ドリフトダイビングの潜り方
ドリフトダイビングとは、潮流のあるスポットで流れに身をまかせて潜るダイビングスタイルのこと。
マンタやイソマグロ、ハンマーヘッドシャークといった大物回遊魚との遭遇率が高いことで中上級者ダイバーから人気があります。
ドリフトダイビングに特別な資格は必要ありません。オープンウォーターライセンスのあるダイバーなら誰でも参加できます。
とはいえ、潜行や浮上をはじめ、安全停止のやり方、セーフティー器材の使い方など、普段のダイビングとは異なるスキルが必要になります。とくに完璧な中性浮力コントロールは不可欠なスキルのひとつです。
そのため義務ではありませんが、ドリフトダイビングに挑戦するなら、安全のために30本以上の経験があるアドバンスダイバー以上の有資格者であることが望まれます。
ドリフトダイビングに必要なスキル
ここからは、ドリフトダイビングに必要なスキル、潜行や浮上、安全停止などについて、詳しく解説していきます。
スムーズな潜降方法
一口にドリフトダイビングと言っても、ドロップオフ沿いを流す潜り方やチャネル内を流す潜り方のほか、ブルーウォーターダイビングのように何もない中層を流すなど、さまざまなスタイルがあります。
そのため、スポットによってエントリー・潜降方法が異なります。また、同じスポットでも潮の状況によってエントリーや潜降方法が変わる場合もあります。
たとえば、流れの速いポイントでは、BCのエアを抜いてエントリーし、そのまま一気にヘッドファーストで潜降するケースなどもあります。
ラインを使って潜降するパターンもありますが、耳抜きができずにモタモタしていたら、流れがあるためグループとはぐれてしまうこともあるので、スムーズに潜降できるスキルが不可欠です。
耳抜きが上手く出ないなど潜降に不安のある人は、しっかりと練習を積んでおきましょう。以下の記事も参考にしてください。
関連記事:耳抜きが苦手な人必見!ダイビング中の耳抜きのコツと自宅での練習法
浮力コントロールとフィンワーク
ドロップオフに沿って流すドリフトダイビングでは、一定の深度をキープすることが大切。そのため深度をオーバーしない浮力コントロールは必須のスキルです。
流しているときは基本的にフィンキックをする必要はないので、バランスを取るようにフィンを使うのが良いでしょう。
また、流れに対抗して泳ぐことはありませんが、流れの中でのあおり足や細かいフィンワークの使い方、流れに対するストリームラインなどの姿勢を意識することも重要です。
浮力コントロールに関しては以下の記事も参考にしてください。
関連記事:ダイビングで中性浮力を取るコツ!3つのポイントで簡単スキルアップ
安全停止と浮上方法
安全停止中はガイドがシグナルフロートを水面に出すので、そのままガイドを中心にグループでまとまるようにします。もちろん、この時もしっかりと一定の深度をキープしなければいけません。
浮上のサインが出たら、近くにピックアップボートが来ているので頭上を確認しながらゆっくりと浮上します。
水面に出たらグループがバラバラにならないように、まとまってエキジットを待ちます。ボートからフロートが出された場合は、必ず掴まって待ちましょう。
ドリフトダイビングに必要なアイテム
次に、ドリフトダイビングで必要になる安全アイテムとその使い方について紹介していきます。
流れのある場所で体を固定させるカレントフック
レントフックは、流れのある水中で体を固定させるためのアイテム。写真や動画を撮るときに便利です。
1.5~2mほどのロープの先に、シングルフックの大きな釣り針のような金具が付いています。一方はカラビナが付いているのでBCDに固定します。
ボートに自分の位置を知らせるシグナルフロート
ダイバーの泡を見ながら追走しているボートに、浮上直前に水中から打ち上げて、位置を知らせるためのアイテムです。
通常、グループを引率する水中ガイドがシグナルフロートを使いますが、グループとはぐれてしまったアクシデントを想定して、ダイバー全員が携行することが推奨されています。
音で自分の位置を知らせるホイッスルやアラート
水面に浮上したとき、大きな音でボートに自分の位置を知らせるためのアイテムです。ホイッスルやBCDのインフレーターホースに接続するアラートがあります。
アラートには水中で音が鳴るタイプもあるので、必要に応じて最適なものを選びましょう。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
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