路面状況に応じた雪道対応タイヤ
ファットバイクが雪道を走れるのは、太いタイヤが雪道に埋まらず、凹凸にも食いつきグリップ力を高めるからです。
しかし、一部のモデルで標準装備されているスリックタイヤの場合、雪道を走行することはできません。
スリックタイヤでは一般的な自転車のタイヤと同じく、舗装された道路に最適化されているので、雪道ではグリップ力がなくスタックしてしまうからです。
もし走行できたとしても、横滑りに対する性能がまったくないのでとても危険です。
雪道を自転車で走る場合は、ブロックタイヤまたはスパイクタイヤが必要になります。
ブロックタイヤは、オフロード車に装備されているように凹凸があるタイヤで、ほとんどのファットバイクやマウンテンバイクに標準装備されています。
ブロックタイヤは路面に食い込んでグリップ力を生み出すので、踏んで靴型が付くような柔らかい路面で効果を発揮します。
スパイクタイヤは、タイヤの表面からピンが出ているタイヤです。
自動車では原則的に違法(規制を除外される車両および一部地域を除き積雪や凍結路面での使用は合法)ですが、自転車や原動機付き自転車での使用は許可されています。
スパイクタイヤは、ブロックタイヤでもグリップしないような凍結路面や、硬く踏み固められた雪道で効果を発揮します。
雪道では凹凸も多く、横滑りのリスクが非常に高くなるので、最低でもタイヤだけは路面に適したものを装備しましょう。
スキーウエア・スノーボードウエア
ファットバイクは雪道も走りやすい自転車ですが、それでも不意に転倒する可能性は非常に高いです。
雪が付いて濡れると予想以上に体力を消耗しますし、汗を掻けば気化熱で一気に体温を奪われます。
これではレジャーどころではなくなってしまうので、身の回りの防寒にも気を使う必要があります。
入手しやすい防寒具だと、スキーウエアやスノーボードウエアがファットバイクでのスノーライドにも適していると言えるでしょう。
どちらも防寒に関しては高い性能を持っていますが、実は基本的な設計に違いがあることを知っていますか?
スキーは速いスピードで滑走するシーンが多いため、空気抵抗を考えて比較的タイトな作りになっている場合が多いです。
一方スノーボードの場合、パットやプロテクターを装備できるようゆったりした設計になっています。
これは実用的な面だけでなく、そういったスタイルがスノーボーダーに人気だという理由もあるでしょう。
ファットバイクでのスノーライドの場合、転倒することも考えるとパットやプロテクターがあった方が安心なので、どちらかと言えばスノーボードウエアのほうがおすすめと言えます。
すそバンド
すそバンドはスポーツ自転車に精通した方でなければあまり使ったことがないアイテムですが、スノーライドにもとても有効なアイテムです。
すそバントとは、スーツやジーンズなどすその広いズボンで自転車に乗るときに、クランクギアにすそが巻き込まれないようにするためのアイテムです。
ギアやチェーンにすそが触れてオイル汚れが付くのを防ぐ効果もあります。
ママチャリなどのシティサイクルでは私服で乗ることを前提に考えられているので、クランクギアやチェーン部分にカバーがありますが、多くのスポーツ自転車では軽量化のためにカバーが省かれています。
これはファットバイクでも同じで、ほとんどの場合カバーが付いていません。
特にスキーウエアやスノーボードウエアではブーツを履くためにすそが太くなり、クランクギアに巻き込まれるリスクも大きくなります。
特にクランクにすそが巻き込まれて転倒した場合は受身が取りにくいので、大怪我にも繋がりやすくなります。
転倒しなくとも、洗いにくいスキーウエアがオイルで汚れるのは避けたいものです。
すそバンドは数百円から購入できるので、夏場に私服で自転車に乗ることも考え1セット用意しておくとよいでしょう。
ちなみに、100円ショップのスーツケースベルトや荷締めベルトにすそバンドとして代用できるものもあります。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。