クライミングインストラクターの仕事
クライミンインストラクターの中には、ジムオーナーやスタッフ、ルートセッターからクライミングスクール講師など、マルチに活躍している方が多くいます。
時に命に関わる大きな事故が発生することもあるクライミング。安全に楽しむためには的確な指導力と、リスクマネジメントできる能力を有している存在が必要不可欠です。
高いクライミングスキルがあるのはもちろんのこと、緊急時における応急処置など専門的な知識を持っているクライミングインストラクターが携わるフィールドは、利用者にとっても安心してクライミングに打ち込める環境になっているもの。
クライミングインストラクターのはたらきが、クライミングをより身近なスポーツへと発展させた要因となっているのかもしれません。
クライミングインストラクターとボルダリング・ツリークライミング等関連資格との違い
前述した通り、クライミングインストラクターは安全にクライミングを楽しむための、指導能力の面にフォーカスされた専門資格。
有資格者はクライミングにおけるインストラクター業務を有償で行うことが可能となります。
クライミング関連資格が複数あるだけに、どういった違いがあるのか把握できていない方も多いはず。それぞれの資格ごとの特徴についても、確認していきましょう。
※クライミングのフィールドともなる山岳ガイド資格については、下記の記事をご覧ください。
「山岳ガイド」or「登山ガイド」!?日本の山の資格を考察!
山のプロフェッショナル♪山岳ガイドに必要なガイド資格ってどういうもの?
コンペとは違ったクライマーの目標指針【ボルダリング検定】
ボルダリング検定は、日本クライミングジム連盟によりボルダリング能力の認定資格として位置づけられたもの。
平山ユージ氏らを迎えてグレードシステムについての協議及び検定シミュレーションが行われており、クライマーにとってはコンペとは違った角度でボルダリングに打ち込む新たな目標指針として注目されています。
コンペや外岩にあまりモチベーションが見出せないという方も、ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。
大会賞金やスポンサー収入?狭き門の【ボルダリングプロ】
多くのクライマーにとって、ボルダリングプロは憧れの存在でしょう。
ボルダリングプロには、基本的に企業からのスポンサーがついており、 イベント出演や大会賞金などの収入が活動のベースとなっているようです。
幼少期からクライミングを始めて大会実績を積み重ねている有力選手たちが名を連ねている通り、ボルダリングプロへの道のりは非常に険しいもの。
飛び抜けたクライミングスキルと、それを証明する勝負強さ。日々過酷なトレーニングを継続していける高い情熱を持った、一握りのクライマーしか到達できない狭き門といえるでしょう。
自然の樹木を相手にする【ツリークライミング資格】
本来ツリークライミングは樹木の管理保存を目的に培われた技術で、アメリカで発祥しました。専用の安全器具を用いて樹木を登り、自然との一体感が楽しめるレクリエーションとなっています。
ツリークライミングジャパンにて資格制度が設けられており、年齢やツリークライミング経験によってそれぞれカテゴリーが分類されています。
指導者を志す方やイベント開催を行う場合は、より高いレベルが求められるようです。
クライミングインストラクター試験とは?資格取得までの道のり
公益社団法人日本山岳ガイド協会の資格制度であるクライミングインストラクター。
ボルダリングジムなどで働く場合は資格取得が絶対条件ではありませんが、クライミングインストラクターとして高いレベルの専門知識を有していることで、講師業やジム経営など独立の道も選びやすくなってきます。
今後は更なるクライミング人口の増加が予想されるため、クライミングインストラクターの需要も高まっていくことでしょう。
ここでは、資格の主な概要について解説していきます。
インドアクライミング・インストラクター
国内の人工壁を対象として、ボルダリングやリードのインストラクター・コーチ・講師を有償で行える資格。
受験資格
- 満20歳以上で、クライミングの経験が3年以上
- 人工壁において、5.11c 以上のレッドポイント30本以上、および5.11a 以上のオンサイト20本以上の経験を有する者。
取得方法
- 書類審査、実技、筆記試験、検定試験の合格、レスキュー技術など各種講習の受講
スポーツクライミング・インストラクター
国内の人工壁及び、ガイドブック等に掲載のクライミングエリアにおいて、ボルダリングやシングルピッチのスポーツルートにおけるインストラクター・コーチ・講師を有償で行える資格。
受験資格
- 満20歳以上で、クライミングの経験が3年以上
- インドアクライミング・インストラクターの技術水準に加えて岩場において、スポーツルートで5.11c 以上のレッドポイント30本以上、および5.11a 以上のオンサイト20本以上。トラッドルートで5.10aの完登5本以上の経験を有する者。
取得方法
- 書類審査、実技、筆記試験、検定試験の合格、レスキュー技術など各種講習の受講
※インドアクライミング・インストラクター試験にクライミング技術と安全管理・セルフレスキュー技術が追加。
フリークライミング・インストラクター
国内の人工壁及び、ガイドブック等に掲載のクライミングエリアにおいて、ボルダリング・シングルピッチ・マルチピッチのインストラクター・コーチ・講師を有償で行える資格。
※一部クライミングエリアを除きます。
受験資格
- 満20歳以上で、クライミングの経験が5年以上
- 人工壁において5.12a以上のレッドポイント30本以上、および5.11c 以上のオンサイト20本以上。
- 岩場においてスポーツルートで5.12a 以上のレッドポイント30本以上、および5.11c 以上のオンサイト20本以上。トラッドルート5.10c以上の完登10本以上。5ピッチ以上のマルチピッチルートを10本以上※5.9以上を3ピッチ以上含み、全体の5割以上はリードしていること。(ソロは除く)完登している10本のうち5本以上はトラッド主体のルートであること。上記の人工壁・岩場を完登している経験を有する者。
取得方法
- 書類審査、実技、筆記試験、検定試験の合格、レスキュー技術など各種講習の受講
※スポーツクライミング・インストラクター試験にマルチピッチクライミングとワークレスキュー技術が追加。
詳細については公益社団法人日本山岳ガイド協会HPをご参照ください。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。