ヴィーガンレザーとは
ヴィーガンレザーとは、動物性の原材料をつかわないレザーのことです。まだ明確な定義はありませんが、プラスチックをつかったフェイクレザーとは区別されることも。再生素材や植物由来のものをつかう素材に限定される場合もあります。
いずれにしても動物の革を用いないため、ヴィーガンはもちろん、環境や動物へ配慮する人々にも選ばれていますよ。欧米ではすでにハイブランドの商品にもヴィーガンレザーが登場。ヴィーガンレザー市場は、2026年までに898億米ドルに達すると見込まれるほど注目されています。
ヴィーガンレザーの種類
ヴィーガンレザーの種類にはどのようなものがあるのか見てみましょう。
石油由来のヴィーガンレザー
アニマルフリーという観点から、石油由来のフェイクレザーもヴィーガンレザーに含まれる場合があります。石油由来のレザーには合成皮革と人工皮革があり、いずれも従来からある素材ですよね。プラスチックやビニルといった人工の原材料がつかわれているのが特徴ですが、違いもあるので説明します。
合成皮革
織物や編物の生地をベースに、ポリウレタンや塩化ビニルの樹脂でコーティングしてつくられています。本革にはない豊富なカラーや柄が楽しめますよ。本革と比べると低価格でつくれるので、大量生産に向いているレザーです。
人工皮革
不織布にポリウレタンやナイロンの樹脂をしみこませ、重ねて層にしてつくられます。表面を樹脂でコーティングし、本革を再現した型で装飾されるため、本革に近い風合いが出るのが魅力です。
植物由来のヴィーガンレザー
サステナブルな素材として、近年とくに注目されているのが、植物由来のヴィーガンレザーです。石油由来のヴィーガンレザーに比べ、製造時に発生するCO2が少ないのが特徴。また、植物の廃棄する部分からつくられるものもあり、ゴミを再利用する点でもサステナブルです。
植物由来のヴィーガンレザーは種類が増えつつありますが、4つをピックアップして紹介しますね。
アップルレザー
りんごからできたヴィーガンレザーです。りんご由来の粒子には細かい隙間があるため、通気性にすぐれています。従来の合成皮革よりも色褪せにくいので、長くつかいたいバッグや財布にぴったりな素材です。
アップルレザーが生まれたきっかけは、りんごを加工するときに出る大量の搾りカスに、イタリアの発明家が注目したことから。廃棄される予定だったりんごの芯や搾りカスをパウダー状にして、樹脂と配合してつくられていますよ。
パイナップルレザー
パイナップルの葉が原材料です。本革にはない、麻や綿のようなやさしい色合いが特徴。水に強くて軽いので、スマホケースやポーチなどの小物に多く採用されています。
パイナップルの生産国であるフィリピンでは、その葉が大量に廃棄されていました。これにイギリスの企業が着目し、開発されたのがパイナップルレザーです。捨てるはずのパイナップルの葉を企業が農家から購入するため、農家にもベネフィットが生まれるサステナブルな素材です。
きのこレザー
きのこがもつ菌糸体を培養して生産します。きのこの菌糸体は数週間で成長するため、本革に比べて生産の効率がよいのが特徴です。手触りが牛や羊の革に似ていることから、注目を集めていますよ。
2021年のパリコレクションでは、ファッションブランドの「ステラ・マッカートニー」のランウェイできのこレザーが主役になりました。さらに、スポーツブランドの「アディダス」も、きのこ由来の「Mylo™」という素材をスニーカーに採用していますよ。
この記事を書いた人
Greenfield編集部
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