ヒグマとの危険な出会い方
ヒグマは本来人を極端に避けて行動するので、ヒグマに出会ったからといって必ず襲われるわけではありません。
では、どういう出会い方をした場合に危険なのでしょうか。
突発的な出会い
ヒグマは本来人を警戒して生活していますが、音が聞こえにくい環境だったり、人より風上にいて匂いに気付けず突発的に出会ってしまうことがあります。
警戒しているヒグマほど人を恐れているので、突発的に出会うとびっくりして自衛のために襲うことも多くなります。
ヒグマに気付かず接近
人を恐れるヒグマは、人の接近を察知すると身を隠すことがあります。
それに人が気づけないと、近付かれる恐怖心から人間を襲うことがあります。
突発的に出会ったときと同じく、自衛のために襲うリスクが高まるシチュエーションです。
小グマとの遭遇
小グマは攻撃力もそこまで高くなく、人を積極的に襲うことはありません。
ただし、危険な存在(人)が小グマに近付くと母グマは排除しようとしているので、非常に危険です。
発情期には母グマを追う雄グマもいるので、親子グマを見たら周辺にも十分注意しましょう。
獲物を持っているヒグマに出会う
ヒグマは獲物に対する執着心が非常に高い生き物です。
奪われそうになるだけでも攻撃性を見せるので、獲物を持っているヒグマには絶対に近付いてはいけません。
休憩中(補給中)ヒグマに出会う
ヒグマは人が食料を持っているからといって、危険を冒して近付いてくる生き物ではありませんが、人の怖さを知らない若いヒグマは近寄ってくることもあります。
人を襲ってまで食料を奪おうとするヒグマはあまり例がありませんが、近付いてきたヒグマに対する対応を誤って襲われる可能性もあるので避けたいシチュエーションです。
もし食料や荷物を奪われたら、それはもうヒグマの獲物なので、絶対に取り返してはいけません。
ヒグマと危険な遭遇を避けるためには
では、ヒグマとの危険な遭遇を避けるにはどうしたらいいでしょうか。
もちろんクマ避けグッズを持ち歩くのも有効ですが、もっと根本的な意識改革が必要です。
山や川に入らない
ヒグマの生息地に入る以上、絶対に出会わないという方法はありません。
唯一、ヒグマに出会わない方法があるとすれば、ヒグマの生息地になる山や川に近付かないことです。
情報が古くても、出没情報がある場所に近付かないのも有効です。
人からヒグマを見つける
一番危険なのは人がヒグマに気付かず接近してしまうことなので、人から積極的にヒグマを見つければリスクは大幅に下げられます。
視野を広く持つのはもちろん、近付かれたくないヒグマが出す威嚇音にも気付けるよう聴覚も使いましょう。
ヒグマに逃げる余地を与える
人の怖さを知るヒグマは、積極的に人から逃げようとするので、退路を塞ぐのはご法度です。
逃げる猶予を与えるため、なるべく遠くからヒグマが人に気付けるようアピールし、グループで山に入る場合はヒグマの逃げ道を塞がないよう行動しましょう。
食べ物の匂いをさせない
ヒグマがあえて接近してくるリスクを下げるため、なるべく人のいる場所に興味を持たせないのも重要です。
とくに野営地など人よりヒグマが優位なエリアでは、食料の匂いなど、あえて近付く理由を与えないようにしましょう。
有効なクマ避けグッズ
では、ヒグマに自分の存在をアピールするために有効なグッズはどのようなものなのでしょうか。
過去に有効とされていたものも、近年リスクがあることもわかっているので、いまいちど確認してみましょう。
いずれも、出会ってしまった後には扱いに注意が必要だと言うことを留意してくださいね。
クマ避け鈴
鈴の音はヒグマが不愉快で、かつ人の存在をアピールする意味では有効です。
ただし、常に鳴ってしまうと人がヒグマの存在に気付けなくなるリスクもあります。
歩くたびに鳴るタイプは避け、鳴らしたいときに鳴らせるタイプがおすすめです。
爆竹
爆竹も一般的なクマ避けグッズですが、使用すると危険なシチュエーションもあります。
大きな音は刺激が強すぎて、せっかく隠れていたヒグマが攻撃されたと勘違いして反撃に出る可能性もあるからです。
ヒグマと確実に距離を取れているなら有効ですし、価格も安いので用意しておくのはいいでしょう。
ペットボトル
聞きなれた鈴や爆竹と違い、ペットボトルをベコベコ潰す聞きなれない音に警戒するので有効だと言われています。
ただし、ゴミとして捨てられたペットボトルでジュースを飲めたなど、ペットボトルにいい思い出のあるヒグマだと、逆に興味を持つこともあります。
荷物としてもかさばるので、あえて使う必要はないアイテムでしょう。
ラジオ
ラジオは大人数で歩いているように錯覚させられるので有効と言われてきたアイテムでした。
しかし、やはりこれもヒグマの存在に気がつけなくなるので注意が必要です。
開けた場所などで、ヒグマが近くにいないことを十分確認できるのであれば、近寄ってこないように鳴らしておくのは有効でしょう。
防犯ブザー
筆者が愛用しているのは登下校でもおなじみの防犯ブザーです。
大きい音が出て、ヒグマが聞きなれず、好きなときに鳴らせるという3拍子そろっているのがその理由です。
頻繁にヒグマが出るエリアに出入りしますが、防犯ブザーを鳴らしてヒグマに出会ったり見かけたということはいまのところありません。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。