冬キャンプで快適な眠りのために欠かせないマットや寝袋。とくにマットは地面からの冷気をシャットアウトしてくれる重要なアイテムです。そこで今回は、冬キャンプに使用するマットのR値について詳しく解説していきます。
キャンプマットのR値ってなに?
R値というのは、地面などからの冷気を遮断する能力を数値で表したものです。
Thermal resistance value(熱抵抗の値)を短くしたもので、ASTM International(米国試験材料協会)と、さまざまなアウトドアメーカーとが共同でおこなっている世界最大規模の規格制定機関です。
国際的ではありますが、アメリカ由来の規格ということで、日本国内のアウトドアメーカーで採用しているところはまだ少ないようです。
R値を選ぶ目安は?
R値は、R値1.0というふうに表示され、数値が高いほど断熱性能が高くなります。
初夏から夏、晩夏にかけて | R値1.0以上 |
春と秋 | R値2.0以上 |
冬 | R値3.0~5.0以上 |
R値は足し算ができる
R値は断熱性能を表す単位で、足し算する(マットを重ねる)ことができます。たとえば、R値2.0のマットにR値3.0のマットを重ねるとR値5.0となります。
冬キャンプに使用するマットはどれがおすすめ?
キャンプに使用するマットは大きくわけて3種類あります。
- クローズドセル
- インフレータブル
- エアー
耐久性や持ち運びの利便性、使用する際の手軽さなど、それぞれ特徴があるので以下で項目別にまとめます。
クローズドセル(EVAフォームマット)
もっともキャンプで使用することが多いのがクローズドセルです。軽くて折りたたむことができるので持ち運びにも便利です。
また、比較的安価であるところもクローズドセルの特徴。R値が低いものが多く、冬キャンプには不向きとされています。
インフレータブル
インフレータブルというのは、フタをあけることで空気が入り膨らむマットです。勝手に膨張してくれるので空気を入れる手間がはぶけるメリットがあります。
しかし、比較的高価で破れたら使いものにならないというデメリットも。R値4.0程度のものが多いため、冬キャンプにも適しています。
エアー
エアーはその名の通り空気を入れて使用するタイプのマットです。空気だけでなく中に化繊の中綿やダウンが入ったものもあり、R値5.0以上の高いものが多いため、冬キャンプにおすすめです。
冬キャンプに適したマットはこちら
冬キャンプに適したおすすめのマットを紹介します。
SEA TO SUMMIT(シートゥサミット) コンフォートプラスS.I.マット
フタをとるだけで自動膨張するインフレータブルのマット。収納サイズは直径17cm×26cmと非常にコンパクトになるため、冬キャンプはもちろんのこと、冬山登山用のマットとしても最適です。
マットのタイプ | インフレータブル |
R値 | R値:4.1 |
EXPED(エクスペド)シンマットHLウィンターM
マイクロファイバーの断熱材により優れた断熱性能を持つマットです。おもに冬山登山用に開発されたもので、価格は高めですが冬キャンプを快適にしてくれることでしょう。
マットのタイプ | エアー |
R値 | R値:5.2 |
THERMAREST(サーマレスト) アウトドア マットレス ネオエアー Xサーモ R値6.9
「ネオエアー」シリーズの最上位にくるエアマットです。4枚もの熱反射板をはさんだ構造で、驚異的なR値6.9。冬キャンプであたたかくて快適な睡眠ができそうです。
マットのタイプ | エアー |
R値 | R値:6.9 |
NEMO(ニーモ・イクイップメント) テンサーアルパイン
冬山登山用に開発されたNEMO登山用エアパッドの最高峰モデル。3枚のメタライズド断熱フィルムをはさみこみ、空気の対流をおさえる独自の設計が特徴です。
厳冬期の高所登山を想定していますが、冬キャンプ用のマットとしても最適。
マットのタイプ | エアー |
R値 | 表記なし |
EXPED(エクスペド) Ultra 7R M
ダウンが入ったエアーマット。R値7.0という驚異的な断熱性能を持ちます。700 Fill PowerのRDSダウンを使用した断熱材で、どんな寒い天候でもユーザーの体温を暖かく保ちます。
マットのタイプ | エアー |
R値 | R値: 7. |
プラスアルファの寒さ対策でよりあたたかく!
どれだけ冷気を遮断するマットを使用しても、それだけでは寒さ対策になりません。プラスアルファの寒さ対策を紹介します。
コットやラグなどを併用する
マットとグランドシートとの間に、コットやラグ、ブランケット、銀マット、ダンボールなどをはさむと、地面の冷気を遮断する能力が高くなるので、よりあたたかくなります。
あたたかいシュラフを選ぶ
冬キャンプで快適な睡眠をえるためには、性能の良いあたたかいシュラフを選ぶことが重要です。
おすすめのシュラフ Defence 4 Carinthia
フィンランドの極寒地域遠征軍が採用しているシュラフ。下限温度マイナス15度、極限温度マイナス35度というとてもあたたかいシュラフです。
予備のシュラフを用意して寒さにそなえる
メインのシュラフ以外に、大き目の封筒型シュラフをそなえて、寒い場合には二重にするという方法がおすすめです。二重にすることで空気の層ができ、よりあたたかくなります。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。