テント泊登山に憧れていても、ザックの重さが心配、トイレが不安などで、踏み出せないという方は多いでしょう。初めてのテント泊登山は、場所の選び方が大切です。どこがよいのかわからないという方のために、選び方のポイントとおすすめのテント場を紹介します。

登山のテント場を選ぶときのポイント3つ

登山 テント泊

初めてのテント泊登山で、行き先を選ぶときに覚えておきたいポイントを3つ挙げます。

①登山口から近い

下山まで体力を維持するために、最初は登山口から短時間で行けるテント場を選んでみてください。

日帰りと違って、テント泊では荷物が増えます。たとえば、テントにシュラフ、防寒着、食料、水などの重い荷物を背負って、長い時間歩くのは想像以上に疲れるでしょう。

初めてのテント泊を楽しむためには、頑張りすぎないのが大切なポイントです。

②テント場の近くに山小屋がある

山小屋近くのテント場なら、テント泊用に整備されています。トイレや水場だけでなく、売店や食堂、お風呂があるところも!

ただし、テント泊料金とは別に費用がかかる場合があるので、事前に確認しておいてくださいね。

③テント場からピークハントも目指せる

体力に自信がある方は、テント場を拠点に山頂を目指すのもおすすめです。テント場に重い荷物を置いていけば、身軽に行動できますよ。

とはいえ、テント場から山頂まで、往復で数時間かかるところもあります。初めてのテント泊登山の場合は、無理せずテント場でゆっくり過ごしましょう。

以下の記事でテント泊登山の流れや、あると便利なアイテムなどを紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

テント泊で登山の魅力を広げよう!テント泊登山の魅力と流れを解説

 

テント泊デビューにおすすめのテント場5つ

初めてテント泊登山をする方に向けて、おすすめのテント場を5つ紹介します。

①北アルプス:雷鳥沢キャンプ場(富山県)

登山 テント泊

立山縦走への拠点となるテント場です。立山黒部アルペンルート「立山室堂」駅から歩いて約1時間で到着。立山連峰を見渡せる、絶景のテント場です。

平地なのでテントが張りやすく、テント泊が初めての方でも比較的楽に設営できるでしょう。男女別のトイレや、水場(要煮沸)もあります。周辺の山小屋には売店や温泉があり、別途料金を払うと日帰り入浴ができますよ。

中級者以上の方なら、テント場を拠点に、立山三山への登山に挑戦してみてはいかがでしょうか。

テント場は予約不要の先着順ですが、人気のテント場なので、時期によっては混みあうことも。テント泊料金は1泊1名につき1,000円、小学生以下は無料です。

雷鳥沢キャンプ場

②北アルプス:小梨平キャンプ場(長野県)

登山 テント泊

上高地バスターミナルから徒歩約10分と、好アクセスのテント場です。水場やトイレはもちろん、食堂・売店・ゴミ捨て場・お風呂もあり、テント泊デビューの方にぴったり。別料金ですが、小梨平食堂で食事をとり、小梨の湯で汗を流せば、疲れた体も癒されますよ。

キャンプ場の利用には、決められたルールがあり、受付時に誓約書へのサインが必要です。焚き火やBBQは禁止されていますが、炊飯棟内なら調理できます。

焼岳への日帰り登山をする場合は、コースタイムが往復7時間半ほどと長いため、あえて登山をしないで、上高地観光を満喫するのもおすすめ。テント泊料金は1泊1名につき大人1,200円、子供800円です。

小梨平キャンプ場

③中央アルプス:木曽駒ヶ岳 頂上山荘テント場(長野県)

登山 テント泊

駒ヶ岳ロープウェイを使って、標高2,612mの千畳敷駅まで行き、歩いて1時間半ほどで頂上山荘に到着します。

テント場は頂上山荘のすぐ前。頂上山荘でランチを食べたり、売店でオリジナルグッズを見たりと、山小屋付近で楽しめるのもうれしいポイントですよね。

テント場から木曽駒ケ岳山頂までは、コースタイム片道20分ほどです。頂上からは北アルプスや南アルプスの山々など、360度の絶景が広がるので、行ってみる価値ありです。山頂は広々としているので、夕日や朝日を眺めながらゆっくり過ごせますよ。

テント場は予約制ではありませんが、頂上山荘内で受付をすませましょう。頂上山荘の営業時間外や時期によっては、手前の宝剣山荘での受付となる場合があるため、事前に確認してみてください。

テント泊料金は1泊1名につき2,000円で、頂上山荘内のトイレと飲料水の利用料金が含まれます。

頂上山荘

④北八ヶ岳:青苔荘テント場(長野県)

登山 テント泊

白駒池登山口から木道を歩いて約15分、「白駒の池」ほとりにある青苔荘の前のテント場です。神秘的で美しい白駒の池周辺は、苔の森が広がり、苔好きな方にもおすすめ。水場はもちろん、山小屋には珍しく水洗トイレもあります(トイレは初回のみ200円の協力金が必要)。

テント場から池沿いに10分ほど歩くと、「白駒荘」があります。野菜をたっぷり使ったランチや、美味しいデザートがいただけますよ。

体力に余裕があれば、テント場に荷物を置いて、ニュウや北八ヶ岳などの山歩きも楽しめます。ニュウまでのコースタイムは往復3時間半ほどです。

テント泊は完全予約制で、1泊1名につき大人1,000円、子供850円(当日14時~翌日9時までの料金)。早めに到着してテントを張ったり、翌日の撤収が遅くなったりする場合は、追加料金が発生するため注意してください。

苔の森 青苔荘

⑤奥秩父:笠取小屋テント場(山梨県)

登山 テント泊

作場平口駐車場の登山口から徒歩約2時間、笠取小屋の裏にあるテント場です。平坦な芝生のため、初心者でもテントの設営がしやすいのが魅力。樹林帯にあるので風の影響を受けにくいのも特徴です。

バイオトイレが完備されていて、環境への配慮が感じられます。小屋から2分ほど下れば、美味しい湧き水を汲むことができますよ。食事に使えるテーブルと椅子があるのも便利ですよね。

笠取山の山頂までは、コースタイムで登り1時間半ほどです。天気がよければ、山頂から富士山が見えることもあります。

テント泊は事前に電話予約が必要で、笠取小屋は週末のみ管理人さんが常駐します。テント泊料金は1泊1名につき700円と、ほかのテント場に比べると価格が控えめなのもうれしいポイントです。

笠取小屋

笠取掲示板
笠取小屋の営業情報などが確認できます。

※この記事の情報は内容が変更される場合もありますので、最新の情報はリンク先のHPで確認してください。

初めてテント泊登山に行く方のために、場所選びのポイントと、おすすめのテント場を紹介しました。日帰りと違って、山でゆっくり過ごせるのもテント泊登山の魅力ですよね。山に泊まるからこそ見られる景色や、山ごはんづくりなど、新鮮に感じることが多いでしょう。一度行くと「次はどこの山に泊まろう」と考えるのも楽しくなりますよ。

ライター

Greenfield編集部

自然と向き合い、環境に配慮しながらアウトドアスポーツを楽しむ人に向け、自分や周囲のウェルビーイングの向上につながる情報をお届けします。