収穫したてがいちばんおいしいサトイモ。ゆでるそばから早く味わいたくて、にやにやしてしまいます。ところが、スーパーでサトイモを見つけても「おいしそうだけど下処理が大変そう…」とつい手が止まる人が多いかもしれません。実は、ちょっとしたコツで下処理は驚くほど簡単。今回は、ぬめりをラクに扱うための方法と、サトイモのおいしいレシピをまとめました。ほくほくねっとりの食感とやさしい味は、家族みんなが喜びますよ。
サトイモがおいしいと感じる「旬」の理由

サトイモは一年中見かける野菜ですが、本当においしく味わえる時期は秋の終わりから冬にかけて。畑で採れたコロンと丸い掘りたてのイモからは、見るだけでおいしさが伝わってきます。
葉の勢いがなくなると収穫のサイン
サトイモの収穫時期は、地域や品種によって多少の差はありますが、一般的には「10月〜11月」。さらに収穫のタイミングは、葉の変化を目安に判断します。
夏の終わりまでは人間より背の高い大きな葉が青々と広がり、畑の中でもひときわ存在感を放っていますが、11月頃に気温が下がり始めると、葉の伸びる勢いが弱くなり徐々にしおれてきます。ここが、サトイモが一番おいしく収穫できるタイミング。
葉が枯れきるまで待つと、霜が降りて地中のイモが傷んでしまう場合もあるので「葉っぱの色が緑から黄色や茶色になってきたころ」に掘り上げるのがベスト。適期に掘り上げたサトイモはしっとりとしていて、料理に使うとびっくりするほど柔らかい食感になります。
寒さが深まるほど、里芋はおいしくなる
サトイモは寒さに弱く、冷え込む季節になるとは自分を守るためにでんぷんをしっかり蓄えます。このでんぷんが、調理したときのねっとり感やほくほく感の素。
夏場に出回るサトイモはどうしても水っぽく風味も軽い印象ですが、冬に向かって気温が下がると、しっとりどっしりした味に変わりまるで別物です。また、この時期のサトイモは煮崩れしにくく、特におでんや豚汁など体を温める煮込み料理に重宝します。
寒さが深まってくる時期のサトイモは、まさに自然が作り出すごちそうです。
品種によって違う味わいがある
サトイモと一口にいっても、品種はさまざま。筆者の畑でも毎年3~4品種のサトイモを育てており、味や見た目の違いのおもしろさにすっかり魅了されました。
きめが細かく煮物に向く「土垂(どだれ)」
土垂は畑の主役の品種。きめが細かく煮ても形がくずれにくいため、筑前煮や煮しめなど、味しみが大事な料理に最適です。ほっこりした食感が強く、ほのかな甘みがあり、子どもにも食べやすいのが魅力。わが家でも人気の品種です。
丸くて扱いやすい「石川早生(いしかわわせ)」
石川早生は小ぶりで丸く、皮が薄くて扱いやすいのが特長で、スーパーでもよく見かける定番。土垂に比べると小さなイモが育つので、料理にはとても使いやすい品種です。
赤くて茎も食べられる「セレベス」
外皮が赤く、見た目にも華やかなセレベス。サトイモの中でも香りがよく、食感はややほっくり。
茎部分は「ズイキ(芋茎)」と呼ばれており、関西ではつくだ煮やお浸しなどで食べられるため、ひと株で二度楽しめるお得な品種です。
ほっくりタイプ。お店では見かけない「タケノコイモ」
名前のとおり「タケノコ」のように縦長の形が特徴です。ほかの品種に比べてぬめりは少なめですが、大きいので食べ応えがあり、蒸しても焼いてもほっくりとした甘みが楽しめます。
スーパーではほとんど出合えない品種なので、家庭菜園で育てるのがちょっとした楽しみになっています。
ぬめりと上手く付き合う下処理のコツ

サトイモを料理したいと思いつつ、下処理が苦手な人は多いはず。とくに小さめのサトイモはぬめりのせいで皮がむきにくいうえに、手がかゆくなってイライラ…なんていうことも。
ここではどうしてもサトイモをたくさん食べたい筆者お墨付き、目からウロコの下処理方法を紹介します。下処理に時間がかかっている人こそぜひ実践してみてください。
下処理は「皮ごと茹でる」でOK
サトイモの下処理のコツはたったひとつ。「皮ごと茹でる」だけ。できれば泥は落としておくと、あとの処理がより簡単です。
①サトイモを鍋に入れる
②➀の鍋にサトイモがつかるくらいまでの水を入れて、火にかける
③水が沸騰してから10分ほど茹でる(竹串がスッと通ればOK。サトイモが小さければ時間は少なめに。)
④茹で上がったらザルに上げて水で冷まし、皮をはぐように押す(外に広げるイメージ)。
ぬめりで手がかゆくなることもなく、皮むきに力もいらないため、下処理が苦手な人におすすめです。また、皮つきで加熱することで旨みが逃げにくいというメリットも。
大量のサトイモをたった10分茹でるだけで、簡単に皮がむけるので、まとめて処理して冷凍するのがわが家の定番。時間のない日は味噌汁に入れたり、焼くだけで一品が完成します。
皮をむくストレスがなくなると、サトイモ料理のハードルがぐっと下がり、旬の時期には自然と食卓に並ぶ回数が増えます。手軽で失敗しない下処理方法として、かなりおすすめですよ。
小さなクズ芋も捨てずに簡単調理
畑で収穫したサトイモには、たいてい「クズ芋」が付いています。市販のものでも、なかには形がそろわず小ぶりな芋が混ざっていることも。
扱いが面倒で処分してしまいがちですが、皮ごと茹でるとブドウのように皮が「プチッ」と気持ちよくむけるため、下ごしらえがぐっと楽になります。
クズ芋まで無理なく使えるため、食材を無駄にしにくい点もうれしいところです。
煮物だけじゃない、里芋のおいしい食べ方

サトイモは煮物のイメージが強いですが、実は幅広い料理に適した万能選手です。ここでは、サトイモ好きの筆者が、収穫後に実際に作っているお気に入りのサトイモレシピを紹介します。
ねっとり感がたまらない「サトイモサラダ」

サトイモを使ったサラダは、家族に好評の一品です。皮ごと茹でたサトイモをつぶすと自然なとろみが出て、じゃがいもとは違った濃厚な口当たりに仕上がります。
【材料】
・サトイモ 中4~5個
・ニンジン 中1本
・キュウリ 1本
・キャベツ 1/4カット
・ハム 4枚
・マヨネーズ 大さじ3
・塩コショウ 少々
・塩 少々(キュウリ用)
【作り方】
1 サトイモを皮ごと茹で、皮をむく。中まで火が通っていない場合は1/4くらいにカットして耐熱皿に入れ、電子レンジ600Wでさらに1〜2分加熱する。
2 キュウリは薄切りにして塩をかけて混ぜ、しんなりするまで置く。ニンジン、キャベツは1〜2㎝程度の薄切りにして、電子レンジ600Wで柔らかくなるまで4分ほど加熱する。
3 サトイモを滑らかにつぶし、2の材料と混ぜる。
4 マヨネーズを加えて混ぜ、塩コショウで味を整える。
お好みで、冷蔵庫に残ってる野菜を加えるだけでしっかりとした副菜に。アレンジで茹で卵を入れると味が濃厚になっておいしいですよ。
揚げずに簡単調理「サトイモコロッケ」
揚げずに作るサトイモコロッケは、手軽でヘルシーなのにモッチリと食べ応えのある料理。揚げ物が苦手だけどコロッケは食べたい!」という人にもおすすめです。
【材料】
・サトイモ 中4~5個
・合いびき肉 200g
・タマネギ 中1個
・パン粉 適量
・オリーブ油 大さじ2
・塩コショウ 少々
【作り方】
1 サトイモを皮ごと茹で、皮をむく。中まで火が通っていない場合は1/4くらいにカットして耐熱皿に入れ、電子レンジ600Wでさらに1〜2分加熱する。
2 フライパンに油(材料外)をひき、合いびき肉を炒める。肉の色が変わったらみじん切りにした玉ねぎを加えてしんなりするまで炒める。
3 別のフライパンにオリーブ油とパン粉を入れ、きつね色になるまで弱火でじっくり炒める。
4 ボウルに1と2を混ぜ、塩コショウで味を調える。
5 4を5㎝程度の大きさに成形したら、炒めたパン粉を全体にまぶして形を整える。
サトイモのねっとりとした口当たりがたまらないコロッケは、冷めてもおいしく、わが家のお弁当の定番おかずです。温め直す場合はオーブントースターで1~2分加熱するとカリッと食感が復活します。
大人も子どももやみつき!「サトイモの唐揚げ」

サトイモの唐揚げは、シンプルなのに驚くほどおいしい一品です。下味はシンプルに塩コショウのみ。サトイモ本来の味を楽しめますよ。
【材料】
・サトイモ 中4~5個
・片栗粉 大さじ2
・塩コショウ 少々
・揚げ油 適量(フライパンに3㎝程度の深さになるように)
【作り方】
1 皮ごと茹でたサトイモの皮をむき、を食べやすい大きさに切る。(この時点で中まで火が通っていなくてもOK)
2 ビニール袋にサトイモを入れ、片栗粉と塩コショウを加えて、全体にまんべんなくまぶす。
3 フライパンに揚げ油を入れて加熱し、2のサトイモを薄く色がつくまでじっくり揚げ焼きにする。
「外はカリッ、中はねっとり」とした食感に。食卓に並べると大人から子どもまで手が止まらず取り合いになります。素材のおいしさをシンプルに楽しみたい人にぜひ試してもらいたいレシピです。
ライター
akari
母子キャンプ歴7年。アウトドアを楽しむシングルマザーです。大人一人でも子供とキャンプを楽しめるコツやおいしいキャンプ飯のレシピをご紹介します。薪ストーブinのおこもり冬キャンが大好き。