私が感じた森林浴の3つのメリット
私の家の近くには広い野鳥公園やキャンプ場があるので、森林浴をしにウォーキングをしています。森林浴のあとに、私が実感している3つのメリットを挙げてみますね。
①ストレスの軽減
森林浴の魅力は、ストレスを和らげられるところにあると思います。私たち現代人は、知らないうちにストレスを溜めてしまいがちではないでしょうか?
ストレスを感じたときには、森林の静けさと自然の香りに包まれてみてください。緊張の糸がふっと緩みます。私は少しギスギスしていた心が穏やかになるのを感じますね。さらに、頭のなかのモヤモヤが少しずつ晴れていき、心に余裕も生まれます。
じつは、森林のなかにいると、ストレスホルモン(コルチゾール)の濃度が下がるという実験結果もあるほど(※1)。ストレスフルな毎日を過ごしている人は、実際に森林浴を経験してみると納得できるかもしれませんね。
②気分の向上
気分が落ち込み、なにも手につかない状態が続いているなら、森林浴に出かけてみてください。自然の音や風のそよぎに耳を傾けながらゆっくりと歩いていると、不思議と気持ちが軽くなりますよ。
また、心がリフレッシュされると、新たな視点で物事を考える力が高まるようにも感じます。ネガティブな思考も、少しずつ消えていくような感覚です。森林浴は、心と体にとってまさに最高の癒しだと思います。
③自律神経の安定
森林浴は自律神経のバランスを整えるといわれています。自律神経が整うといわれてもピンとこないかもしれませんが、簡単にいうと、心身ともに安定していて良好な状態です。
自律神経が崩れたときの症状や原因は人によってさまざま。私の場合は気象病の影響もあり、頭痛・倦怠感・気分の変動に悩まされることがあります。そのため、自律神経のバランスが崩れているのがわかりやすいのです。
いつもとは違う心や体の状態をキャッチしたら、自律神経のバランスが崩れているサインかもしれません。そんなときほど、私は森林浴に出かけるようにしています。
そのほかの森林浴のメリットについては、環境省のサイトも参考にしてみてくださいね。
森林浴で癒されるのはなぜ?
なぜ森林浴で心身ともに癒されて、リラックスできるのでしょうか?私も興味があったので、調べてみました。
フィトンチッドの効果
フィトンチッドとは?自由に動き回ることのできない植物が、進入しようとする有害な微生物、有害な昆虫から身を守るためにつくりあげる揮発性物質(※2)。
森林浴で癒される1つ目の理由は、フィトンチッドの効果が考えられます。聞きなれない言葉かもしれませんね。
森を歩くと清々しい気分になって、自然に深呼吸したくなりませんか?この行動には、植物が放出する揮発性物質『フィトンチッド』が影響しているとされています。抗菌・防虫・消臭効果があるといわれていて、自然が提供する空気の浄化装置のようなものと想像してみてください。
ストレスが溜まってくると、イライラや不安を感じ、憂鬱になることがありますよね。私もそんなサイクルに陥ると、フィトンチッドのリフレッシュ効果を求めて、木々が多い山や神社などへ行くことにしています。
森林の香りを吸い込み、散策していると気分がすっきりと晴れていきます。張りつめていた日常のストレスが、ふっと軽くなっているのです。まさに「ストレス発散とはこのことか!」と、何度も体感しました。
とくにネガティブ思考に陥っているときは、森林浴に出かける計画を立ててみましょう!
マイナスイオンの効果
森林浴で癒される理由としては、マイナスイオンの効果も挙げられます。マイナスイオンと聞くと、川や渓谷など、水のある場所のイメージが強いかもしれません。植物も水分を蒸発させるときに、大量のマイナスイオンを発生させるといわれていますよ。
じつは上記のことを知り、納得したことがあります。私は登山道で樹林帯を歩いていると、いつも空気を瑞々しく感じていました。とくにハードな登山を終えたあとは、体がほぐれ、普段の忙しさから解放されたような感覚になります。それは、山中でマイナスイオンに囲まれていたからなのかなと思います。
マイナスイオンの効果を知ってから、少々厳しい登山へ行くのもさらに楽しみになりました。
1/f(エフぶんのいち)ゆらぎ効果
1/fゆらぎとは?自然界の音などに含まれるリズム。規則性と不規則性が混ざり合って、ちょうどよい具合に調和していることで癒しを感じられる(※3)。
(例:風に揺れた葉がそよぐ音・小川のせせらぎ・鳥のさえずりなど)」
癒しや心地よさなどには、1/fゆらぎが深く関係しているとされています。この1/fゆらぎも、森林浴から得られる効果だと思われます。
私はこのゆらぎ効果を青森県の奥入瀬渓流を散策していたときや、立山の弥陀ケ原(みだがはら)の木道を歩いていたときに実感しました。心が落ち着き、時間がゆっくりと流れるような感覚に包まれたのを覚えています。
喧騒から少し離れて、その瞬間を楽しめれば、1/fゆらぎは日常のすぐ近くでも見つけられますよ。ぜひ自然から得られる癒しのパワーを見つけてみてください!
私がおすすめする森林浴を楽しむポイント
森林浴を最大限に楽しむためには、いくつかのポイントがあります。私が実感した森林浴のポイントを紹介します!
気軽に行ける場所を選ぶ
身近な場所でも森林浴は楽しめます。森林浴と聞くと、遠くの山や森へ出かけるイメージがありませんか?もちろん、ときには遠方へ出かけるのもよいのですが、気軽に行ける場所があると最高です!
私は気分転換したくなると自分の家の庭へ行きます。自宅の庭には15~20種以上の樹木があふれていて、森のようになっています。そこで雑草を抜いたり、剪定をしたり、家庭菜園の収穫をしたりします。ささいな日常の行動でも、自然に触れるとリフレッシュできますよ。
また、公園や神社を訪れるだけでも、木々の緑に包まれて心が落ち着きます。気忙しい毎日を過ごしている人は、ぜひ身近に行ける場所から森林浴を楽しんでみましょう。
時間を気にせず過ごす
森林浴は時間に縛られず、ゆったりとした気持ちで過ごすことが大切です。なぜなら、時間を気にした途端に、開放感が減ってしまうから。私は「森林浴に出かける!」と予定を決めたら、時計を外します。そして、自然のリズムに身を任せるのがおすすめです。
早朝のひんやりとした空気や、昼下がりの日差しが木々の間から差し込む瞬間など、時間帯によって違う表情を楽しめます。小さな発見をすると、なんだかうれしくなって、心身ともにリラックスできますよ。
五感を活用する
森林浴は五感をフル活用することがポイントです。たとえば、木々の色合いや太陽の眩しさは視覚を刺激します。聴覚を意識するには、鳥のさえずりや川のせせらぎに耳を澄ませるとよいですよ。また、足元に落ちた葉や、小枝を踏みしめる感触や音も楽しんでください。
深く深呼吸すると、清々しい空気のなかに森の香りを感じるはずです。ときには山菜やきのこ、栗など、季節の実りをゲットできれば、味覚も喜びますよね。
五感をフル活用した自然との触れ合いは、日常のストレスから解放されるきっかけになるでしょう。
以下に、私が行っている森林浴を紹介します。実践しやすい内容もあるので、ぜひ日常に取り入れてみてください。
⚫︎公園や神社の散歩
・頻度:月1~2回
・時間帯:午後
・行動する時間:1時間ほど
⚫︎森林の散歩やウォーキング
・頻度:週1~2回
・時間帯:午後
・行動する時間:30分ほど
⚫︎公園でバードウォッチング
・頻度:週2~3回
・時間帯:午前中または午後
・行動する時間:30分~1時間ほど
出典:
※1)環境省「データで見る国立公園の健康効果とは?」
※2)岐阜県森林科学研究所「樹木成分フィトンチッドの不思議な作用」
※3)法政大学大学情報科学部「1/f ゆらぎとリラックス効果の関係性の明確化」
ライター
いさな(藤原 勇魚)
「登山へ毎日行くのは無理。でも自然を感じる暮らしがしたい!」そんな理由から、ウッドデッキの先に小さな森を作りはじめた。小さな森では、野鳥がさえずり飛び交う毎日。そして、果樹・野菜・植物が生きいきと育つ場所にもなっている。
「自然の豊かさ=心の豊かさ」を体感し、自然から得たシンプルで大切な気づきをkindle本で出版する日々。さまざまな視点で、自然から得られる学びについて発信していきたいと思っている。