくり。ミネラルが豊富。
消石灰は効き目が強く即効性がありますが、その分、植物を植えられる状態になるまでに2週間ほど時間をあける必要があります。一方、苦土石灰はpHをゆるやかに整えながらマグネシウムも補え、家庭菜園でも扱いやすい資材です。さらに、有機石灰は天然素材で土になじみやすく、すぐに植物を植えられるメリットがありますが、効果は苦土石灰よりもゆっくりなので、すぐにpH調節をしたい人には不向きです。
年末は時間に余裕があり、落ち着いてpH調整に取り組みやすい期間。せっかく家庭菜園で時間をかけて土づくりを進めるなら、土の状態に合った石灰を選び、じっくり整えておきたいところです。筆者は自宅で出るたまごの殻を使い、石灰を手作りしていますが、身近な素材を活用すると無理なく続けやすくなりますよ。
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エコで経済的!身近な材料でできる土づくり

土づくりは特別な資材を使わなくても、身近な材料で進められます。大切なのは、やみくもに入れず、素材の性質とバランスを知ることです。ここからは、家にあるもので使える材料と、その扱い方のポイントを具体的に紹介していきます。
米ぬか
米ぬかは微生物のエサとなり、土の中で分解を助ける素材です。お米屋さんで購入するか、コイン精米所などで無料でもらえるので、要チェック。使用量の目安は土1㎡あたり約100g。表面にそのまままくと、雨や土の水分で固まりやすく、カビが生える原因にもなるため、必ず土に混ぜ込んで使うのがポイントです。
生ごみ
生ごみは窒素分が多く、うまく使えば土づくりに役立つ素材です。筆者も家庭から出る野菜くずを土づくりに活用しています。
生ごみを土に混ぜる時はできるだけ細かくして、しっかり土をかぶせること。浅く埋めると虫が集まり、臭いの原因に。また、野菜くずや果物の皮は使えますが、油分の多いものや肉・魚は分解に時間がかかり、腐りやすくなるため避けた方が無難。少量ずつ加え、土の様子を見ながら進めましょう。
仕上げに生ごみの上から米ぬかをひとつかみ(50gほど)かけて土をかぶせると、分解が早まるのでおすすめです。
灰
草木灰はカリウムを補える便利な資材で、実のつきや根の張りを促します。草木灰はホームセンターでも市販されていますが、実は蚊取り線香を燃やした後の灰も草木灰と成分は同じなのだとか。
筆者の自宅では冬の暖房にペレットストーブを使用しているため、木質ペレットを燃やした灰を土づくりの際に混ぜ込んでいます。入れすぎると土がアルカリに傾きやすくなるので、1㎡あたり50~100gが目安。酸性に傾きがちな土の補助的な調整として使うと効果を発揮します。
落ち葉

落ち葉は時間をかけて分解される炭素の多い素材。土に入れる場合は腐葉土にしてから混ぜ込むのが一般的ですが、筆者はプランターの底や畑の深いところ(40~50cm)に落ち葉を敷き詰め、上から土をかぶせる「落ち葉床」という方法を取り入れています。
1シーズンの野菜の栽培が終わるころには、自然と分解され腐葉土化しているので、次の栽培のときには一緒に混ぜ込むことで土づくりが効率よく進められます。プランター栽培だと、鉢底石の代わりにもなるので一石二鳥ですよ。
市販の土再生材を使うのもOK
忙しくて時間が取れない場合は、市販の土再生材を使う方法もあります。筆者も生ごみや落ち葉を土に混ぜる時には、微生物資材のカルスNC-Rを取り入れています。
使い方はシンプルで、表示された量を米ぬかと一緒に土に混ぜるだけ。微生物の力で分解が進み、短期間でも土の状態が整います。年末の限られた時間でも効果を感じやすく、無理なく土づくりを続けたい人に向いているので、ぜひ一度手に取ってみてください。
ライター
akari
母子キャンプ歴7年。アウトドアを楽しむシングルマザーです。大人一人でも子供とキャンプを楽しめるコツやおいしいキャンプ飯のレシピをご紹介します。薪ストーブinのおこもり冬キャンが大好き。