雪道対応のタイヤ
日本向けのマウンテンバイクでは、一部でスリックタイヤが装備されているものがあります。
これは、日本市場では山道を走るよりも市街地をマウンテンバイクで走るシーンが多いからで、セミブロックタイヤといわれる舗装路重視のタイヤもよく見られます。
こういったタイヤで雪道を走るのは危険なので、タイヤの交換が必要になります。
雪道用のタイヤといえばスタッドレスタイヤを思い浮かべますが、マウンテンバイク用のスタッドレスタイヤは種類がとても少ないです。
自転車ではスパイクタイヤの使用が可能なので、スタッドレスタイヤをあえて選ぶ理由がないからです。
ただし、スパイクタイヤも万能というわけではなく、場合によってはブロックタイヤの方が効果を発揮する場合もあります。
それぞれの特徴を元に、どちらを採用するか考えてみましょう。
スパイクタイヤ
スパイクタイヤは路面にピンが刺さることでグリップします。
凍結路面や、固く踏み固められた路面ではスパイクタイヤに勝るタイヤはありません。
柔らかい路面ではピンが雪を掻いてしまいグリップしないので、スパイクタイヤの効果はありません。
ブロックタイヤ
ブロックタイヤは、柔らかい路面にタイヤ表面の凹凸が食い込んでグリップします。
緩い雪道や、雪を踏んですぐにコンクリートが見えるような路面の場合はブロックタイヤの効果が高くなります。
柔らかい雪道は埋まってスタックする可能性も上がるので、ある程度太さのあるタイヤも有効です。
軽めのギアに変更
オフロード走行では、軽いギア比を中心にギアマネジメントします。
このため上位グレードのマウンテンバイクは、タイヤの回転数を落としてトルクを重視するために、軽めのギアを装備している場合が多いです。
これはアップダウンに対応する以外にも、オフロードで重いギアを回すとタイヤが空転する可能性があるからで、ぬかるみのように緩い路面ではケイデンスでタイヤの回転数を調整し、タイヤが路面に食いつくように調整する必要があります。
この考え方は雪道でも同じです。
雪道ではスピードを出すと危険なので、重いギアを使用する機会はほぼないといってもいいでしょう。
ギアはクランクを交換することで軽くすることができ、クランクのギア山の数(T)を少なくすれば軽くなります。
具体的には30~36T程度のギアが有効で、ロードバイクに使用する50Tからするとかなりコンパクトなギアが採用されています。
ダブルギアやトリプルギアの場合はさらに小さく、22Tから用意されています。
フロントギアの調整は難しいのでショップに依頼することになり、交換するクランクやBBの費用もかかってしまいますが、本格的なオフロード仕様にするためにも無駄にならない改造です。
フラットペダル
通常スポーツ自転車では、ビンディングペダル・ビンディングシューズを使用するのが一般的です。
ビンディングとは、シューズとペダルを固定するための装置で、スキーとスキー板を固定するビンディングと機能は同じです。
自転車においては、ビンディングを使用することでペダルを踏むだけでなく、持ち上げることでも力を伝えられるため、体力温存とスピードアップ効果があります。
マウンテンバイクでは主に「SPD」と呼ばれるビンディングを使用します。
SPDは汚れに強く、他のビンディングよりも外しやすいという特徴がありますが、雪道の走行ではそれでもリスクになるほど落車が多くなります。
万が一落車したときにビンディングが外れないと怪我につながりますし、スピードを出すシーンもないので、ビンディングを付けるメリットはあまりありません。
このため、雪道においては通常のフラットペダル(足を置くだけのペダル)にメリットがあります。
標準装備されているペダルもほとんどがフラットペダルですが、雪道を走るなら少しこだわってみましょう。
雪道ではどうしてもシューズが雪で滑るので、標準装備されているようなプラスチックのペダルでは滑ってしまい危険です。
雪道ライドに使用するなら、ダウンヒルレースなどで使用されるピン付きのフラットペダルがおすすめです。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
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