登山のルートや小屋での過ごし方、頂上アタックなど、気になる海外登山の詳細をご紹介します。また、ボルネオ島では山以外にも豊かな自然を堪能する楽しみ方が沢山あります。南国の楽園、ボルネオ島をまるごと楽しみましょう!
キナバル山登山
ティンポホンゲートからスタート!
キナバル自然公園のPHQ(公園管理事務所)から車両で移動し、標高1,866mのティンポホンゲートから登山が始まります。
初日は宿泊小屋のラバンラタレストハウスまで約6㎞、5~6時間程の行程です。
小さな滝や固有種のランやシダなど、亜熱帯ならではの植生を楽しみながら、鬱蒼としたジャングルの中を進んでいきます。
ウツボカズラの群生している箇所や珍しい植物などもあるので、ガイドの案内を聞きながら歩くと楽しいでしょう。
道中は木道や階段が整備されていて危険な箇所はなく安心して歩くことができますが、露で濡れてぬかるんでいるため不安定な箇所も多いので十分に気を付けて歩きましょう。
トレイルは一本道なので迷う事はありません。
また、1km毎に屋根のあるシェルターがあり休憩する事ができます。シェルターにはゴミ箱が設置されていて、水洗トイレの汚水はパイプで送られ下界で処理されるなど環境に配慮されています。
標高3,000mを越えると木々は低くなり視界が開け、岩場が増えてきます。
高山病の症状が出てくる標高でもあるのでゆっくりと進みましょう。足場の悪い所には鎖がついていますのでご安心を。
急斜度の岩場を越えると宿泊地のラバンラタレストハウス(標高3,272m)に到着します。
ラバンラタレストハウス
宿泊するラバンラタレストハウスは標高3,272mにある雲上の山小屋です。
立派な外観の建物は2階建てで、1階は食堂と売店、2階がドミトリータイプの部屋になっています。
小屋に到着し受付を済ませたら、ガイドとは別れフリータイムとなります。
売店には缶ジュースやスナックなども充実していて、簡易的な防寒具も販売しています。
夕食はビュッフェスタイルとなり、種類豊富なおかずや麺類、新鮮な野菜やフルーツもたくさん置いてあり、山の中とは思えない程充実しています。
ここにある物資の全ては歩荷で荷揚げしていて、お陰で不自由なく山小屋生活を送ることができます。
高所の影響もあるので食べ過ぎに注意しながら雲上のレストランを楽しんでください。
ベッドには清潔なシーツと毛布が用意されていて、快適に過ごす事ができます。
備え付けの寝具に持参の防寒具で十分ではありますが、寒さが心配な方は寝袋を持参すると安心です。
温水のシャワーもありますが、お湯の温度も不安定なので高所の影響を考えると浴びる事はおすすめしません。
翌日はトーストなどの軽食をとり、深夜2時頃に出発します。
初日の登りでの疲れをしっかりと癒し、頂上アタックへと備えましょう。
頂上へアタック!
深夜2時過ぎ、ガイドと合流したらいよいよ山頂を目指して出発します。
小屋を出てすぐに狭い階段の登りとなり登山者が一斉にスタートするので混み合います。自分のペースを守りながらゆっくりと登りましょう。
森林限界を越え、1時間半ほど急登を登るとチェックポイントのサヤサヤ小屋(標高3,668m)に到着します。ここでIDのチェックを受け、最後のトイレを済ませます。
サヤサヤ小屋を越えると傾斜は緩やかになり、目の前に大きな岩盤がそびえるのが見えるでしょう。
岩盤の上を登りきると広大な一枚岩の上部に到達します。
足元のロープを目印にしながら山頂を目指しましょう。
日が昇りはじめ、辺りが明るくなると周囲に広がる奇岩の景色に驚くことでしょう。
キナバル山の上部は幾つものピークが連なり特徴的な景観を造り出しています。
槍ヶ岳の穂先のような岩峰が印象的なサウスピークを横目に進んでいくと、最高峰のロウズ・ピーク(標高4,095m)に到着します。
登り切った後、頂上から眺める朝焼けに感動もひとしおでしょう。
登頂した後は同じルートを下り、ラバンラタレストハウスで朝食をとった後に下山していきます。
2日目は800mを登り、その後一気に2200m下り、行動時間は12時間を越える長丁場となります。
下りでは疲労も溜まり転倒などの怪我が起こりやすいので注意して下山しましょう。
下山後、公園事務所では立派な登頂証明書を受けとる事ができます。
名前や日付が印字されていて、4,000峰登頂の記念になる嬉しいサービスです。
ボルネオ島の楽しみ方
山に海にと自然の宝庫!
ボルネオ島はキナバル登山だけでなく、豊かな自然と触れ合えるアクティビティも多く、近年ネイチャーリゾートとしても人気が高まっています。
マレー語で「森の人」を意味するオランウータンはボルネオ島とインドネシアのスマトラ島の一部にのみ生息していて、現在では絶滅危惧種に指定されています。
ボルネオ島では、コタキナバルのワイルドライフパークや島西部のセピロック保護区などでその貴重な生態系を見ることができます。
また、コバルトブルーの美しい海が広がるビーチリゾートも人気です。
コタキナバルから程近いトゥンク・アブドゥル・ラーマン海洋公園では手軽にマリンスポーツを楽しむ事ができ、シパダン島などのボルネオ島北東部の島々は世界的にも有数なダイビングポイントです。
他にも鍾乳洞や洞窟が点在するグヌン・ムル国立公園や野生動物に出会えるキナバタンガン川でのリバークルーズなど、豊かな自然を体感する数多くのネイチャーツアーが存在します。
せっかくボルネオ島まで来たならば、是非多くの自然に触れ合ってみてください。
日本で経験出来ない4,000m峰へ登ってみたい!と思う方はぜひ、キナバル山へ挑戦してみてください。日本から短い日程で訪れることができるのも魅力の一つです。頂上から見るご来光や、ボルネオ島の豊かな大自然での経験はきっと忘れられないものになるでしょう。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。