6月の環境月間に合わせて、認定NPO法人フェアトレード・ラベル・ジャパンが主催する「フェアトレードの環境月間」キャンペーンがスタートします。気候変動の影響を最前線で受ける開発途上国の生産者と私たちの暮らしをつなぐこの取り組みでは、フェアトレード製品の紹介やSNSキャンペーン、イベントなどを通して、地球にも生き物にもやさしい選択を促します。身近な「食」から未来を考えるこのキャンペーンの狙いと内容を詳しく紹介します。

気候変動と食卓が直結する時代に

フェアトレード環境月間

日本の食生活は、実に約6割以上が海外からの輸入に依存しています。バナナ、コーヒー、チョコレート、オレンジジュース、ワイン、アボカドなど、私たちの食卓を彩る品々は、その多くが開発途上国の農地で生産されています。しかし、気候変動の影響は年々深刻さを増し、2050年にはコーヒー栽培地が半減する可能性や、カカオの生育が困難になる予測が出ています。

こうした状況に対して日本人が無関係ではいられないのは、気候変動の原因の多くが先進国の経済活動にあるからです。例えば、先進国に住む1人のCO₂排出量は、開発途上国に暮らす21人分に相当するとされており、温暖化を招く構造的責任があるのです。

フェアトレードが果たす環境への役割

フェアトレード環境月間

こうした不均衡を是正し、持続可能な農業と地球環境の保全を目指す手段の一つが「フェアトレード」です。フェアトレードとは、生産者と対等な立場で取引し、適正な価格を支払うことで、生産者の生活向上と環境配慮型農業を支援する仕組み。一般には「人権保護」「児童労働の排除」といった人道的側面が知られていますが、実は環境保護にも大きな効果を持ちます。

フェアトレードの基準には、化学肥料や農薬の使用を抑えることや、持続可能な土地管理などが組み込まれており、CO₂削減や生態系の保全にも寄与します。この6月の環境月間にあたって、そうした知られざる側面を伝えるのが今回のキャンペーンの狙いです。

キャンペーンの主な取り組み

認定NPO法人フェアトレード・ラベル・ジャパンは、食品・小売・外食産業などの企業と連携し、以下の取り組みを実施します。

① SNSプレゼントキャンペーン
参加企業の公式Xアカウントをフォロー&リポストすることで、フェアトレード製品が抽選で当たるキャンペーンが開催されます。フェアトレード製品に親しみながら、その背景にあるストーリーに触れる機会となります。

② 特設ページでの情報発信
キャンペーン専用サイトでは、参加企業の取り組みや全国各地のイベントを一覧で紹介。企業が実施するセミナーや店頭販促など、フェアトレードを通じた環境保護への具体的な行動を知ることができます。

③ 共通ビジュアルの配布
「フェアトレード×気候変動」をテーマとした啓発ビジュアルが、企業や団体を通じてSNSや店舗などで展開され、社会全体への意識づけを強化します。誰でも特設ページからダウンロード可能な点も魅力です。

SNSキャンペーンの一例:企業の取り組み

全国の企業がフェアトレードの推進に協力し、各社の強みを活かしたプレゼントが用意されています。

イオン株式会社 トップバリュのフェアトレード商品3点セット(オーガニックコーヒー、ダージリンティー、オレンジチョコ)を抽選で5名に。
小川珈琲株式会社 有機JAS・フェアトレード認証の「ASUE Fairtrade Coffee」ドリップタイプを5名に(各2種×5パック)。
エスビー食品株式会社 有機JAS認証&フェアトレード認証スパイス「ブラックペッパーあらびき」「ジンジャーパウダー」の2種セットを5名に。
UCCジャパン株式会社 国際フェアトレード認証コーヒー100%使用「EZONO BLEND」ワンドリップタイプを5名に。
ホットマン株式会社 高吸水・1秒タオルの「コローレ スポーツタオル」を抽選で5名に。
フェアトレード環境月間

イオン株式会社

フェアトレード環境月間

小川珈琲株式会社

フェアトレード環境月間

エスビー食品株式会社

フェアトレード環境月間

UCCジャパン株式会社

フェアトレード環境月間

ホットマン株式会社

認定NPO法人フェアトレード・ラベル・ジャパンとは

フェアトレード環境月間

認定NPO法人フェアトレード・ラベル・ジャパンは、1993年に設立され、2023年11月に設立30周年を迎えた。国際フェアトレードラベル機構(Fairtrade International)の構成メンバーとして、日本国内における国際フェアトレード認証ラベルの発行・ライセンス管理を担うほか、フェアトレードに関する啓発活動や政策提言にも取り組んでいます。

同機構は1997年に設立された国際組織で、公正な取引を通じて世界の貧困問題の解決や、生産者の持続可能な暮らしの実現を目指すことを目的としています。現在、70カ国以上の開発途上国に暮らす約200万人の生産者・労働者と、30カ国の消費国メンバーが参加し、グローバルなネットワークを形成。

詳細は公式サイトでも公開されています。

フェアトレード・ラベル・ジャパンの活動

このキャンペーンを主催する認定NPO法人フェアトレード・ラベル・ジャパンは、国際フェアトレードラベル機構の日本メンバーとして1993年に設立。30周年を迎えた今も、日本国内での認証制度の運営や啓発活動を行い、貧困の解消と持続可能な生産の実現を目指しています。

国際フェアトレード認証は、国連のSDGs17目標すべてに貢献するとされ、特に「貧困削減」「環境保全」「持続可能な消費と生産」などにおいて顕著な効果を上げています

キャンペーン概要

「実は、地球にも生き物にもやさしい フェアトレードの環境月間」
期間:2025年6月10日(火)~6月30日(月)
主催:認定NPO法人フェアトレード・ラベル・ジャパン
特設ページはこちらからご覧ください。
内容:SNS懸賞企画、企業の取組紹介、啓発ビジュアルの配布と発信

気候変動の影響が私たちの食卓にまで及ぶ時代、日常的な消費の選択を見直すことは、大きな環境保護アクションにつながります。「フェアトレードの環境月間」キャンペーンは、そんな気づきと行動を促す第一歩。フェアトレードという選択が、より多くの人にとって「あたりまえ」になる社会を目指して、6月、私たちも動き出しましょう。

Greenfieldニュース編集部

ライター

Greenfieldニュース編集部

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