冬のキャンプをより快適に過ごしたいおしゃれ女子のための服装ガイドです。寒さに負けないレイヤリングテクニックや、機能性とスタイル性を兼ね備えた防寒アイテムの選び方、コーディネートのポイントなどを紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
【女子向け】冬キャンプでの服装の基本
冬のキャンプでは、防寒対策をしっかりしないと体が芯まで冷えます。とくに、女子は体をあたためる服装選びが大切です。あたたかく過ごすためには、どのような服装をすればよいのかをチェックしましょう。
冬キャンプでは服をレイヤリングする
寒い時期のキャンプでは、服を重ね着するレイヤリングが欠かせません。適切なレイヤリングをすることで気温に合わせた体温調節ができ、快適に過ごせます。
また、ベースレイヤー・ミドルレイヤー・アウターレイヤーの3層を基本にすれば、あたたかい空気の層がつくられ、体温を外に逃しにくくなるでしょう。
それぞれの層の役割について、下記で詳しく説明します。
機能性素材のベースレイヤー
1番内側に着用する、肌に直接触れる肌着やTシャツです。保温性がありながらも、汗を素早く吸水して蒸発させ、肌をドライに保つ機能性があるものが適しています。
汗を吸収して発熱する吸湿発熱素材のヒートテックや、吸湿性・保温性に優れたメリノウールなどがおすすめです。汗蒸れを防ぎ、体温を逃しませんよ。なお、キャンプでは登山のように大量の汗をかくことは少ないですが、夜間の気温低下に対処するためには保温性が重要です。特に冷えが気になる女子は保温性重視で選びましょう。
保温性に優れたミドルレイヤー
ミドルレイヤーはベースレイヤーの上に着る、フリースやダウンなどの保温性がある防寒着のことです。ミドルレイヤーの効果は、服と服の間に空気の層を作り出すことで、体温の維持をサポートすることにあります。
暑ければ脱いだり、寒ければ2枚重ねをしたりして、その日の気温に合わせて調節しましょう。
朝晩と日中とでは温度差があるため、1日を通して組み合わせられるように何枚か持っておきましょう。
防寒性のあるアウターレイヤー
1番外側に着る防寒ジャケットです。外からの雨や風、雪から身を守るための防寒性・防風性・撥水性などが求められます。あたたかさが逃げないように、寒い日は厚手のアウターを着ましょう。
焚き火をするときは、火の粉で衣類に穴があいたり燃え広がったりしにくい、難燃性がある素材がおすすめです。寒がりの人は、防寒性と難燃性を兼ね備えた焚き火用のキャンプ用のアウターを用意しましょう。
冷えから守るアイテムを身につける
冷え対策として、以下のアイテムがあると重宝します。
断熱材入りのブーツ
冬キャンプでは、保温性の高い断熱材が入ったブーツを用意するのがおすすめです。特に雪中キャンプで長時間過ごしていると、足元から熱が奪われるため、末端の血流が悪くなりしもやけになるリスクが高まります。
防寒用ブーツには、足首までのショート丈、ふくらはぎ下までのミドル丈、そしてふくらはぎにかかるロング丈があります。雪深い場所では雪の侵入を防ぐためにも、ミドル丈かロング丈が推奨されます。これらの長い丈のブーツは、上部までしっかりと防寒対策が施されており、雪の中を歩く際の防雪性にも優れています。
ボアやファー、フリース、ニット素材などのあたたかい素材を内側に使用しているものは、保温性がとくに優れているでしょう。
また、雪がないキャンプ場であれば、断熱材入りのスリッポンもよいでしょう。スリッポンは軽量で歩きやすく、忙しいキャンプの設営や撤収の際にも素早く脱ぎ履きができます。
保温性の高い靴下
靴が断熱材入りでなければ、保温性の高い靴下が活躍します。ウールや合成繊維の素材なら、保温性だけでなく速乾性もあるので、足蒸れの不快感を緩和できるでしょう。寒さによっては、2枚履きをすると冷えが軽減されます。
また、長時間履くことになるキャンプでは、防臭・抗菌効果があるタイプだと気持ちよく過ごせるでしょう。
保温性・防水性・防風性のある手袋
保温性・防水性・防風性のある手袋が理想的です。ウール・ダウン・合成断熱材を使用したものを選んでください。冬のキャンプでは、雪や霜に触れることがあるため、ゴアテックスなどの防水透湿素材が人気です。
また、タッチスクリーン対応であれば、手袋を外さずにスマートフォンやタブレットを操作できます。さらに、焚き火をする場合は、断熱タイプの手袋がおすすめです。
くわえて、さまざまな道具類を用いた作業や、テントの設営などでも手袋を使うことが多いので、グリップ力も必要です。
保温性の高い帽子
ウールのニット帽・フリース素材の帽子・ビーニー・ヘッドギアなど、キャップよりも保温性の高い帽子が適しています。首や耳も覆うデザインなら、防寒性が増すでしょう。頭部を保温することで、全身のあたたかさが向上します。
機能性も大切ですが、デザイン性やカラーも考慮すると、スタイルのアクセントになります。ファッション性やかわいさを重視しながらも、寒さ対策のできるアイテムがよいでしょう。
軽量かつコンパクトなネックウォーマー
首元の冷え対策には、ネックウォーマーがよいでしょう。首元を保温することで多くの血流が巡り、全身が効率よくあたたまります。マフラーよりも軽量かつコンパクトなネックウォーマーのほうが動きやすくて便利でしょう。
数ある素材のなかでも、メリノウールや合成繊維製のフリースは保温性と放湿性に優れています。鼻や耳まで覆えるタイプや、フードつきのタイプなどデザインはさまざまです。服装に合わせてチョイスしましょう。
足首を保温するレッグウォーマー
寒いなかでもスカートでキャンプコーデを楽しみたい人には、レッグウォーマーがおすすめです。スリッポンやスニーカーのような短い靴のときは、足首が冷えるため重宝します。
足首だけを覆うタイプや、太ももまで覆うタイプなど種類が豊富です。かわいくコーディネートしましょう。
内臓を保護して冷えを防ぐ腹巻き
腹巻きをすることで、外から内臓を保護して冷えを防ぎます。気温が低いと、人は体の中心に血液を集めようとするため、手足が先に冷えます。腹巻きをしていれば手足が冷えにくくなるため、末端が冷えやすい人には欠かせないアイテムです。
着脱しやすいベルクロやジッパータイプなど、種類が豊富にあります。自分の体にフィットする使いやすいものを選ぶとよいでしょう。
腰回りをあたためるラップスカート
腰に巻きつけて着用する長方形のスカートです。ラップスカートは、腰回りの冷えを防ぐのに役立つでしょう。
キルティング・フリース・ボアなど生地の種類が多いのが特徴。また、丈の長さもさまざまです。着脱が楽なうえ、ひざ掛けやショールの代わりになるため、あると便利なアイテムです。
寒さ対策のコツを下記の記事でも紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
保温性・撥水性のあるボトムス
保温性の高いボトムスは、寒い気候において体温の低下を防ぎ、快適に過ごすための基本です。中わたやフリースライニングが内蔵されているもの、または熱を反射して保温する技術を利用したものなどがおすすめです。
撥水性のあるボトムスは、水分を弾き、濡れにくくなっています。これにより、雪が降る環境や湿地での活動でも、衣服内部が湿ってしまうのを防ぎます。また、これらのボトムスは通常、風を防ぐ機能も備えているため、冷たい風による体温の低下も防ぐことができます。
紫外線よけのためのサングラス
スキーやスノーボードではゴーグルを使用するのが一般的ですが、キャンプなど他のアクティビティではサングラスが便利です。
関連記事:寒いからこそ楽しい!冬キャンプを快適に過ごすおすすめ服装とアイテム!
キャンプでの服装で気をつけたいポイント
- 動きやすい服装を選ぶ
- 温度変化に対応できる重ね着をする
- 虫や紫外線から保護できる服装にする
- 焚き火に強い素材を選ぶ
- 汚れてもいい服装を選ぶ
- 冬のキャンプでは防寒グッズを用意する
動きやすい服装を選ぶ
キャンプでは、荷物を運んだりテントを張ったりなど様々な動きをする必要があるため、動きやすい服装を選ぶことが重要です。サイズが合わなかったり、着心地が良くなかったりする服は避けましょう。伸縮性がある素材は、フィットしやすいのでおすすめです。
温度変化に対応できる重ね着をする
キャンプ場によっては、日中と夜間の温度差が大きい場合があります。このような寒暖差に対応できるようなアウターやインナーの選択が重要です。また、予期せぬ天気の変化に迅速に対応できるように、着脱しやすい上着を携帯するのが望ましいでしょう。
虫や紫外線から保護できる服装にする
虫刺されや紫外線から肌をしっかりと保護できるような服装がおすすめです。長袖・長ズボンの着用を基本とし、足首までぬかりなく肌を覆うようにしましょう。
半袖や半ズボンを着る場合は、アームカバーやレギンスなどで肌の露出を少なくする工夫が必要です。肌の露出が少ない服装は、焚き火の火の粉によるヤケド対策にも有効です。
焚き火に強い素材を選ぶ
焚き火をする機会がある人は、コットンやウールのような熱に強い素材を選んでください。焚き火の火の粉による服の焦げ付きやヤケドを防げます。なお、ポリエステルやナイロンといった化学繊維は熱に弱く、火の粉で穴が開きやすいので避けましょう。
汚れてもいい服装を選ぶ
外でのアクティビティがメインのキャンプでは、汚れることを前提にした服装選びが重要です。自然のなかでの活動では、土・泥・煤(すす)などで服が汚れることがよくあります。また、枝に引っかかるなどして服が破れることもあるでしょう。日常生活で着ている服とは異なる観点で選ぶ必要があります。
ナイロンや厚手のコットンなどは耐久性が高いため、アウトドアアクティビティ向けです。また、汚れが目立ちにくい暗めの色や、カモフラージュ柄もおすすめです。さらに、着用後のお手入れが容易な素材を選ぶことも大切です。
冬のキャンプでは防寒グッズを用意する
キャンプでの防寒対策は、どの季節でも不可欠です。特に、夜間や早朝は気温が低下するため、寒さに備えることが重要です。防寒グッズを事前に準備することで、あたたかく快適に過ごせるでしょう。また、低体温症の予防もできます。
靴下やカイロは、寒さ対策に非常に有効です。特に、ウール製の厚手の靴下は保温性が高く、足元をあたたかく保てます。使い捨てのカイロは、ポケットに入れて手をあたためたり、寝袋の中に入れて保温したりするのに役立つでしょう。さらに、帽子や手袋、ネックウォーマーも防寒対策に有効です。
また、予備の防寒グッズを持っておくことも重要です。気温が急変したり、衣類を交換したりする必要が生じた場合に備えて、予備の防寒着を準備しておきましょう。キャンプに行く前に天気予報を確認し、予想される最低気温に対応できる防寒具を用意してください。
快適さを重視した女子キャンパーの服装
寒いからといっていろいろなものを着すぎると、キャンプでは動きにくく、不便さを感じます。あたたかさと動きやすさが得られ、快適にキャンプができるように、アイテムごとの選び方と素材について説明します。
あたたかさと動きやすさを備えた服の選び方
キャンプでは、キャンプ道具を設置したりテントを張ったりするため、動きやすさは大事です。あたたかさはもちろんのこと、楽に動ける服を選びましょう。
トップス
生地が硬くて伸びにくい素材は、動きにくくなるため避けましょう。肩や肘の部分は、ゆとりのあるデザインや、ストレッチがきいているものだとストレスフリーです。
また、軽くてスッキリとしたデザインなら、重ね着をしてもかさばりません。大きめのオーバーサイズは見た目がかわいく、なかに服を着込めますが、動きにくくなる場合があるので気をつけましょう。
裏起毛などの防寒性の高いワンピースは、大人女子が気楽に着られるアイテムです。幅広いシーンで重宝するでしょう。
ボトムス
保温性がありながら、ストレッチのきいたアウトドアパンツがよいでしょう。寒さによっては、裏起毛やキルトなど、中綿が入っているものであたたかさをプラスします。
定番のデニムやワークパンツ、なかにタイツを履いてもゆったりできるワイドパンツ、機能性が高いオーバーオールは動きやすいでしょう。また、レギンスやパンツと組み合わせれば、スカートも選択肢のひとつになります。
関連記事:【2024最新】冬のデイキャンプをおしゃれに楽しむ服装選びのポイント
冬のキャンプに適した保温素材の選び方
保温性に優れた素材は数多くあります。それらのなかから自分にマッチする素材を選ぶと、心地よく過ごせるでしょう。
ダウン
圧倒的に高い保温性と軽さが魅力です。なかの羽毛が冷たい空気をシャットアウトし、体温を外に逃がしません。
羽毛のふくらみ具合をあらわすFP(フィルパワー)の数値であたたかさが変わります。数値が高いほど保温性に優れているため、寒さが苦手な人はFPが高いものを選びましょう。600FP以上を目安にするのがおすすめです。
また、オーバーサイズだとあたたかい空気が逃げやすくなるため、体にぴったりのものが適しています。難燃素材を使用したダウンなら、焚き火での火の粉の影響をうけにくいでしょう。保温性を優先したい人は、ダウンを最有力候補にしてください。
ウール
羊の毛を原料とした、保温性・吸湿性・伸縮性に優れている天然素材です。とくに、オーストラリアやニュージーランドなどで飼育されているメリノ種の毛である「メリノウール」は、肌触りがバツグンです。肌着やセーターによく用いられています。
一方で、洗濯で縮みやすく、虫に食べられやすいといったデメリットがあります。着心地を重視したい人におすすめですが、保管方法に注意しましょう。
コットン
植物の綿が原料の天然素材です。肌触りがなめらかなので、ベースレイヤーに向いています。とくに、敏感肌の人に適しているでしょう。
また、通気性や吸水性がよいのにも関わらず、冬はあたたかさを保てるのがうれしい特徴です。さらに、難燃性が高いという魅力もあります。焚き火を頻繁にする機会がある人は、コットン製のアウターを選びましょう。
合成繊維
ポリエステル・ナイロン・アクリル・ポリウレタンなど、人工的につくられた繊維の総称です。なかでも、天然素材と組み合わせたハイブリッド素材は、機能面で優れており、非常に人気です。
保温性と耐久性があり、自宅で手軽に洗濯できます。また、やわらかな着心地で動きやすいのも魅力でしょう。さらに、天然素材よりも価格がお手頃なのも利点です。ただし、火に弱いというデメリットがあります。焚き火をするときは着用を避けるか、難燃性のウェアなどを羽織(はお)りましょう。
冬キャンプでおしゃれを楽しむ
あたたかくしながらおしゃれを楽しみたい!そんな女子キャンパーのためのワンポイントレッスンです。
トレンドを取り入れたキャンプコーディネート
アウトドアにもおしゃれさを取り入れたい人は、色使い・アイテム使い・シルエットを意識してみましょう。以下の8つを参考にしてみてください。
- カラーを3色以内にし、シンプルに統一する
- 好みの色やニュアンスカラーを差し色にして活かす
- その年のトレンドカラーや流行りものを取り入れる
- グラデーションやワントーンの同色系で、こなれ感を演出する
- バランスのよいシルエットでまとめる
- 小物やアクセサリーをポイントにする
- ブランドの系統を統一する
- 体に合った服を選ぶ
レイヤリングとともに上記のポイントを取り入れて、スタイリッシュで機能的なコーディネートを目指しましょう。
小物使いで差をつけるファッションの3つのポイント
服装がシンプルだとしても、小物使いのポイントをおさえておくと、全体のコーディネートが華やかになります。意識したいのは以下の3つです。
- 服のテイストを合わせる
- 服と反対色にして小物を目立たせる
- 柄物(がらもの)を取り入れる
同じ服装でも、小物次第で雰囲気がぐっと変わります。いろいろなアクセサリーで楽しみましょう。また、下記の記事では、トレンドを取り入れたキャンプコーデを紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
実践!冬の女子キャンパーの服装
日中と朝晩での寒暖差が大きい冬は、どのような服選びをすればよいのか迷います。冬のキャンプで寒い思いをしないような、気温に合わせた選び方や着こなし例を紹介します。
変わりやすい天気に合わせた服装の選び方
最低気温を基準に服装選びをしておけば、気温が大幅に変わっても柔軟に対応できるでしょう。冬の最低気温別にまとめているので、レイヤリングの参考にしてください。
最低気温10~15℃
最低気温が10~15℃の時期は季節の変わり目で昼夜の温度差が大きくなる時期でもあるため、体温調節が可能なレイヤリングが理想的です。
レイヤー | アイテム |
ベース | 薄手のウール・ヒートテック |
ミドル | フリース |
アウター | ジャケット・ウインドブレーカー |
ボトムス | チノパン・デニム |
アクセサリー | タイツ・レギンス |
最低気温が5〜10℃
天気にもよりますが、日中は快適に過ごしやすく、日が暮れると急に寒さを感じます。ミドルレイヤーをメインに調節し、快適に過ごしましょう。
レイヤー | アイテム |
ベース | メリノウール・合成繊維のインナー |
ミドル | セーター・トレーナー・フリースや薄手のダウン・ダウンベスト |
アウター | 防風性・撥水性のあるマウンテンパーカー |
ボトムス | 厚手のパンツ・厚手のスカート+保温性のあるタイツ |
アクセサリー | ニット帽・手袋・ネックウォーマー・レッグウォーマー |
最低気温が0〜5℃
日中でも寒く感じられるため、しっかりとした寒さ対策が必要です。
レイヤー | アイテム |
ベース | 厚手のメリノウール・合成繊維のインナー上下 |
ミドル | フリース・ダウン・セーター |
アウター | 防風性・撥水性のあるマウンテンパーカー |
ボトムス | 厚手のパンツ・裏起毛パンツ・ダウンパンツ |
アクセサリー | ニット帽・手袋・ネックウォーマー・腹巻き |
実際の環境や個人の体感温度によって感じる寒さが異なります。上記は一般的な目安としてとらえ、レイヤリングで調節をしながら着こなしましょう。
また、下記の記事では寒さ対策を詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
実際のキャンプシーンでの着こなし例
テント設営・食事・焚き火・夜の時間と、それぞれのシーン別での着こなし例をまとめてみました。
テント設営のとき
冬でも体を動かしているとあたたまるので、その日の気温に合わせてベースレイヤーとミドルレイヤーを調節します。さらに、防風・撥水のジャケットやコートを着て、寒風から体を守りましょう。寒い地域では指先が冷えやすいため、防寒性のある手袋が必須。また、帽子で頭部を保温し、体温が逃げるのを防ぎましょう。
食事のとき
保温性の高いフリースやダウンジャケットを着ます。気温が低くて寒いときは、その上からハードシェルなどのジャケットを着ると、あたたかさが逃げません。また、薄手の手袋をするなど、小物類を使って防寒をしてください。
長時間座ることが多い食事のときは、断熱性のあるシートやクッションを使用し、地面からの冷えを防ぎましょう。また、足元の保温のために、厚手のソックスやインナーを着用してください。
焚き火のとき
焚き火をする際は、アウター・ボトムスともに、コットンやウールなどの難燃性素材で作られたものを選びましょう。難燃性素材は、火の粉が衣服に触れた際に燃えにくいのが特徴です。
ポリエステルやナイロンなどの化学繊維製の衣服は火の粉に弱く、場合によっては燃えることがあります。そのため、焚き火をする際は着用を避けましょう。
また、手を保護するためには、耐熱性が高い手袋が必要です。焚き火の管理や料理の際に指先が自由に動かせるよう、柔軟性の高いものを選んでください。
寝るとき
冬キャンプでの就寝時の服装に関しては、寝袋の性能を最大限に活かすためにも、意外に思えるかもしれませんが、薄着が推奨されます。理由は、寝袋内での暖かい空気の循環にあります。薄着で寝ると、体から発生した熱が衣服を通過しやすく、寝袋の中綿を暖め温かい空気が寝袋内を循環するので、結果的に全体が温まりやすくなります。
厚着で寝る場合、体からの熱は衣服によって遮られがちです。特に風を通しにくい防寒着を着用している場合、発生した熱は衣服の中に留まり、寝袋の中綿まで届きにくくなります。これは寝袋の暖かさを最大限に引き出すことができないだけでなく、蒸れてしまう原因にもなります。
さらに、厚着では寝袋内での可動域が制限され、睡眠中の身体の動きが少なくなるため、朝起きたときに体が硬くなることや、疲れを感じることもあります。
冬のキャンプ服のケアとメンテナンス
シーズンごとに長く愛用するため、正しい手入れのやり方と上手な保管方法を知っておきましょう。
防寒服を長持ちさせるお手入れ方法
冬のキャンプで使用する防寒服を長持ちさせるには、適切なメンテナンスが必要です。以下のポイントに注意しましょう。
- 定期的に洗濯をする
- 専用の洗濯洗剤を使用する
- 熱を加えて撥水加工を補強する
- 干し方を工夫する
定期的に洗濯をする
定期的な洗濯が長持ちの秘訣です。見た目は一見きれいでも、外でご飯を食べたり、焚き火をしたりしたあとは意外に汚れています。これらの汚れは、洋服の保温性を低下させたり、生地を劣化させたりする原因となります。
汚れが蓄積すると、フィルパワー(膨張力)が失われ、保温性が低下します。また、ダウン製品は汚れが付着することで、通気性や撥水性に悪影響をおよぼす可能性があります。そのため、外で食事をしたり、焚き火をしたりした後の洗濯がとくにおすすめです。
使用状況にもよりますが、一般的にはシーズンごとに洗濯をしましょう。または、汚れが目立つようになったら、その都度洗濯をしてください。
専用の洗濯洗剤を使用する
ダウンやゴアテックスを用いたウェアを洗う際は、機能を損なわないために専用の洗剤を使用しましょう。また、洗濯表示を必ず確認し、メーカーが推奨する方法で洗濯をしてください。なお、品質に悪影響をおよぼす可能性のある柔軟剤や漂白剤は避けましょう。自宅で洗濯できないものは、クリーニングに出してください。
熱を加えて撥水加工を補強する
撥水性があるウェアは、熱処理をすると撥水効果が回復します。まず、アウターを洗濯・乾燥させ、表面をきれいにしましょう。油分などの汚れが付着していると、熱を加えても撥水効果が回復しにくくなります。
その後、ドライヤーを10cm以上離した状態で温風をあて、しっかりと乾燥させましょう。なおその際は、ボタン・ファスナーワッペン・プリントなどに温風が当たらないように注意してください。最後に、撥水スプレーを噴霧(ふんむ)すれば完了です。
なお、熱を加えてはいけない素材もあるため、洗濯表示をしっかりチェックしましょう。
長持ちさせる干し方
洗濯後は直射日光を避け、均等に広げた状態で日陰に干しましょう。ハンガーにかける場合は、かたよらないようにしっかりと広げてください。硬くなっている服があれば手で優しくほぐし、1か所にかたよらないようにしましょう。
外側が乾いたように見えても、内部がまだ湿っていることがあります。そのため、完全に乾燥するまで干し続けるのが大切なポイントです。しっかりと乾燥させきることで、生乾き状態による悪臭や劣化を防げます。
正しい保管方法で服を守るコツ
完全に乾いてから、通気性のある袋や箱、ハンガーに収納して保管しましょう。プラスチックの箱やビニール製の袋などは、湿気がたまってカビがはえやすいので避けてください。
長期間にわたって保管する場合は、直射日光が当たらない日陰に置きましょう。太陽光に含まれる紫外線は、素材の劣化や変色を引き起こす可能性があるため注意してください。
また、ダウンは長期間圧縮してしまうと、潰れて元に戻らなくなります。そのため、圧縮袋での保存は避けましょう。
下記の記事では、ダウンジャケットのメンテナンスの仕方を詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
冬キャンプの服装におすすめのファッションブランド
- ワークマン
- THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)
- GRIPSWANY(グリップスワニー)
- NANGA(ナンガ)
ワークマン
ワークマンは、もともとは作業着ブランドとして知られていましたが、近年では「ワークマン女子」や「ワークマンコーデ」といった流行語が生まれるなど、キャンプやアウトドアシーンでの使用にも注目を集めています。
ワークマンの大きな魅力の一つは、高品質ながらリーズナブルな価格のメリノウール製品です。メリノウールは保温性と調湿性に優れており、寒い冬のキャンプでも快適に過ごせます。通常は高価なメリノウール製品も、ワークマンでは安価な値段で手に入ることもあり、そのコストパフォーマンスの良さは特筆すべきです。
また、インナーからアウター、ソックス、靴に至るまで冬キャンプに必要なさまざまなアイテムが揃っています。耐久性に優れた作業着のブランドらしい丈夫な作りでありながら、ファッション性も兼ね備えており、アウトドアでの使用はもちろん、日常使いにも適しています。
THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)
ザ・ノース・フェイスは、アウトドアウェアから始まり、テント、シュラフ、バッグなどのアウトドア製品も幅広く展開しています。ザ・ノース・フェイスはその耐久性とデザイン性を両立させ、アウトドア愛好者から高い信頼を受けています。
通常使用での破損や機能低下が見られた場合でも修理が可能で、お気に入りのアイテムをメンテナンスしつつ長く愛用できるところも魅力の一つです。
GRIPSWANY(グリップスワニー)
GRIPSWANY(グリップスワニー)は、アメリカのワークグローブブランドとして170年以上もの歴史を持つ老舗ブランドです。
特にキャンプパンツなどは多くのキャンパーから支持されており、その実力は高く評価されます。
GRIPSWANYは、独自に開発した特殊素材である”ファイヤーシールド”を使用しており、これは難燃素材であり、自己消化性にも優れています。そのため、火の粉を受けても穴が開きにくい素材として知られています。この特性はキャンプなどのアウトドア活動において、火を使う場面や火気の危険がある場所で重宝されます。
さらに、GRIPSWANYはワークシャツやパンツなど、様々なアイテムに”ファイヤーシールド”を採用しており、その高い耐久性と実用性はキャンプシーンに特に適しています。アウトドアでの使用を想定し、機能性やタフさに優れた製品を展開しているため、キャンプ愛好者から注目されているブランドです。
NANGA(ナンガ)
NANGA(ナンガ)は、日本のアウトドアブランドで、滋賀県米原市を拠点としています。このブランドは、主に寝袋を中心とした製品を提供しており、その品質の高さで知られています。NANGAは、長年にわたり培ってきた羽毛の選定、洗浄、管理に関するノウハウを駆使し、クオリティの高い製品を製造し続けています。
このブランドが特に誇るのは、製品に使用される全ての羽毛が国内で洗浄加工されていることです。また、羽毛の吹き込みや縫製など、製品の各工程において熟練の職人が丁寧に作業を行っています。これにより、高品質で安心安全な製品が生み出されています。
NANGAの製品は、高い防水性を持ちつつ透湿性を損なわない素材を使用している点や、高機能な素材を活かしたアイテムに注目が集まっています。これらの特性は、アウトドア活動やキャンプにおいて優れたパフォーマンスを発揮します。
冬に適した服装で、寒い時期のキャンプを楽しもう!
今回は、女子にスポットをあてて、冬キャンプでの服装のコツを紹介しました。自分に合った素材選びをし、気温に合わせてレイヤリングをすれば、寒い冬のキャンプを快適に過ごせます。アクセサリーを上手に組み合わせるのもポイントです。トレンドを取り入れながら、自分なりのおしゃれを楽しみましょう。使ったあとのメンテナンスは忘れずに行ってください。また、現地の最低気温を事前に確認し、しっかりと準備しましょう。
Q&A
Q:冬のキャンプで女子がスタイリッシュに見える服装のコツは? A:保温性の高いベースレイヤーに、色や柄のあるミドルレイヤーをプラス。シックなフリースやモノトーンのニットが、おしゃれな印象を与えます。アウターは、トレンド感のあるデザインの防寒ジャケットやコートをセレクトします。また、ウエストが絞られたものは、女性らしいラインを強調できるでしょう。 Q:雪や雨の日のキャンプに適した、防水性を重視した服装は? |
ライター
yuki
幼少期からキャンプや釣り、スキーなどを楽しむアウトドアファミリーで育つ。10代後半は1人旅にハマりヨーロッパや北米を中心としたトラベラー期となる。現在もスキー、スノーボード、ダイビングなど海や山で活動中。「愛する登山」は低山から厳冬期の雪山まで季節問わず楽しむhike&snowrideなスタイル。お気に入りの山は立山連峰!Greenfield登山部/部長の任命を受け部活動と執筆活動に奮闘中。