秋冬に快適なキャンプライフを送るためには、適切な暖房対策が必要不可欠。そこで、キャンプ歴11年の筆者がおすすめしたいのが石油ストーブです。寒い季節にマルチに使える万能ギア!その魅力や注意点、選ぶポイントについてご紹介します。
石油ストーブの魅力と注意点
石油ストーブは使い勝手に優れた暖房器具で、寒くなるこれからの時期におすすめのアイテムです。ここでは、石油ストーブの代表的な特徴や注意点を詳しく紹介していきます。
多様なシーンで使える
まず、石油ストーブは薪ストーブのような煙が出ません。煙突が必要ないので、家やテントのなかといった室内でも使用可能です。場所を限定されることなく、さまざまなスペースを選んで使用できます。
また、ファンヒーターやガスストーブなどと異なり電源も必要ありません。場所を選ばない自由な使い方が可能なので、屋内外問わず自宅の庭などでも気軽に使えるのです。実際、筆者も冬の庭仕事で「ちょっと温まりたいな」というときに使っていますよ。
ストーブ周囲には燃えやすいものを置かないよう気をつけましょう。キャンプシーンであれば、ガス缶などにも注意が必要です。また、テント内での使用は、必ずメーカーの取扱説明書の注意事項などにしたがって正しく使いましょう。なお一酸化炭素チェッカーの使用やこまめな換気を行うなど、十分に注意しましょう。
燃費のコスパが優れている
とくに屋外シーンにおいては、ほかの暖房器具に比べて燃費は非常に優れています。メーカーにもよりますが、1リットルの灯油で4〜8時間ほど連続して使えます。大容量のタンクであれば、さらに長時間の使用も可能ですよ。
つまり、1泊のキャンプであれば200円~300円程度で十分おさまるのです。薪やガスと比べて燃料費も安く、長時間使えるという点で、お財布にもうれしい暖房器具といえるのではないでしょうか。
古い灯油は、着火不良や異常燃焼などのリスクとなります。予期せぬトラブルに発展してしまうかもしれません。長期間使用しないときは、タンク内の灯油を抜き取っておきましょう。
料理にも活用できる
石油ストーブの上にフライパンなどの調理器具を乗せれば、簡単な料理もつくれちゃいます。火力はそこまで高くはありませんが、煮込み料理などには十分使えますよ。焚き火のように煙が出ないので、室内でも使えるのが大きなメリットです。
筆者のおすすめは「おでん」です。準備はいたって簡単で、暖房ついでにおでんの具の入った鍋を置くだけ。じっくりことこと煮込んでつくった味しみしみのおでんは格別ですよ。寒さも吹き飛びます!
吹きこぼれや油はねには十分に注意してください。とくに、油のはねは、料理後の片づけがとても面倒になります。炒め物などは避けた方がよいかもしれません。
加湿もできる
石油ストーブは、石油を燃焼する過程で水分が発生します。つまり、加温と同時に加湿も一遍にできるのです。乾燥しがちな冬の時期にはうれしいですよね。水の入ったケトルなどを置けばさらに湿度を上げられますよ。
ちなみに、空気がこもりがちだと感じる場合は、ストーブファンを使用すれば空気を効率よく巡回させることも可能。快適温度は、温度・湿度・気流の三要素のバランスで決定まりますが、石油ストーブならこのすべてをコントロールできるのです!
こまめな換気は必ず行いましょう。とくに注意したいのが一酸化炭素中毒です。一酸化炭素チェッカーなどを使用した対策を必ず行ってください。
準備・片づけが簡単にできる
石油ストーブは使い方も楽々。薪ストーブのような特別な準備を必要としません。灯油が入っていれば、すぐに使い始められます。着火は電池式の電子点火式のものであれば、ワンタッチで行えます。キャンプ場に到着してすぐに暖を取りたいときに、この手軽さはありがたいポイントですよね。
後片付けもとても簡単。消火したら自然と冷めるのを待つだけです。灰の処理をする必要もなく、ガスストーブのようにボンベの取り外しも不要です。キャンプの撤収時間を短縮できるのは、大きなメリットといえるでしょう。
定期的なメンテナンスはとくに不要ですが、久しぶりに使用する際は、点火の前に燃焼筒の周りに汚れがたまっていないか確認しましょう。ほこりなどがたまっていると、思わぬ事故の原因となります。また、運搬の際はストーブ本体の灯油は抜いておきましょう。灯油の運搬は、専用の灯油タンクなどを使用するなどくれぐれも注意してください。
石油ストーブを選ぶポイント
とひとえに石油ストーブいっても、熱の送り方や対応畳数などその種類はさまざま。選ぶ際は用途や環境にあわせて、以下のポイントを押さえる必要があります。ぜひ参考にしてください。
対流式と反射式
石油ストーブには、大きく分けて「対流式」と「反射式」の2つの種類があります。対流式は広い空間全体を立体的にあたためられ、反射式はストーブ正面を中心に狭い空間を集中的にあたためられるのが特徴です。どちらも一長一短ありますが、それぞれの特徴を確認してから利用シーンに合わせて選択するとよいでしょう。
ちなみに、キャンプシーンで使用するなら、自然な循環を利用して空間全体を立体的にあたためる対流式の石油ストーブがおすすめです。
対応可能な畳数
ストーブのサイズや出力によって、対応できる畳数は異なります。狭いテント用なら1.5畳〜3畳程度、キャビンタイプのような広めのテントなら6畳〜10畳まで対応できるものがよいでしょう。
ただし、テントは家の室内と比べて気密性は低めです。熱が逃げやすいことを考えると、実際のテントサイズより少し広めの対応畳数のものを選ぶのもひとつの手といえるでしょう。
ほとんどの製品が家庭用製品として屋内での使用を想定して作られています。そのため、テント内での使用はメーカー推奨の使用法にしたがって、正しく使いましょう。
着火方法
石油ストーブにはいくつかの着火方式がありますが、少しでも手間を省きたい人には電子点火式がぴったりです。冬場の寒いなかでも、スイッチひとつで簡単にすぐに着火できますよ。
筆者としては、ライターなどを使用して行う直接点火方式もおすすめです。燃焼芯にゆっくりと火が灯っていくのを見るのも、なかなか風流な感じでよいものですよ。
燃焼時間
ストーブの燃焼時間は、給油タンクの容量でも大きく変わります。大容量の12時間以上連続して使えるモデルから、小型で4〜8時間程度のものまでさまざま。目的などにあわせて選択してください。
ただし、タンクが大きくなれば当然比例するように本体サイズも大きくなります。テントや部屋の大きさも考慮しながら選ぶようにしましょう。
安全性能
購入を検討する際には、消し忘れ防止の自動消火機能や転倒時の自動消火など、安全面での装備も考慮しましょう。とくに、子ども連れのファミリーキャンプなどでは、これらの安全装置は必須といえるでしょう。
給油にも注意が必要です。タンクが取り外せるものであれば、本体を持ち運ぶことなく手軽に安全に配慮しながら給油できますよ。
秋冬にキャンプを快適に楽しむためには、石油ストーブがおすすめです。暖房器具としてはもちろん、料理などにもマルチに使えてキャンプの幅が広がりますよ。今後、石油ストーブの購入を検討する際には、本記事で紹介した選び方のポイントをぜひとも参考にしていただき、自分のニーズに合ったものを見つけてください。石油ストーブで快適なキャンプライフを過ごしましょう!
ライター
SUGURU
キャンプ歴11年。アウトドアと家族を愛するパパキャンパー。ともに暮らす妻と2人の娘はインドア派。家族の機嫌をうかがいながら週末キャンプ・ギア収集を楽しんでいる。最近は、気軽に楽しめる「おうちキャンプ」で一味違った新たなキャンプスタイルを模索中。2019年には庭の物置をDIYでキャンプガレージに改装。お気に入りのギアに囲まれて過ごす「ガレージキャンプ」という新たな試みも行っている。