移住生活3年目となります。改めて振り返ると、都会時代では考えられないような出来事や変化がありました。万事順調に進んでいるわけではありませんが、その分根性は鍛えられました。今回は移住生活でのライフスタイルの変化や移住で得たものについてお伝えしたいと思います。
不便と自然の中で生命力は確実に上がる
移住して体感した最も大きな変化は、気力と体力の充実です。都会暮らしで生ぬるい生活を送っていた筆者にとって、移住生活は想像を超えるハードワークでしたが、徐々に環境に慣れていきました。
そして気がつけば、この10数年で最も体力トレーニングを行っているような充実感がありました。まずはその変化の過程をお伝えします。
生きるだけでエクササイズになる
田舎での生活は、徒歩圏内に何でもあって、便利で快適な都会暮らしとはだいぶ状況が異なります。
そして、その不便さは人力で解決することがほとんどで、否が応でも体力がついてきます。運動不足だった私も、生活するだけで筋力を養えました。
不便さを、運動と健康につながる要素としてポジティブに変換できれば、楽しみながら生活を送れるかもしれません。
引越しと穴掘りで基礎体力を養った
私の移住先は車が入れない場所にあります。車を持っていたとしても、荷物を運び込むのはすべて手によるものです。
その洗礼を真っ先に受けたのが引越し。大量の家財道具を手で持って運びましたが、積み上げられた荷物を前にして、これは無理だと諦めかけました。しかし実際にやってみるとできるもので、自分のヒョロ腕に秘められた潜在能力に気づいた瞬間でもあります。
また、移住後まもなく畑を借りることに。畑といっても元宅地の荒地で、荒地に穴を掘り、瓦礫をとって畑にしていく作業をひと冬かけて行いました。
地道な作業でしたが、荒地が変化していくのと同じくして、自分の体力レベルがアップしていくのを感じました。
移住初期で体力の強化を積極的に行い移住仕様のボディに仕上げていくと、その後の生活が楽になります。体力に自信のない人でも、毎日の積み重ねで確実に体力は向上しますよ!
自然に囲まれた生活はプライスレス
生きていくための力は食事や運動でもアップさせることはできますが、環境も大切な要素です。自然に囲まれた生活は健康によいといいますが、それを体感できたのが移住先での暮らしです。
移住先の特色を存分に堪能する
移住先は、それぞれ特色がある場合が多いです。私の場合は海があること、そして湯量日本一の温泉地であることです。
歩いて5分のところに美しいビーチがあるので、夏場はちょっとの空き時間でも海を堪能できます。1日15分泳ぐだけでも1日の充実度はグッと上がります!
また公共の温泉もたくさんあり、地元民だと安く入れるので頻繁に利用しています。移住先で自分の好きなアクティビティが行えるかどうかは、移住地決定の大きなポイントといえます。
事前にこうした情報を細かく入手しておくと、移住後の生活がより楽しくなりますよ。
朝からアルファ波がドバドバ出る鳥のさえずり
健康的な生活には質の高い睡眠が必須条件ですが、移住先ではそれが夢のように実現します。
夜は星や月が美しく輝き、人工の光はほとんどありません。そのため、新月の夜の外はとても暗いです。聞こえてくる音は、谷を流れる風の音や虫の声。こうした静寂の中にいると、考え事をする暇もなく眠ってしまいます。
夜明けとともに鳥たちが起きだし、私が目覚める頃には鳥たちが賑やかに活動しています。窓を開けて朝一番に聞く鳥のさえずりには、特殊な健康効果があるのではと思うくらい爽快な気持ちになれます。
都会で寝付きの悪かった人でも、環境が変われば深い眠りにつけるかもしれません。
老人と猫に囲まれた穏やかな毎日
私の移住先は高齢化の進んだ集落です。移住先では穏やかに暮らしたいと思っていたので、私には理想の環境といえます。ここでは、高齢化集落でのメリットをお伝えします。
中年でも若手扱いしてくれる
私は年齢からすると中高年ですが、移住先では若手になります。ご近所さんから色々と親切にしてもらうことが多いので、そのお返しに庭仕事や荷物運びなどの力仕事を手伝っています。
年上の方との付き合いが苦手でなければ、移住先としてそのような場所を選ぶのも選択肢のひとつではないでしょうか。
毎日の話し相手は野良猫
私の移住先は野良猫がたくさんいる地域のため、話し相手はもっぱら猫。仲良くなった猫は、1日に2〜3回私のところへ遊びに来てくれます。猫と遊ぶ時間はとても癒されます。
移住先で静かに暮らしたいと思っている人もいると思いますが、やはりコミュニケーションをとることは心の健康にとても大切。猫でも、気軽に話しかけられる相手を見つけるとよいでしょう。
ライター
いしいあきら
茨城の田舎町からギター片手に上京。特に音楽をやるわけでもなく出版業へ。読書ばかりしていた暗い青春時代が生きる。それなりに本を作ったり雑誌を作ったり楽しくすごす。しかし、その素性は田舎っぺ。年々、自然への憧れが強くなり、3年前にうっかり移住。海と猫と老人に囲まれ、幸せな毎日を送る。好きな果物はいちご。