レスキューダイバーになろう!
レスキューダイバーはダイビング中に起こりうるさまざまなトラブルを予防し、何かしらのトラブルが発生したときでも的確に対処ができるスキルを身につけるコースです。
また同時に、日常生活のなかでも役に立つさまざまな救急法も学ぶことができます。
アドバンスオープンウォーターまでは「自分のことを自分で管理できるダイバー」でしたが、ダイバーのトラブルにも対応できる「より良いバディになれる」ように経験を積んでいきます。
レスキューダイバーコースの参加条件
ダイビング指導団体PADIの場合、レスキューダイバーコースはアドベンチャーダイバー以上または同等の他団体Cカード取得者が対象になります。
経験本数などの条件はありませんが、できれば20ダイブほどの経験を積んでから参加することをおすすめします。
また、レスキューダイバーの認定条件として「EFR(エマージェンシー・ファースト・レスポンス)」 と呼ばれる緊急時における救命救急法プログラムを修了していなければいけません。
このEFRでは、AED(自動体外式除細動器)の使い方や、CPR(心肺蘇生法)の方法などが学べるので緊急時でも役に立つこと間違いありません。
- 参加条件:アドベンチャーダイバー以上、または同等の他団体Cカード取得者、かつEFRプログラム修了者であること。
- 講習内容:学科試験+海洋実習2日間以上
レスキューダイバーコースの講習内容
レスキューダイバーコースの講習内容が気になっている人も多いのではないでしょうか。なかには、2004年に大ヒットした映画「海猿」で描かれた潜水士たちの厳しい訓練をイメージしている人がいるかもしれません。
もちろん「海猿」のような厳しいトレーニングはありませんが、講習では事故者を運搬したり、海から陸へ引き上げたりと、それなりの体力が必要なので、いささかハードな面があることも事実です。
ですが、事前に陸上や水面でしっかりと説明を受け、バディと力を合わせて問題を解決するノウハウが学べるので、体力に自信のない人でもとくに心配する必要はありません。
講習を受講したダイバーの中から「キツかった」といった声も聞こえてきますが、それでも「受けて良かった」とほとんどのダイバーが満足しています。
講習で学ぶトラブル対処法
レスキューダイバーコースで学ぶいくつかのトラブル対処スキルを見てみましょう。
陸から溺れている人を救助する方法
陸から溺れている人を発見した時、陸上から浮き輪などの浮力帯を投げて救助する方法を学びます。
疲労したダイバーを水面でアシストする方法
水面で疲労して自力では泳げないダイバーを、効率よくエキジットポイントまで牽引していくテクニックを学びます。
パニックになっているダイバーを救助する方法
水面で溺れてわれを失っているダイバーにうかつに近づくのは大変危険です。パニックダイバーを安全に救助するテクニックを学びます。
水面で救助者に人工呼吸をしながらアシストする方法
呼吸が停止しているダイバーに水面で人工呼吸をしながら牽引していくテクニックを学びます。
水中で意識不明ダイバーを発見した時の対処法
水中で意識不明になっているダイバーを発見した時、安全に水面まで浮上させるテクニックを学びます。
トラブルを想定したシナリオに挑戦
レスキューダイバーコースで身につけたさまざまレスキュースキルを使って、実際のトラブルを想定したシナリオに挑戦します。レスキューダイバーコースの最後の課題です。
レスキューダイバーコース受講で得られるもの
レスキューと聞くと「トラブルに遭っている人を救助する」ことだと考えている人が多いと思います。
もちろん、レスキューダイバーコースではダイビング中にトラブルに遭っている人を助けるテクニックを学びますが、決してそれだけではありません。講習で得たさまざまな知識やテクニックは、自分が安全に潜るためのスキルを学ぶことでもあるのです。
レスキューダイバーコースを受講することで、安全ダイビングへの意識が高まり、ダイバーとして大きな自信につながるでしょう。