ロードバイク用タイヤの空気圧に関する基本知識
タイヤの空気圧は、どの自転車にとっても、快適な走行と安全性を左右する重要な要素です。
なかでも、細めのタイヤを使用し、長距離であったり速い速度域で走行したりするロードバイクは、クロスバイクやMTBよりも少しシビアに空気圧を調整する必要があります。
ここでは、空気圧がロードバイクのパフォーマンスに与える影響や、空気圧の一般的な適正値の設定方法を紹介します。
空気圧の重要性
空気圧は、高速域で長距離を走るロードバイクにおいて、走行性能や安全性に大きな影響を与えます。
空気圧の設定は、タイヤブランドの推奨基準や、一般的な標準ルールにもとづいて設定します。さらに、空気圧は路面状況や季節などの変動要因にあわせる必要があるため、その都度、適切に調整するのがおすすめです。
空気圧が適切でないと、パンクのリスクをともない、大きな事故にもつながりかねません。一方で、適切な空気圧は、コーナリングやハンドリングを安定させ、乗り心地のよさと優れた走行性を可能にします。
未舗装道路や高速域で地面とのトラクションを維持して快適に走行するには、空気圧が重要といえるでしょう。
空気圧の単位(PSI・kpa・BAR)
空気圧の単位は、主に以下の3種類で表記されています。
- PSI(ピーエスアイ)
- BAR(バーレル)
- kPa(ケーピーエー)
ロードバイクのタイヤは世界中で販売されており、さまざまな国の消費者に対応するために、これらの単位が併記されます。どの単位を選んでも問題ありませんので、なじみのある単位を利用しましょう。
空気圧の見方
ロードバイクに履かせているタイヤの空気圧の見方は簡単です。
たとえばタイヤのサイドに「700×28c 5-7bar 70-100PSI」と表記を発見したら、「5-7bar 70-100PSI」の部分が空気圧に当たります。
手持ちの空気圧計がBAR表記なのか、PSI表記なのかで対応する数字が変わります。
空気圧がタイヤのパフォーマンスに与える影響
ロードバイクタイヤの空気圧は、パフォーマンスに直接影響を与える重要な要素です。おもに影響を及ぼす項目は以下の4つです。
- 接地面積
- 転がり抵抗
- 耐パンク性能
- 快適性
それぞれ簡単に説明します。
接地面積
タイヤの接地面積は、空気圧の影響をおおいに受けます。
- 空気圧が高い:接地面積が低
- 空気圧が低い:接地面積が増
空気圧が高まるとタイヤの接地面積が減るため、グリップ力が減少しコーナリング時の性能が落ちます。
一方、空気圧が低くなるとタイヤの接地面積が増えるため、グリップ力が増加し、コーナリングの性能が高まる代わりに挙動が不安定になります。また、空気圧が低すぎると、タイヤが設計時に意図された性能を発揮できません。
根拠のない空気圧の調整はおすすめしません。安全な運転のために、必ずタイヤの空気は適正値を守りましょう。
転がり抵抗
タイヤの空気圧は転がり抵抗とも関連があります。
- 空気圧が高い:転がり抵抗が減少
- 空気圧が低い:転がり抵抗が増大
転がり抵抗が増えるとペダルを漕ぐときに力を込めなければならず、肉体疲労を早めるおそれがあります。高速走行・ヒルクライム・ロングライドを目的とするなら、転がり抵抗は少ないほうが有利です。
空気圧のスイートスポットを見つけるのは簡単ではありませんが、見つけて適用したときのロードバイクとの一体感は格別です。
耐パンク性能
タイヤに適切な空気量を入れていなければ、たとえ耐パンク性能が高いタイヤであっても、その性能を十分に発揮させられません。
空気圧が低すぎると、走行中の衝撃がタイヤ内部のチューブやホイールに直接伝わります。タイヤへの衝撃が強すぎる場合、チューブの破裂やホイールの損傷が起こるおそれがあります。もしそれがコーナリング時に起きると、大事故につながるおそれもあります。
安全運転を心掛けるために、タイヤの空気圧は適切な状態を維持できるように努めましょう。
快適性
タイヤの空気圧は乗り心地に大きく影響します。空気圧が低すぎるとタイヤが凹むことにより、ホイールと地面の接地面積が増え、段差や凹凸を走行するたびに振動がロードバイクを通じて体に伝わります。このような状態が続けば、ロングライドは困難になるでしょう。
また、一般的にメーカー企業が提示しているタイヤの寿命は、適切な空気圧で利用し続けた場合のものです。コスト面を気にするのなら、必ずタイヤは適正空気圧を守りましょう。
関連記事:ロードバイクのタイヤおすすめ18選!選び方やサイズの見方も紹介
ロードバイクタイヤの適正空気圧表
ロードバイク用タイヤの適正空気圧表は、有名メーカーのVittoriaが参考値をはじき出しています。
適正な空気圧はタイヤのTPIによって異なり、普段使い用の低めのものとレース用の高TPIのタイヤの目安となる適正値をまとめました。
- TPI150の場合
総重量 | BAR(フロント、リア) | PSI(フロント、リア) |
<55㎏ | 6.2、6.6 | 90、95 |
55-65㎏ | 7.2、7.6 | 95、100 |
65-75㎏ | 6.9、7.2 | 100、105 |
75-85kg | 7.2、7.6 | 105、110 |
85-95㎏ | 7.6、7.9 | 110、115 |
95㎏< | 7.9、8.3 | 115、120 |
- TPI320の場合
総重量 | BAR(フロント、リア) | PSI(フロント、リア) |
<55㎏ | 6.9、7.2 | 100、105 |
55-65㎏ | 7.2、7.6 | 95、100 |
65-75㎏ | 7.6、7.9 | 110、115 |
75-85kg | 7.9、8.3 | 115、120 |
85-95㎏ | 8.3、8.6 | 120、125 |
95㎏< | 8.6、8.9 | 125、130 |
出典:Vittoria
上記チャートは適正な空気圧を見つけるための参考になりますが、決まったルールという訳ではありません。
ウェットな路面や荒れた路面状況の場合は0.5bar(7.5psi)減らします。
最適な空気圧は、路面状況や天候状態、バイクの素材やセットアップ状況、ライダーの体重やライディングスタイルなど、多くの要素によって変わってきます。
適切な空気圧を見つけるには、さまざまな空気圧で何度かテストしてみるのが一番です。いくつかコーナーのある、短めのクリテリウム・コースのような場所でテストしてみるのも良いでしょう。
タイヤ適正空気圧の計算サイト
推奨空気圧を提案する便利なサイトがあります。体重やホイールのプロフィールを入力すると、推奨空気圧を出してくれるものです。
スマートフォンでも使える「MY MAVIC」というアプリが有名ですが、SRAMの「TIRE PRESSURE GUIDE」も優秀で、アプリダウンロードの必要なくすぐに使えます。
出典:AXS
ライドスタイルとして、ロード以外に、グラベル・MTB・ファットバイクなど幅広い選択が可能で、自分の乗り方やバイクの種類などを反映できます。
ケーシング、地表などほかではなかなか選択できない項目も設定可能で、よりリアルな状態での推奨空気圧を導き出せます。
ロードバイクの適正空気圧の求め方
ロードバイクの適正空気圧の求め方は、いくつか方法があります。
- タイヤパッケージに表示されている適正空気圧を利用する
- タイヤの計算機サイトで適正空気圧を導き出して適用する
- トライ&エラーを繰り返して体感で計測する
以上、3つの方法のうち、いずれかを使えば乗り心地がよく、曲がりやすいロードバイクを手に入れられます。
しかし問題は、1番目と2番目の方法が取れない場合です。その場合、自分の感覚を頼りに調整する3番目の「トライ&エラーを繰り返して体感で計測する」しかありません。
「トライ&エラーを繰り返して体感で計測する」方法は、次の項目で説明します。
①自分の体重とタイヤの感覚をあわせる
まず、以下2つの手順をおこなってください。
- ロードバイクに装着するタイヤに書かれているPSIを読み取る
- PSIの範囲内で空気を入れる
※タイヤにPSIが書かれていない場合は6.0~6.5気圧ぐらいを目安に空気を入れるとよい。
タイヤに空気を入れ終わったら、ロードバイクに乗って少しだけ漕ぎ出してみてください。乗り心地に問題がない、またはハネなければ、適正値と考えて問題ありません。
しかし、タイヤが潰れやすかったり、段差がある場所でタイヤが凹まかったりする場合は、空気圧の調整が必要です。
②空気圧を段階的に上げ下げする
「ステップ1:自分の体重とタイヤの感覚をあわせる」でうまく行かなかった場合は、次に少しずつ空気を上げ下げしてください。
上げ下げする空気圧は0.1~0.2気圧(約1PSI~2PSI)ずつがおすすめです。
乗り心地が硬い場合は空気圧を下げて、転がりが悪かったり、重かったり感じる場合は空気圧を上げてみましょう。
③力を込めずタイヤが転がる空気圧をさがす
「ステップ2:空気圧を段階的に上げ下げする」を繰り返すうちに、タイヤの凹凸が程よくなり、転がりが軽くもなく重くもない状態が見つかります。その状態の空気圧を必ず空気圧計で測定しましょう。計測に使った空気圧計に表示されている数字が、今の自分の適正空気圧と考えて問題ありません。
適正空気圧がわかったら、スマートフォンのメモ帳機能などを利用して、前輪と後輪の空気圧をメモしておきましょう。あわせて自分の体重、その日のコンディションがドライ・ウェットのどちらかも書き残しておくとあとで役立ちますよ。
ロードバイクの空気圧を調整する方法
ロードバイク乗車前には、空気圧の調整が欠かせません。ここでは、ロードバイクのタイヤ空気圧の調整方法や計算方法を紹介します。必要なアイテムも紹介するので、走行する日の状況にあわせて、毎回空気圧の調整をしてから走行しましょう。
空気圧調整ツールの種類
空気圧調整ツールは2種類あります。
- エアポンプ
- デジタル空気圧計
両方とも空気圧の調整が可能なツールですが、それぞれで特徴があり使うべきシーンが異なるため、どのような時にどちらを使えばよいか覚えておきましょう。
エアポンプ
エアポンプはロードバイクにとって欠かせないツールです。ロードバイク専用のエアポンプは、一般的な自転車やママチャリ用のものと異なり、より高い圧力でタイヤに空気を充填できます。
専用のエアポンプが求められる理由は、ロードバイクのタイヤは高い空気圧を要求するためです。スーパーやホームセンターに設置されている無料の空気入れでは、その要求される空気圧に到達できません。
手元にエアポンプがない場合は、空気圧の調整を始める前に必ずホームセンターやネット通販で購入して用意しておきましょう。
エアポンプには空気を入れるだけではなく、空気圧を測る圧力ゲージが付いているものもあります。快適なサイクリングライフのためには、ぜひエアポンプに圧力ゲージがついているものを選んでください。出先で簡単に使える携帯エアポンプもあるので、持っていくのもよいでしょう。
デジタル空気圧計
デジタル空気圧計は、エアポンプに付属する圧力ゲージより精度が高く、細かい調整を必要とするときにおすすめです。
デジタル空気圧計を使用する最大のメリットは、小数点以下までの数値を正確に計測できることでしょう。この精度の高さは、計算サイトで導き出した数値を実践する際に役立ち、圧力ゲージと比較にならないほどです。
とくに、レースやヒルクライムを目的としてロードバイクに乗る場合、携帯しやすい小型のデジタル空気圧計は必携アイテムと言えるでしょう。
空気圧の調整方法
空気圧の調整はフロアポンプ(空気入れ)やエアコンプレッサーを使用します。今回は、一般的なフロアポンプを使用した調整方法を紹介します。
ロードバイクのタイヤにはフレンチバルブが使用されているため、フレンチバルブに対応したフロアポンプを用意してください。調整手順は以下のとおりです。
- 手持ちのタイヤの側面に記載されている、適正空気圧を確認する
- バルブキャップを外す
- 先端を回したあとに軽く押して、空気を少し抜くバルブに空気入れを差し込み、倒れているレバーを起こしてロックする
- フロアポンプのゲージを見ながら空気を入れる
- 空気入れに空気抜きがついている場合、入れすぎた空気を抜く
- レバーのロックを解除し、空気入れを外す
- 先端を回して閉め、バルブキャップを閉める
まずは、タイヤに記載されている適正空気圧をチェックします。バルブキャップを外したら、空気が通るか確認するために先端を押して少し空気を抜きます。バルブに空気入れを差し込む際に、空気が抜ける感覚がありますが、気にせずにしっかり差し込んでレバーをロックしましょう。
それから、フロアポンプ付属のゲージを見ながら空気を入れます。レバーの解除は勢いがあるため、ケガをしないように注意してください。
ロードバイクのタイヤ空気圧の維持
ロードバイクの空気圧を維持するためには、こまめに空気を入れるのがポイントです。ロードバイクに乗る前には、必ず空気圧のチェックと調整をしましょう。
適正を保っているにもかかわらず、ハンドリングが不安定になったり、衝撃吸収性が悪くなったりするときは、パンクしているおそれがあります。このように、空気圧の管理はタイヤの異常に気づくためにも重要です。
適正な値を維持するために必要な空気圧の確認方法や、実際に維持するためにはどうすればよいのか、ここからチェックしていきましょう。
空気圧の確認方法
空気圧を確認するには、目視・感覚・ゲージを使う方法があります。
まずは実際の圧力を調べる前に、異物が刺さって空気が漏れていないか目視で確認しましょう。
次に、簡単な空気圧の確認方法として、手でタイヤを押して、どのくらい凹むかを感覚的に調べる方法があります。異常にやわらかいときには、感覚だけで空気圧が少ないのがわかるでしょう。
適正を保つためには、PSI・BARなどのメモリがついたエアゲージやフロアポンプを使用するのが一般的です。エアゲージとフロアポンプの使い方は以下のとおりです。
- バルブキャップを外す
- バルブにエアゲージ、またはフロアポンプを差し込む
- フロアポンプであれば、レバーをロックする
- メーターを見て数値を確認する
空気圧を確認するだけであれば、レバーのないエアゲージを使用するほうが簡単です。
しかし、空気圧を確認する際、そのまま調整するケースが多いため、直接空気が入れられるフロアポンプが便利な場合があります。
また、空気圧を毎回同じように調整できるように、可能であれば決まった器具を使用するとよいでしょう。
空気圧の維持と監視
空気圧を維持するために重要なのは、毎回のチェックを怠らないこと。まずはタイヤをよく観察しましょう。そのとき、タイヤの中央だけがすり減っている場合は、空気圧が強すぎるケースが考えられます。
また、タイヤの内部に水が溜まっていたり、タイヤの空気圧がすぐに減ってしまったりする場合はパンクしているおそれがあるため、必ず状態を確認してください。
定期的に空気圧をチェック・調整するのが、疲れにくいライドのポイントです。エアゲージを持っていなかったとしても、手でタイヤを押した際に明らかに空気が減っている場合は少し足してください。
空気を入れたあとは試乗して、適正かどうか確認するのがおすすめです。ロングライドの際は、携帯用のミニポンプとエアゲージを持参しましょう。
ロードバイクの空気圧の変動要因
ロードバイクのタイヤの空気圧は、さまざまな要因によって変動します。タイヤに記載されているメーカー推奨の空気圧に差があるのは、変動要因があるためです。ここでは、季節や気温、体重に着目して、どのような要因で空気圧が変動するのか紹介します。
適正に調整したにもかかわらず、すぐに変わってしまう空気圧にお悩みの方は、こちらを参考にしてください。
天候・季節・気温による変動要因
季節による気温の変化と冷暖房による温度の変化は、空気圧の変動要因のひとつです。
気温が高い場合、タイヤ内の空気が膨張するため空気圧が高くなります。反対に気温が低い場合は、タイヤ内の空気が収縮するため、空気圧も低くなります。
そのため、涼しい季節にあたたかい部屋でロードバイクを保管し、空気圧の調整をしてから外を走行すると、外気温が冷たいために空気圧が下がってしまいます。反対に、あたたかい季節に室内で調整してから外を走行する場合には、空気圧が上がってしまうことがあります。
どちらのケースも自身が設定した空気圧とは異なってしまうため、実際に走行する温度に近いところでの調整が大切です。
また、暑い時期に長時間ロードバイクを炎天下に置いておくと、空気圧が膨張してタイヤがバーストを起こすおそれがあります。長時間停車する際には、木陰などの涼しい場所を探してください。
体重による変動要因
体重の違いも、空気圧に影響を与えます。体重が重い方はタイヤに負荷がかかりやすいため、空気圧を高めに設定すると走行しやすくなります。
一方で、体重が軽い方はタイヤに負荷がかからず跳ねやすくなるため、空気圧を低めに設定すると安定して走れるでしょう。
また体重に加えて、身に着ける装備や持ち物も重さに換算するのがおすすめです。
タイヤの太さによる変動要因
タイヤの太さは、空気圧に大きな影響を与えます。
- タイヤが太い:空気圧は低めになる
- タイヤが細い:空気圧は高めになる
タイヤが太いと空気圧が低くなる理由は、タイヤ内側の表面積が増えるからです。結果、タイヤ内部に作用する総力が増加します。
細いタイヤと太いタイヤで同じ量の空気圧を入れると、太いタイヤのほうが固くなります。そのため、太いタイヤは細いタイヤより空気圧を低くしないと、ロードバイクを転がしたときにハネやすくなってしまうのです。
そして、転がしたときにハネてしまうロードバイクは、道路の凹凸に弱く、転びやすくなります。凹凸に弱い状態でスピードを出して運転すると、曲がるときに転倒するおそれがあります。
細いタイヤから太いタイヤに切り替えたら、必ず空気圧の計算と調整をするよう心がけてください。
ホイールのリム幅による変動要因
ホイールのリム幅も空気圧の変動要因のひとつです。ワイドリムのホイールが増加傾向ですが、一般的にリム内幅が広くなるということは、太いタイヤを履くのと同じ効果があります。
リム内にも空気の入るスペースがあり、加えてチューブレスタイプのタイヤはチューブの厚み分エアボリュームが増大し、フックレスリムの場合はさらに顕著です。
走行目的や距離による変動要因
走行目的や距離も空気圧を変動させる要因です。とくにロードバイクに長時間乗り続けるロングライドを目的とした場合は、乗り心地と体力温存のため空気圧を下げる傾向にあります。
1時間から1時間半程度で終わるヒルクライムレースを想定したライディングなら、転がり抵抗を減らすことを重視してやや高めの空気圧に設定して乗った方が、最終的なパフォーマンスにつながるでしょう。
走行距離も50km以上、100kmや200km走ってみて快適性はどうか、ヒルクライムではどうか、ダンシングでの走りやすさ、サーキット走行ではどうかなど、シーン別のタイヤパフォーマンスおよび空気圧の適正値を探ると、さらに正解に近づけるでしょう。
ロードバイクの空気圧が適切でない場合に起こるリスク
ロードバイクは、空気圧によって、スピード・耐パンク性・乗り心地など、さまざまな点に違いがあります。適正空気圧に対して、空気圧が低い場合と高い場合では、タイヤのパフォーマンス性にどのような違いが生じるのか説明します。
空気圧が低い場合
空気圧が低い場合はクッション性があり、衝撃を吸収しやすくなるため、乗り心地がよくなります。また、路面状況が悪くてもグリップ力がきくため、安定したコーナリングをしやすいのもメリットです。
一方で、タイヤの接地面積の増加によるリムうちパンクのリスク、転がり抵抗の増加によるスピードの出にくさや、疲れやすさがデメリットです。
空気圧が高い場合
空気圧が高い場合はタイヤが変形しにくいため、転がり抵抗が少なくスピードが出しやすくなるのが最大のメリットです。
しかし、路面との設置面積が少ない分、グリップ力が低下してライン取りが難しく、路面状況の悪い道では滑りやすくなります。
また、空気圧が適正より大きく上回る場合は、タイヤの膨張に耐えられず、走行中にバーストするおそれがあり危険です。衝撃吸収率が下がって、乗り心地が悪くなるのもデメリットになるでしょう。
ロードバイクのタイヤ空気圧のルール
ロードバイクのタイヤ空気圧には、標準ルールが存在します。ただし、場合によっては自分好みにカスタムも可能で、ルールの例外や特殊ケースがあるのも事実です。ここでは、ロードバイクのタイヤ空気圧の一般的な標準ルールと、例外や特殊ケースを紹介します。
ロードバイクの空気圧の標準ルール
ロードバイクの空気圧は、一般的な標準ルールにもとづいた設定が推奨されています。ルールの項目と空気圧の設定方法を、以下にまとめましたので参考にしてください。
- 温度
高い場合は空気圧を下げる、低い場合は空気圧を上げる - 体重
重い場合は空気圧を上げる、軽い場合は空気圧を下げる - タイヤの種類
タイヤブランドによって変わるため、タイヤに記載された数値を参考にする - 路面状況
舗装道路は空気圧を高めに、未舗装道路は低めに設定する - ロードバイクの目的
レースやヒルクライムでは高めに、ロングライドでは低めに設定する
標準ルールでは、晴れた日の舗装道路での走行を想定して設定されています。そのため、空気圧の設定に悩むときには、標準ルールを目安に調整しますが、道路状況や天候によって適宜変える必要があるでしょう。
ルールの例外と特殊ケース
上記では、ロードバイクのタイヤ空気圧の標準ルールを紹介しましたが、例外や特殊なケースもあります。ロードバイクのイベントやレースの種類によっては、空気圧を調整したほうがよいこともあります。
たとえば、長い距離を走るイベントやレースでは、耐パンク性の向上やコーナリング時の転倒のリスクを下げられるため、空気圧を低めに設定するのが得策です。
一方で、速度域の低いヒルクライムレースにおいては、空気圧を高めに設定すれば、転がり抵抗が少なく快適に走行できるでしょう。
ただし、スピードの出る下山の際は、高い空気圧のままだと転びやすく危険なため、少し空気圧を下げるのがおすすめです。
また、トラック競技で完全に舗装された場所を使用したレースの場合は、空気圧を高く設定してスピードを最大限引き出すのが一般的です。
したがって、標準ルールはあるものの、自身の使用目的によって空気圧を見極める必要があるといえるでしょう。
ロードバイク用タイヤの空気圧に関するまとめ
今回紹介した、ロードバイク用タイヤの空気圧に関する重要な点をまとめました。
- 空気圧は、安全性・性能・乗り心地・スピードなどに関わる
- TPOごとで適正な空気圧がそれぞれ異なる
- パッケージや空気圧測定サイトで適正値を把握する
- 空気調整はエアポンプまたはデジタル空気時計で
- 天候・走り方・タイヤの幅などで適正空気圧は違う
ロードバイクやクロスバイクの適切な空気圧は、自転車のタイヤ側面を見ることで確認が可能です。季節や乗る人の体重、そして走行環境などで適正な空気圧は変化しますが、都度対応し設定すればより快適かつ優れたパフォーマンスを愛車が発揮してくれるでしょう。
空気が極端に多かったり少なかったりすると、パンクやバーストといった現象の発生リスクが高まります。快適に走行するためにも、空気圧の管理は定期的に行うようにしましょう。
ロードバイクはスポーツ性能に優れた自転車です。空気圧の設定に関してもさまざまな要素によって適正値が変化し、調整が面倒に思うかもしれません。しかし、細かい部分に気を遣えば驚くほど乗りやすくなります。これまで適当に設定していた方も、ぜひ空気圧に気を遣ってみてください。
おすすめのロードバイクのタイヤについてはこちらの記事を参照にしてください。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。