2025年6月に開催された「第21回Mt.富士ヒルクライム」に参加しました。今回は、ビオレーサー主催のドリームチームとして実際に参加した新鮮なレポをお届けします。女性サイクリストの筆者が掲げた目標は、完走75分以内でシルバーリング獲得。その結果やいかに。
目標はシルバーリング!富士ヒルクライムに参加しました
毎年6月に開催されるヒルクライムの祭典「富士ヒル」。今年は、ウエアブランドのBIORACER(ビオレーサー)が主催する「DREAM TEAM」企画に選ばれ、目標をもつ仲間とともにこのビッグレースに挑戦しました。
BIORACER・DREAM TEAMのメンバーは、毎年公募によって選考されます。選考基準はヒルクライムへの熱意やスポーツマンシップ、SNSやZWIFTの利用経験などがあげられます。
実際の公募人数や選考については私も知る術はありませんが、とにかく富士ヒルへの思いや、目標に向けたトレーニングへの熱意などを応募フォームに記載しました。
私の目標は75分切りのシルバーリング獲得です。とくに女子サイクリストにとってこのタイムは非常にハードルが高く、シルバーリングを獲得できる女性は全体のわずか0.1%ほどといわれています。だからこそ、このチャレンジには大きな意味がありました。
夢のリングを目指して最後の1秒まで全力を尽くし自分の限界に挑む時間が、私にとってかけがえのない経験になったのは間違いありません。
以下の記事では、富士ヒルが人気の理由やエントリー方法を紹介しています。
目標に向けて行ったトレーニング方法を紹介
トレーニングは主に週4回、火・木・金・日に設定。
火曜はVO2Max(最大酸素摂取量)インターバルで心肺に刺激を入れる高強度メニュー、木曜はロングライドやレースペースでの実践的な練習、金曜はリカバリーやLong Slow Distance(長距離低強度走行)で疲労を抜き、日曜はロングライドやSweet Spot Training(持続的中強度走行)で持久力を高める内容を中心に取り組みました。
基本的にはZwift(ズイフト)を使った室内トレーニングがメインで、天候や時間に左右されず、安定して継続できたのが大きなメリットです。子育て中ということもあり、限られた時間のなかでも「量より質」を意識し、本番にピークがくるよう段階的に強度を上げていきました。
本番前に体調不良。それでもスタートラインへ
実は持病の喘息が悪化し、レース5日前まで気管支炎による高熱に見舞われていました。練習どころか、日常生活もままならず、不安と焦りでいっぱいになり涙することもあったのはここだけの話です。
それでも「ここで諦めたくない」という強い思いで、残りの日々は思い切って練習を休んで回復に全力を注ぐことに。予定していた仕上げのメニューをキャンセルする勇気は必要でしたが、いままでの努力を信じて当日に向けてできることを精一杯やりました。
そして迎えた本番、やはり身体は完全ではありませんでしたが、前向きな気持ちでスタートラインへ立てたのは、家族や仲間の応援が心を支えてくれたおかげです。
結果は年代別2位!シルバーには届かず悔しさ残る
レースでは喘息の兆候が気になりましたが、なるべく安定した呼吸ができるよう鼻呼吸を意識しました。この日の天気は富士ヒルにはめずらしい晴れで、空気がそれほど冷たくなかったおかげで呼吸しやすかったのは幸いでした。
もちろんレースを進めていくうちに呼吸は乱れ、ゴール直後には酸素ボンベが必要な状態に。それでも登り切れたことに安堵したのを覚えています。
そして結果は76分。目標の75分以内をわずかに超え、惜しくもシルバーリングには届きませんでした。それでも去年の自己ベストを約5分更新し、年代別(98人中)で2位、女子総合(675人中)では10位という成績に。
悔しさと同時に1年の頑張りを確かめられ、誇らしさもこみ上げるゴールでした。一方で、「もし体調が万全だったら」と思わないこともありませんが、コンディションを整えるのも実力のうち。今回の結果はしっかり受け止めて、次につなげていきたいと思います。
また、富士ヒルを攻略ゲームと称する声もあります。目標に届くパワーが必要なのはもちろんですが、機材のレベルアップや、複数のサイクリストが列になって走るトレインの練習も必要だと感じました。
仲間の声援が力に!応援とサポートに感謝
今回のレースでは、「DREAM TEAMがんばれ!」という沿道からの声援や、仲間たちからの応援が本当に大きな力になりました。
苦しい時間には、日々のトレーニングやレース活動を支えてくれる家族、バイクの整備をしてくれる友人の顔が浮かび、「ひとりじゃない」と強く感じながら前を向いて走りきれました。
周りのサポートがあってこそ、自分一人では届かなかったかもしれない高い目標に挑戦できたに違いありません。あらためて感謝の気持ちでいっぱいです。
おまけの機材紹介
最後に、富士ヒルクライムに一緒に挑んだ、筆者の愛車を紹介します。
- フレーム:SPECIALIZED/AETHOS PRO(エートスプロ)
- ホイール:SPECIALIZED(スペシャライズド)/ROVAL ALPINIST CLX2(ロバールアルピニスト)
- タイヤ:Vittoria(ビットリア)/Corsa PRO Speed TLR 26c(コルサプロスピード)
- クランク:ELILEE(エライリー)/X310
スペシャライズドのエートスプロは、昨年の富士ヒルにも一緒に挑戦したフレームです。
今回はヒルクライム決戦用として、機材の軽量化を進めました。クランク、ホイール、バーテープやサドルなどを軽量なモデルにチェンジ、さらにタイヤは転がりに定評のあるコルサプロスピードを取り入れました。
全体の実測は6.5kgです。今回の高い目標に近づけたのは、機材のおかげでもあることでしょう。
ライター
yomec(よめしー)
自然豊かな新潟県在住、夫婦でロードバイクを楽しんでいる自転車ライター。子育てしながらトレーニングする方法を日々模索中です。今ではヒルクライムを中心としたレースが家族旅行に。愛車はSPECIALIZEDとBROMPTON。夫婦での所有スポーツバイクはなんと8台。ファミリーでも楽しめる自転車の魅力を発信します。