ガスボンベ・ガス缶を使用するときの注意点
冬キャンプに欠かせないガスボンベ・ガス缶ですが、使用には細心の注意が必要です。注意点についてみていきましょう。
必ず換気しよう
テント内や車内で使用する機会が増えがちな冬キャンプでは、必ず換気をしながら使ってください。十分な換気がなされていない状況下では、一酸化炭素中毒におちいる可能性があるためです。
燃焼器具は、基本的に屋内で使用しないのが鉄則です。しかし、冬キャンプではどうしても屋内で使用しなければならない場面があるでしょう。
また、テント内や車内の一酸化炭素濃度をリアルタイムで確認できる一酸化炭素チェッカーの活用もおすすめです。
ガス漏れに注意しよう
ガス漏れを防ぐため、所有するガスボンベ・ガス缶と同一メーカーの燃焼器具を必ず使用しましょう。接続部がぴったり合い、ガス漏れしにくいためです。
ガス漏れは火災やヤケドの原因となるため、正しく使う必要があります。誤った使用方法により、ガス漏れが起こる可能性があります。
サイズの合った調理器具を使おう
燃焼器具にしっかりとのせられるサイズの調理器具を使用しましょう。サイズが大きすぎると、調理器具からの放射熱がガス缶に伝わりやすくなり、爆発する危険があるためです。
放射熱とは、遠赤外線や近赤外線といった、いわゆる赤外線を介して伝わる熱を指します。放射熱は、温度の高いほうから低いほうへ伝わります。
燃焼器具からはみ出す調理器具を使用する際や、熱伝導率の高い鉄製の器具を使う場合には、とくに注意してください。
容器の劣化に気をつけよう
ガスボンベやガス缶がさびついていたり、歪みなどの変形があったりする場合は、使用を避けましょう。劣化したガスボンベやガス缶を使うと、ガス漏れが起きる可能性があり大変危険です。
とくに、接続部の劣化はこまめに確認しましょう。接続部のリングはゴム製のため、年月とともに劣化しやすい部品です。
ガスボンベ・ガス缶は、製造から約7年が使用期限とされています。製造年月日を必ず確認して、使用期限を過ぎているものは使わないようにしてください。
最後まで使い切ろう
キャンプで使うガスボンベ・ガス缶は、使い切りが基本です。あまった状態で持ち越さないのがよいでしょう。
あまったらきちんとキャップをして、高温多湿にならない平らな場所で保管します。とくに、直射日光には注意が必要です。高温になるとガスが膨張し、爆発する危険があります。なるべく最後まで使い切りましょう。
冬キャンプにはOD缶がおすすめ
OD缶とは、アウトドア缶の略称であり、アウトドア専用のガスボンベ・ガス缶を指します。OD缶に対して、家庭用のカセットコンロで使われるタイプは、CB缶またはカセットボンベと呼ばれます。
OD缶とCB缶の大きな違いは、用いられているガスの種類と混合比率です。OD缶では、寒冷地向けの商品として、液体が沸騰する温度である沸点が低いプロパンやイソブタンを使用しているものがあります。
そのため、寒さの厳しい冬キャンプでも、安定した火力を維持しながら料理ができます。冬キャンプで使用する際は、プロパンやイソブタンの混合比率が高い商品を選んでください。
ガスの種類 | 沸点(常圧) | 主に使用されているガスボンベ・ガス缶 |
ノルマルブタン | -0.5℃ | CB缶・OD缶 |
イソブタン | -11.72℃ | OD缶 |
プロパン | -42.04℃ | OD缶 |
ドロップダウンしてしまったときの対処方法
ドロップダウンとは、低温によってガスが気化しにくくなり、火力が弱まったり、火がつかなくなったりする現象です。
ドロップダウンが起きてしまったら、危険の少ない方法でガスボンベ・ガス缶をあたためましょう。具体的な方法として、毛布で巻いたり、手であたためたりするのがよいでしょう。お湯をかけたり、遠火であたためたりするのは危険なので避けてください。
また、低温下でも気化しやすいガスを使用した、寒さに強いガスボンベ・ガス缶が販売されています。通常のものと比べてやや高価ですが、こちらを選ぶのもおすすめです。
以下の記事では、ドロップダウン対策について詳しく紹介しています。気になる人はあわせてチェックしてみてください。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。