ホテルいらずで移動も宿泊もひとつにできる海外キャンピングカーの旅。海外でのドライブ経験はあるものの、筆者にとってキャンピングカーはまだ憧れの存在です。次こそ挑戦したいと考え、レンタル方法や準備、キャンプサイトの探し方を調べました。興味はあるけれど一歩を踏み出せていない人へ向けて、準備編として紹介します。
キャンピングカー旅に憧れたきっかけ

スコットランドのハイランド(北部の山岳地帯)をレンタカーで走っていたときのこと。霧に包まれた丘陵を抜ける道の向こうから、大きなキャンピングカーがゆっくりと近づいてきました。
窓から子どもが楽しそうに手を振り、後部には自転車を積んでいます。まるで「暮らし」をそのまま載せて走っているかのよう。

さらに湖畔のキャンプサイトに立ち寄ると、キャンピングカーの横にテーブルを広げ、スープを囲む家族の姿が。笑顔で語られた「ホテルに泊まるより気楽で、子どもも自然の中でのびのびできるのよ」という言葉。そして「あなたも一緒にどう?」とランチに誘ってもらったこと。
この出会いをきっかけに、“次はキャンピングカーで”という思いが強くなっていきました。
実際にキャンピングカーで旅をしたアルパガウス 真樹さんの体験談も参考になります。こちらの記事もぜひご覧ください。
キャンピングカーの魅力とは?

なぜ私は、キャンピングカーに惹かれてしまったのか。スコットランドで出会った光景以来、その理由を考えてきました。ホテルに泊まるより自由で、移動しながら生活できる不思議な存在。単なる車でもなく、完全な家でもない。だからこそ「旅をもっと自由にする力」があるのだと思います。
ここからは、私が感じた魅力を紹介。その理由を知れば、きっとあなたもキャンピングカー旅に興味を持つはず!
ホテル代を抑えられる
旅の大きな出費である宿泊費を大幅に節約できます。繁忙期のヨーロッパでは、地方都市の小さなホテルでも高額になることがありますが、キャンピングカーなら宿泊費の増減がなく安心。浮いたお金を食事や体験に回せば、旅の楽しみがぐっと広がります。
宿泊と移動をひとまとめに
チェックインやチェックアウトの時間に追われる必要がありません。朝起きてすぐ出発できるのもキャンピングカーの魅力。荷物を何度も出し入れせずに済み、まさに「自分の部屋を持ち運ぶ」ような感覚です。気分次第で予定を変えられる自由さも、旅心をくすぐります。
調理・寝泊まりができて荷物も最小限
車内のキッチンで簡単なパスタを茹でたり、地元のパン屋で買ったバゲットを朝食にしたり。外食に頼りすぎず、地場の味を気軽に楽しめます。自分のペースで食事ができるので、小さな子ども連れや長旅にもぴったりです。
自然の中で過ごす特別感
湖畔で迎える朝、森に沈む夜。想像するだけで胸が高鳴ります。
テント泊でも自然は味わえますが、キャンピングカーなら寒さや雨など天候に左右されず、同じ景色を楽しめます。自然を身近にしつつ快適さも手放さない—。
そのバランスこそが、キャンピングカー旅の魅力です。
海外でキャンピングカーを運転する際の注意点

キャンピングカーは普通車より大きくため、最初は不安を感じるかもしれません。私はまだ未経験ですが、これまで海外でレンタカーを走らせてきた感覚からも、基本は普通車と同じと感じます。
実際にスコットランドのキャンプサイトで出会った家族も「最初は大きさに緊張したけれど、慣れると普通車とそれほど変わらない」と話していました。また、レンタカー会社のスタッフも「ポイントを押さえれば意外と走りやすい」と教えてもらえたことで、背中を押された気がしました。
こうした体験談や声を参考に、運転前に押さえておきたいポイントを整理します。
普通乗用車とキャンピングカーの違い
キャンピングカーは普通車に比べると大きさも高さもあり、運転感覚にはいくつか違いがあります。
- 車体が大きいので駐車や小回りには注意が必要
- 車高が高いため、橋やトンネルの制限表示を必ず確認
- 強風や坂道では車体が揺れやすいので速度を控えめに
- 高速道路では直線が多く、一定速度で走れるため安定感がある
(ただし速度制限は国ごとに異なるので確認が必要)
ラウンドアバウトについて
ラウンドアバウトは日本では馴染みの薄い円形の交差点で、信号の代わりに車が一方通行で回りながら進みます。私は南仏で出口を見逃して二周した経験がありますが、慣れると信号待ちがなくスムーズに走れる仕組みだと感じました。
国際免許証・保険・ナビの準備
海外で車を運転するには、まず国際免許証の取得が必須条件です。加えて、事故やトラブルに備えるための保険、土地勘のない場所で強い味方になるナビの準備も欠かせません。
国際免許証
日本の運転免許センターで即日発行可能で有効期限は1年(手数料約2,350円、写真1枚)。
保険
事故や車両破損に備えてフルカバー型を推奨。とくに車両保険は免責ゼロを選日ましょう。
ナビ
レンタカー会社でナビをレンタルしたり車に搭載されたナビを使う方法もありますが、日本語に対応していないことがほとんど。Googleマップを事前にオフライン保存してナビ代わりに使うのがおすすめ。
キャンピングカーをレンタルするには

キャンピングカーをどう借りるかは、多くの人が気になるところでしょう。ここでは、欧米でキャンピングカーをレンタルする場合を想定して解説します。
手続きは日本のレンタカー会社とほぼ同じですが、会社選びや契約条件には注意が必要です。
私は以前、サードパーティ(比較サイト)の予約サイトを利用したとき、予約した車種と違う車が用意されていたことがありました。しかも普段運転しないマニュアル車を渡され、不安を抱えながらの出発に。
こうした経験から、比較サイトは便利でも、最終確認は公式サイトで行うことが安心につながると強く感じています。
レンタル会社の選び方と予約方法
キャンピングカーを借りるときは、料金の安さだけでなく「サポート体制」や「車両の整備状況」も会社選びの大切なポイントです。とくに海外ではトラブル時の連絡先や日本語対応の有無が安心材料になります。
会社のタイプは大きく2つに分けられます。
大手レンタカー会社のキャンピングカー部門(Avis、Hertz など)
空港や主要都市に拠点が多く、サポート体制が整っているのが強み。海外初心者でも利用しやすく、日本語対応の窓口やコールセンターを設けている会社もあるため安心感があります。
キャンピングカー専門会社(Britz、McRent など)
車種やサイズのバリエーションが豊富で、装備もキャンピングカー仕様に特化。長期旅行やファミリー利用に向いています。
必要な書類・年齢制限
必要書類や年齢条件は国やレンタカー会社によって異なるため、必ず事前確認をしましょう。とくにキャンピングカーは普通車より規制が厳しい場合もあるので注意が必要です。
- 国際免許証と日本の免許証、クレジットカードが必須
- 25歳以上を条件とする会社もあり、若年ドライバーは追加料金が発生する場合も
費用感・レンタル日数の目安
料金や最低利用日数も会社やシーズンによって大きく変わります。見積もりを比較し、旅のスタイルに合うプランを選ぶことが大切です。
- オフシーズンは1日1万5,000円前後、繁忙期は2〜3万円
- 最低3日からの契約が多く、長期利用割引を設けている会社もある
キャンプサイトの探し方と利用方法

キャンピングカー自体が寝泊まりできる場所ですが、どこにでも駐車できるわけではありません。欧米でも路上駐車や私有地での宿泊はトラブルのもとになるため、専用のキャンプサイトを利用するのが基本です。
欧米では日本のオートキャンプ場に相当する「Caravan Park」や「RV Park」と呼ばれる施設が広く普及しています。電源や給排水の設備、トイレやシャワー、ランドリーまで整っている施設も多く、初心者でも安心して利用できます。
ここからは、キャンプサイトの探し方と利用方法について紹介します。
キャンピングカーで宿泊できるキャンプサイトの種類
キャンプサイトといっても形態はさまざま。自然重視で設備が最小限の場所もあれば、ホテル並みに快適な施設を備えた場所もあります。特徴を知っておくと、自分のスタイルに合った選択がしやすくなります。
公共キャンプ場
国立公園や自治体運営。安価で自然豊かですが設備はシンプル
民間キャンプ場(RVパーク/Caravan Park)
電源、給水・排水、Wi-Fi、ランドリー、売店まで揃う。ファミリーや初心者に安心
探し方
初めて訪れる国では「どうやって探すの?」と迷うもの。調べてみると、オンラインと現地の両方で情報を得る方法があることがわかりました。
公式サイトで探す
Eurocampingsはヨーロッパ各地のキャンプ場情報を集めたデータベースで、設備や料金、利用者レビューまで網羅されています。写真付きなのでイメージもしやすく、オンライン予約が可能な施設も多数。
Googleマップで探す
「camping」「caravan park」と入力すると地図上に候補が表示されます。レビュー欄で「トイレが清潔」「電源あり」など細かい情報を確認できるのが便利。気になる場所は「保存」機能でマップにマークしておくと旅中に役立ちます。
観光案内所で探す
観光案内所(tourist information)はヨーロッパでは駅前や街の中心部に設置されていることが多く、看板の「i」マークが目印。地図や最新のキャンプサイト情報を教えてもらえるだけでなく、スタッフが地元ならではの穴場を紹介してくれることもあります。
予約と設備のチェック
キャンピングカーは車体が大きいため、利用できる区画が限られることがあります。とくに電源付き区画は人気が高く、繁忙期は事前予約が安心です。
一方、オフシーズンや郊外のキャンプ場では「空いていればどうぞ」と受け入れてもらえることもあり、飛び込み利用が可能な場合もあるようです。ただし、電源や給排水の有無は快適さに直結するため必ず確認しましょう。
キャンピングカーは、ホテル代を抑えつつ自然の中で自由に過ごせる新しい旅のスタイル。移動と宿泊をひとつにし、ルートも気分次第で選べます。キャンプサイトでの出会いや現地の声を聞くたびに、その魅力を実感しました。次の海外旅行は、キャンピングカーで楽しんでみませんか?きっと旅の自由さを実感できるはずです。
ライター
Ryoko
ひとり海外旅行と海外トレッキングを愛し、自然や文化に触れる旅をライフワークにするライター&エディター。猫と音楽にも目がなく、心惹かれる音や風景を文章で切り取るのが得意。国内外のフィールドで得た体験を、読者と共有することを楽しみにしている。