ジャングルから岩稜帯まで様々なルートを楽しめるキナバル山は、はじめての海外登山、はじめての4000m峰にもおすすめです。さまざまな動植物が生息している自然豊かなキナバル山の魅力をご紹介します!
ボルネオ島にそびえるキナバル山
ボルネオ島とコタキナバルの町
東南アジアのボルネオ島は、マレーシア、インドネシア、ブルネイの3カ国が領有し、面積は日本の2倍近くと世界で3番目に大きな島です。
マレー語では「ボルネオ島」、インドネシア語では「カリマンタン島」と呼ばれています。
ボルネオ島は赤道直下に位置し、熱帯気候に属しています。一年を通じて気温の差は少なく、また年間平均降雨量は4,000㎜と多く、豊かな雨が育む熱帯雨林には多種多様な動植物が生息しています。
キナバル山への玄関口となるコタキナバルは、島北部のサバ州の州都で、マレー系、インド系、中国系の多民族が暮らしています。
「コタキナバル」とはマレー語で「キナバルの町」、その名の通りキナバル山が町のシンボルとなっています。
コタキナバルは周囲が壮大なジャングルと美しい海で囲まれ、近年ではネイチャーリゾートとしても注目を集めています。
日本からのアクセスは、成田から週二便の直行便で6時間程、時差もマイナス1時間と訪れやすいのも旅をする魅力のひとつです。
キナバル山の概要
キナバル山は標高4,095m、東南アジアの独立峰最高峰です。
登山道やトイレなどの設備もよく整備されていて、行程は山小屋泊で1泊2日、日本から最短5日間で訪れる事ができ、その手軽さからも人気の高い山です。
麓は熱帯雨林特有のジャングル地帯、標高を上げていくと低木の灌木帯が続き、山頂付近は岩場と変化に富んでいて登山者を飽きさせません。
固有種のランやウツボカズラ等、日本では出会えない珍しい植生を観察しながら歩くのも楽しいでしょう。
山頂は花崗岩の一枚岩となっていて、地殻変動によって隆起してできた山になります。
上部は岩稜帯が続きますが、特別な技術は必要なく登る事ができ、初めての海外登山としてもおすすめです。
キナバル山のあるキナバル自然公園は2000年に、マレーシア初の世界自然遺産に登録されました。
園内には6000種以上の植物や200種以上の哺乳類が生息していると言われ、植物園やネイチャートレイルでもその姿を見る事ができます。
ネイチャーガイドの解説を聞きながらゆっくりとキナバルの自然を楽しむのも面白いでしょう。
登山準備
まずは山小屋の予約を
キナバル山では山小屋の予約と公認ガイドの同行が必須になります。
日本の旅行社や現地からも多くのツアーが出ていますが、インターネット上で山小屋の予約を取る事ができれば、個人でも手配することも可能です。
アジア圏の登山ブームの高まりから、近年では団体の登山者も増えているので早めに予約することをおススメします。
山小屋は日本の詰め込み式とは違い定員制なので、ルートは混み合う事がなく、落ち着いて登山する事ができます。
年間を通して気温差がなくいつでも登山する事が可能ですが、雨の少ない2月~5月は登山のベストシーズンになります。
必要な装備
装備は日本の夏~秋山登山の装備をイメージすると良いでしょう。
東南アジアの山というと暖かいイメージがありますが、ジャングル帯が続く麓ではTシャツ1枚でも暑いほどですが、ご来光を臨む頂上は吹きさらしとなり気温は0℃近くになる事もあります。
しっかりとした防風防寒対策に加え、雨が多いエリアなのでレインウェアもお忘れなく。
荷物が多くて心配な場合は現地でポーターを手配する事も可能です。
山小屋は2段ベッドに寝具もあり、食事も全て提供されるので、日帰り装備で登山することができます。
登頂日には小屋に荷物を預けて置くことが出来るので、アタックザックなどを利用し身軽な装備で頂上を目指しましょう。
標高は4,000mを越えるので高山病の症状が出る人もいるかもしれません。事前に富士山や3,000級の山を登って高度に慣れておくのも良いでしょう。
クライミング等の技術は必要ありませんが、上部は岩稜帯となりますので、ソールの厚いしっかりとしたトレッキングシューズを用意しましょう。
いよいよ登山スタート!
登山口での手続き
キナバル山のあるキナバル自然公園までは、コタキナバルの町から車で2時間程の距離です。
キナバル自然公園が近づくに連れ、山頂のギザギザとした奇岩が目立つキナバル山の全貌が見えてくるでしょう。
公園に到着したら、まずはPHQ(国立公園事務所)へ向かい、入山受付や山小屋予約の確認などの手続きを行います。ガイドの紹介やポーターを雇う場合もこのPHQで行います。
ガイドは片言の場合もありますが皆英語を話す事ができ、入山から下山まで登山者をしっかりとサポートしてくれる頼もしい存在です。
手続きを済ませ、カード式の入山許可証と初日のパックランチを受け取ったら、ガイドと共に車両でティンポホンゲートへと移動します。
ゲートで許可証のチェックを受けたらいよいよ登山開始です。
準備体操をしっかりとしてスタートしましょう!
ここではその概要、装備や準備などについてご紹介しました。次回は実際のルートや小屋の過ごし方等具体的な内容をお伝えします!
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。