植物由来の次世代合成繊維「PlaX(プラックス)」が人気アウトドアブランド「THE NORTH FACE(ザ ノース フェイス)」とウェルネスブランド「NEUTRALWORKS.(ニュートラルワークス.)」の新作フリースに採用されました。サステナブル素材として注目のPlaXが、いよいよ本格的にアウトドアシーンへ登場します!
PlaX(プラックス)とは?

PlaXは、サトウキビなど植物由来の「ポリ乳酸(PLA)」をベースに、マテリアルクリエイションカンパニー「Bioworks」が独自開発した、植物由来添加剤を組み合わせて改良した新素材です。
ポリエステルをはじめとした石油由来の合成繊維が広く使用されているなか、PlaXは以下のような環境メリットを持ちます。
- 長繊維製造時のCO₂排出量を70%削減
- 短繊維(原綿)の製造時のCO2排出量を50%削減
- 原料から糸製造までの水使用量を92%削減(綿比)
- 工業用コンポスト条件下で水とCO₂に生分解
- 抗菌・防臭性を備え、繊維上の菌の増殖を抑制
- 焼却時に有害物質が発生しない
環境負荷を抑えながらも、機能性は妥協しない。まさに次世代のアウトドア素材として注目される理由がここにあります。
ブランドの品質基準を突破するために、Bioworksとゴールドウインは、2022年よりPlaXを用いた製品の共同開発を開始しました。
ゴールドウインが求める品質基準は非常に高く、染色性や堅牢度など、素材性能を満たすには長期的な検証が必要でした。糸加工条件の見直し、テキスタイルメーカーや染工場と協力した試作を繰り返し、約3年にわたる改良を行うことで製品化にこぎつけたそうです。
サステナブル素材の開発と実用性の両立は簡単ではありません。この取り組みはアウトドア業界にとって大きな前進といえます。
「PlaX」が切り開くアウトドアウェアの未来
PlaXは、環境への負荷を大幅に減らすだけでなく、抗菌・防臭性などアウトドアウェアに求められる機能も備えています。
自然を楽しむためのアウトドアウェアは、その自然に負荷をかけない素材であるべき、というゴールドウインの理念と、Bioworksの素材開発力が融合することで、より持続可能なものづくりが前進しています。
ゴールドウインは、スポーツとアウトドアのモノづくりを通して人のパフォーマンスを最大化しながら、自然環境を豊かにしていくことをミッションとしています。
一方、Bioworksは「つくる喜びと、着る豊かさが続くエコシステム」を掲げ、植物由来の素材開発で、ファッションの循環型社会を目指す企業です。
両社の協業は、ただの素材採用にとどまらず、これからの業界の方向性を示す象徴的な取り組みといえるでしょう。今回のPlaX採用は、アウトドアウェアがよりサステナブルな方向へ進む大きな一歩となりました。
温かさや着心地を大切にしながら、地球への配慮を選択できる時代。これからPlaXがどのように広がっていくのか、そしてアウトドアブランドがどんな未来を描くのか、引き続き注目していきたいですね。
「PlaX」フリース ラインナップ
ゴールドウインが展開する「THE NORTH FACE」と「NEUTRALWORKS.」の2025年秋冬コレクションより、PlaXを使用したボアフリースのアウター製品が発売されました。今回の採用アイテムをご紹介します。
THE NORTH FACE Extreme Pile Hoodie Jacket

ボリューム感がありながらも軽く、あたたかく、まさに冬の定番として活躍する一枚です。
| 販売価格 | 30,800円(税込) |
| カラー | ブラック、フォッシルアイボリー |
| サイズ | S、M、L、XL |
| 素材 | 表地・フード裏:ポリエステル65%、アクリル18%、ポリ乳酸17%
裏地:ポリエステル100% 裾、袖口:アクリル70%、ウール30% |
NEUTRALWORKS. SNOWMELT / FULL ZIP FLEECE

ウェルネス志向のNEUTRALWORKS.らしい、洗練されたデザインが特徴です。街でもアウトドアでも使いやすい万能フリースに仕上がっています。
| 販売価格 | 41,800円(税込) |
| カラー | ブラック |
| サイズ | S、M、L、XL |
| 素材 | 表地 フリース部:ポリエステル65%、アクリル18%、ポリ乳酸17%
表地 布はく部:毛40%、ポリエステル35%、ナイロン25% 裏地:ポリエステル100% |
ライター
Greenfieldニュース編集部
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