釣りに興味はあるけれど、「難しそう」「お金がかかりそう」と感じていませんか?実は、少しの知識と準備があれば、誰でも気軽に始められます。本記事では、釣り場での基本的なマナーから道具にかかる費用、おすすめの場所まで、初心者が抱きがちな疑問と解決策をわかりやすく解説。釣り歴約30年である筆者の体験談を交えながらお伝えします。
釣りの種類やマナーに関する疑問

ここでは初心者が抱きやすい釣りの種類やマナーに関する疑問を、筆者の経験を交えて解説します。
初心者にはどんな釣りがおすすめ?
筆者が初めて釣りをしたのは、近くの川でのコイやフナのエサ釣りでした。リールを使用しない「のべ竿」の釣りで、糸にウキとオモリ、ハリをセットしたシンプルな仕掛けで楽しめます。
海釣りなら、堤防での「サビキ釣り」もおすすめです。カゴに入れたコマセ(撒き餌)で魚を集め、疑似餌を多数セットした仕掛け「サビキ」で小アジやイワシなどを狙います。
足元に仕掛けを落とすだけで簡単に釣れるので、小さな子どもや女性でも手軽に楽しめるため人気です。1匹も釣れないということはほとんどなく、むしろ鈴なりに小魚が掛かって釣りの醍醐味を満喫できますよ。
釣り場で守るルールやマナーを知りたい
釣り場には、暗黙のマナーがいくつかあります。たとえば、隣の釣り人との距離を適切に保つ、ゴミは必ず持ち帰る、魚の扱いはやさしくなどは、厳密なルールではないけど、誰もが釣りを気分よく楽しむために必要な行動です。
また、釣り場によっては厳格なルールが設けられている場合があります。侵入禁止のエリアや使用できる道具、釣りが認められている期間などの規則は必ず確認しましょう。
釣り人同士のコミュニケーションも大切です。筆者は、釣り場ですれ違った釣り人に「どうですか?釣れますか?」と、必ず声をかけるようにしています。ちょっとした挨拶や会話で、釣り場の雰囲気はとても和やかになりますよ。
エサが怖くて触れないけど釣りはできる?
「釣りに興味があるけど、ミミズや虫などのエサを触るのが苦手」という人もいるのではないでしょうか。たしかに、生きているエサを使う釣りもありますが、疑似餌を使っても釣りは楽しめます。
たとえば、小魚を模した「ルアー」や川の虫に似せた「フライ」、ミミズのような形状の「ワーム」などを使うルアーフィッシングやフライフィッシングにチャレンジしてみましょう。
筆者も、どちらかというと生きている虫は苦手。ルアーフィッシングやフライフィッシングは魚種やスタイルが豊富なので、ぜひ調べてみてください。
釣り道具や費用に関する疑問

ここでは、釣り道具や費用に関する疑問に答えます。
釣りをするのにどれくらいお金がかかる?
釣りに必要な道具はジャンルによって異なりますし、また価格もピンキリです。たとえば、竿だけでも数千円から40万円を超えるものまで、さまざまな製品が販売されています。
初期費用を抑えたいなら、初心者向けのセット品をチェックしてみましょう。竿とリール、サビキ仕掛けなど、すぐに釣りを始められるスターターセットが5,000円以下でも購入可能です。
なお、釣り場によっては「入漁料」も必要になります。数百円から数千円までさまざまですが、短時間の釣行でも必ず入漁券を購入してから竿を出しましょう。
釣りの仕掛けを作るのが難しそう
釣りの仕掛けは、狙う魚種やジャンルによって異なるため一概にはいえませんが、初心者には自作が難しい複雑な仕掛けもたしかにあります。
シンプルな仕掛けでも初心者には難しい場合もあるので、竿にセットするだけで使える「完全仕掛け」を利用しましょう。近年は、クオリティの高い完全仕掛けが販売されています。
筆者はさまざまな釣りを楽しんでいますが、なかでも仕掛けが特殊なのが鮎の友釣りの仕掛けです。特殊な仕掛けなので、最初は完全仕掛けを利用しました。今では自作しますが、仕掛けの構造を完全仕掛けで学んだことが役立っています。
100円ショップの釣り具でも楽しめる?
最近は、100円ショップでも釣り具を販売していますね。安価なので一流釣り具メーカー製と比べて劣るのは致し方ないですが、十分に使用可能です。筆者が釣りを始めた頃は100円ショップ自体がなかったので使った経験はありませんが、手に取って見る限りは使えそうと判断できます。
ネットで検索すると「100円ショップのルアーで釣ってみた」のような記事や動画があるので、チェックしてみましょう。
フィッシングベストは必要ですか?

釣りを始めたいけど一歩を踏み出せない人の中には、「フィッシングベストを着たくない」という理由もあるようです。見た目が「おじさん向き」と感じられるからなのか、とくに若い人が敬遠する傾向があります。
収納性に優れるフィッシングベストは、釣りに特化した機能性を備えていますが、必須ではありません。フィッシングベストが必要ない釣りもありますし、ポーチやショルダーバッグでも代用できます。
釣り場に関する疑問

ここでは「どこで釣ればいいの?」といった、初心者が疑問に感じやすい点について解説します。
釣りを楽しめる季節や時間は?
釣りのシーズンは、夏が最盛期の鮎釣りや冬の風物詩のワカサギ釣りなど、魚種によって異なります。海釣りなら季節によって釣れる魚が変わるものの、1年中釣りが可能です。
釣れる時間帯も同様ですが、どんな釣りでも「マズメ時」※に釣れやすい傾向があります。朝の太陽が上る頃の「朝マズメ」や、日が沈む頃の「夕マズメ」が初心者でも釣果を上げるチャンスです。
※マズメ時…魚がよく釣れる時間帯を指す釣り用語。1日の中で、明け方(日の出前後)と夕方(日没前後)の時間帯を特に「マズメ時」と呼ぶ
自宅から海まで遠いけど、どこで釣りができるの?
釣りは海だけでなく、川や湖でも楽しめます。自宅から海まで2時間以上かかるなど遠いなら、近所のフィールドに目を向けてみましょう。
大きな川や湖でなくても、魚は生息しています。川と田んぼの間のちょっとした水路や小さい池に、どのような魚がいるのか観察してみてください。
釣り場まで距離があると往復の車の運転が大変ですし、ガソリン代や高速道路料金もかかります。釣りを趣味として長く続けるなら、長時間の移動による体への負担や経費も考慮し、まずは近場で探してみましょう。
初心者におすすめの釣り場は?
まったく釣りの経験がないなら、釣り場として整備されている「管理釣り場」へ行ってみましょう。なかでも、マス類を放流しているトラウト管理釣り場が人気です。
緑に囲まれた自然豊かな施設もあり、人工的に管理されてはいるものの、自然を満喫しながら釣りを楽しめます。道具をレンタルできる管理釣り場も多く、どのような道具を用意したら良いのかわからない初心者にぴったりです。スタッフのサポートを受けられる場合もあります。
また、海釣り公園もおすすめです。海上に設置された施設で柵を設けているなど、安全に配慮されているので小さな子どもや女性でも安心です。
釣り場は危険がいっぱいですか?
釣りは自然相手の遊びであり、常に危険に対する注意は必要です。筆者も滑りやすい場所で転倒し、運が悪ければ大事故になったかもしれない経験があります。
まず、滑りにくいシューズは必須。サンダルやクロックスなどで釣りをしている人を見かけることもありますが、大変危険なのでやめましょう。ジャンルによっては専用のシューズがあるので、チェックしてみてください。
海釣りではライフジャケットが欠かせませんが、最近では川釣りでも着用が推奨されています。毎年、川で流されて死亡する釣り人が必ずいるので、安全対策を怠らないようにしましょう。
ライフジャケットについてはこちらの記事をチェック
どこの釣り場でも釣れた魚は持ち帰っていいの?
自然のフィールドであれば、釣った魚を持ち帰るのは基本的に自由です。釣った魚を食するのは釣り人の特権ですので、新鮮な状態をキープして持ち帰りましょう。
ただし、川釣りでは持ち帰りのルールを設けているケースがあります。エリアや期間を区切り、釣った魚を逃がす「キャッチ&リリース」を義務化している場合があるので、漁協組合のホームページなどで確認しておきましょう。
ライター
阿部 コウジ
釣り歴30年以上のアウトドアライター。自然豊かな清流や渓谷に魅せられ、環境と共生する釣りの魅力や自然を大切にしたアウトドアの楽しみ方を発信。釣った魚を食べるのも好き。将来はキャンピングカーで車中泊しながら、日本各地の釣り場を巡るのが夢。