川遊びは危険?溺れやすい4つの理由
ここでは、川遊び中に水難事故が起こる理由を、4つ説明します。
①海に比べて浮力が小さい
川は海に比べて浮力が小さい点が、溺れやすい理由のひとつです。水に塩分が混ざると、浮力が大きくなるという特徴があります。海水が塩分を含むのに対し、川には塩分が含まれていないため、体が浮きにくいでしょう。
また、岩や落差によって白く泡立っている、ホワイトウォーターと呼ばれる場所も浮力が小さいので、注意が必要です。ホワイトウォーターには40〜60%の空気が含まれており、物体の浮力を奪います。
堰(せき)の下やテトラポッドなどの人工物付近は、リサーキュレーションという縦方向の渦に注意しましょう。縦方向の渦だけでなく、ホワイトウォーターも発生している場合があるため、十分な浮力を得られません。
②水流による動水圧で泳ぎにくい
動水圧と呼ばれる、水流によって生じる水圧が、溺れやすい理由のひとつです。動水圧は、流速の2乗に比例して増加。たとえば、流速が2倍になれば、4倍の動水圧がかかるということです。水深が浅くても、流れが速い場所では、立つのもままならない場合があるでしょう。
さらに、川底には藻や水草、流木などの障害物が多く、足をとられる危険性も。転んで起きあがろうとした際に流されてしまい、パニックになって溺れる可能性があります。
③天候の影響を受けやすい
天候によって、水量や流れが変化しやすい点が、溺れる原因のひとつです。泳いでいる場所で雨が降っていなくても、上流でのゲリラ豪雨、ダムの放流などで、急激に水が押し寄せることも。油断すると、気づいたときには岸にもどれないという事態が起こりうるでしょう。
また、中洲で遊ぶのは避けてください。急な増水時に水没し、中洲に取り残される危険性があります。
④救助が難しい
川での救助作業が難しい点も、溺れやすい理由のひとつにあげられます。川には、海のように監視員が常駐していません。また、救助ボートなども用意されていないでしょう。そのため、万が一事故が起きたときは、その場にいる人たちが救助する必要があります。
しかし、川での救助は簡単ではありません。溺れている人を飛び込んで助けるのは、リスクが高いといえます。可能な限り、陸上から救助を行うことが重要です。勢いで助けようとすると、二次被害が起こる危険性もあるので、冷静な判断をしなければなりません。
川遊びで気をつけたい5つのポイント
川での水難事故を避けるためには、注意点を把握し、正しい行動を取ることが必要です。ここでは、川遊びで気をつけたい5つのポイントを紹介します。
①自分に合った場所で遊ぶ
自分の泳力や体格に合った場所で遊ぶことを心がけましょう。泳ぎに自信があっても、思っていたよりも流れが速かったり、水深が深かったりすると、溺れる可能性があります。川遊びの際は、確実に水流に耐えられ、足がつく場所で遊ぶようにしてください。
また、川の水温は、真夏でも想像以上に低いことがあります。水温が低いと体力を奪われ、重大な事故につながる恐れがあるでしょう。自分の体力を過信しないことが大切です。
②川の状態を確認する
川で遊ぶ際は、川の状態を必ず確認しましょう。大雨のあとは、水量が増し、流れが速くなります。また、上流でゲリラ豪雨が発生したときには、鉄砲水にも要注意。天気予報をこまめに確認するのはもちろんですが、活動中の水位の変化にも注意を払いましょう。
また、川にある危険なポイントも把握してください。水深が浅い急流部の瀬は、川底の石が藻で滑りやすくなっています。さらに、川の水位をコントロールするための堰の下では、リサーキュレーションと呼ばれる、縦方向の渦に巻き込まれないようにしましょう。
川の流れが緩やかな淵は、想像以上に深く、複雑な流れや渦が発生している場合があるので、注意してください。岩場では、ケガを避けるため、尖った岩などがないかを確認しましょう。
③浮き輪やライフジャケットを着用する
川遊びでは、浮き輪やライフジャケットを必ず着用しましょう。とくに、川の流れが速いときや水深が深いときには、ライフジャケットの重要度が増します。浮力を確保できるので、頭部を水面から出し、呼吸しやすい体勢になれるでしょう。
また、万が一のときに備え、ライフジャケットを着用した状態での流され方も、予習しておいてくださいね。
さらに、ライフジャケットの正しい使い方についても、事前チェックが必要です。いざというときに脱げてしまったり、膨らまなかったりしないよう、正しい使い方を身につけましょう。
④常に周囲の状況に気を配る
川遊びをするときは、常に周囲の状況に気を配りましょう。ほかの人の状況や、川の流れの変化、流れてくる障害物の状況などを、常に注視することが大切です。
また、子どもの川遊びには、細心の注意を払いましょう。子どもは溺れても、声を出せない場合があります。そのため、溺れたことに気づくのが遅れることも。子どもだけでなく、大人も一緒に川に入って遊ぶのもよいでしょう。
⑤適度な休憩を行う
長時間の川遊びは避け、適度な休憩を取りましょう。疲れているときは、体が重くなり、泳力が落ちます。また、暑さや疲れで判断力が鈍り、危険に気づくのが遅れる場合も。疲れたらすぐに川から上がり、無理をせずに休憩を取るのが大切ですよ。
また、川遊びは思った以上に体力を使います。夏の暑さも加わり大量の汗をかくため、こまめに水分補給をしましょう。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。