寒冷な冬のキャンプで起こりやすいのが低温やけどです。熱いと感じることなく、じわじわとやけどが進行するため、気付いたときには重症化する場合があります。そのような事態にならないために、低温やけどの原因や応急処置、予防法を紹介します。
冬のキャンプで注意したい低温やけど
体温より少し高い温度のものに、長時間触れ続けて生じるやけどです。初期は痛みも少なく自覚症状がないまま、じわじわと損傷が深くなっていきます。本格的に寒くなる冬に起こりやすいのが特徴です。
とくに冬のキャンプでは、多くのキャンパーが暖房器具を活用し、低温やけどをするケースが増えています。原因や症状を詳しく見てみましょう。
低温やけどの原因
冬のキャンプで使用する電気毛布・湯たんぽ・カイロなどの暖房アイテムが、長時間にわたって肌に触れることが原因です。とくに、熱を強く感じない約40〜50℃の低温の防寒用品を、就寝から朝にかけて連続して使用する場合は注意が必要です。
また、カイロや湯たんぽを押さえつけたり圧迫したりすると、短時間で低温やけどをしやすいので気を付けましょう。
低温やけどの段階と症状
低温やけどは、被害がおよぶ深さの違いから1度・2度・3度と3段階に分けられ、それぞれの症状が異なります。下記の表にまとめたので目安にしてみてください。
段階 | 深さ | 症状 |
1度 | 表皮 |
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2度 | 真皮 |
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3度 | 皮下組織 |
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高温による表皮やけどとは異なり、皮膚の内部にダメージを受けるため、早めの応急処置をして傷が残らないようにしましょう。
低温やけどの応急処置をする際の3つのポイント
気付いたときには進行していることが多い低温やけどなので、素早い応急処置が重要です。焦らずに適切な処置をすることで、治りが早く傷も残りにくくなるでしょう。応急処置のポイントを3つ紹介するので、ぜひ活用してみてください。
①すぐに冷やす
最初の応急処置として重要なのは、清潔な流水で患部を10〜20分程度流し冷やすことです。これにより、表面から深部に損傷がすすむのを防ぎ、痛みや水ぶくれを軽減できます。
服を着たままやけどをした場合は、服の上から流水で冷やしましょう。無理に脱がせると、皮膚を傷つけてしまう恐れがあります。
保冷剤などの使用は、皮膚がくっついたり、水ぶくれが潰れたりして、かえって悪化する場合があるので注意しましょう。
②やけどの症状を確認して病院へ行く目安にする
やけどを冷やしたあとは、患部の状態をチェックしましょう。やけどの段階によって、応急処置の内容が変わります。
段階が1度の場合は、炎症をおさえる外用薬を使用すれば、後遺症や傷跡を残さずに治せます。万が一のために炎症剤を常備しておきましょう。1度だとしても広範囲のやけどの場合や、段階が2度や3度の症状だったときは、キャンプ中でも病院の受診をおすすめします。
③水ぶくれは潰さないようにする
水ぶくれになった場合は潰さないようにしましょう。水ぶくれの透明な液には、傷を治す成分が入っているからです。
また、潰した患部から雑菌が入り、感染症を引き起こす恐れがあります。万が一潰れてしまった場合は、皮膚をふた代わりにして剝がさないようにしましょう。
水ぶくれができると皮下組織まで損傷し、治りが遅くなるため、なるべく早く医療機関を受診しましょう。
低温やけどの予防法
暖房器具に記載してある注意事項を守って正しく使用することが、低温やけどの予防につながります。
低温やけどは、熱さを感じたときには進行していることが多いため、事前の対策と予防が大事です。
とくに、低温やけどの主な原因である「熱いものが長時間肌に触れる」ことを事前に予防する防寒グッズを紹介します。
タイマー付きの電気毛布にする
冬キャンプの必需品でもある電気毛布を選ぶ際は、タイマー付きのものが便利です。あらかじめタイマーを設定することで、就寝中に低温やけどが進行し、目が覚めたときには重傷になっていたという事態を回避できます。
以下の記事で紹介している電気毛布特集も、ぜひ参考にしてみてください。
湯たんぽケースを活用する
昔ながらの防寒グッズである湯たんぽは、そのまま使用すると低温やけどになる場合があるため、湯たんぽケースを活用するとよいでしょう。ケースに入れた湯たんぽを使うことで、じかに肌に触れなくなり、低温やけどをしにくくなります。
以下の記事では、湯たんぽケースの活用方法や効果を紹介しているので、参考にしてみてください。
使い捨てカイロは肌に直接触れないようにする
貼るタイプを使用する場合は、必ず衣類の上からにし、長時間同じ場所には貼らないようにします。貼ったまま寝るのは、低温やけどのリスクが高いのでやめましょう。
冬のキャンプを快適に過ごすために、カイロや電気毛布などの防寒用品は必要ですが、低温やけどには気を付けなければなりません。自覚症状のないまま重症化する場合があるため、肌がヒリヒリしたり、痛みを感じたりしたら、流水で冷やすなどの応急処置を必ずしましょう。やけどの状態によっては、直ちに病院を受診する必要があります。低温やけどをしないように予防を心がけて、冬のキャンプを楽しみましょう。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。