登山での事故や遭難が年々増えており、山岳保険に入るのがマナーといわれています。しかし、補償内容や費用が幅広く、なにを選べばいいのかわからないのが正直なところ。そこで今回は、山岳保険の必要性や選ぶときのポイント、おすすめの保険を紹介します。

 

山岳保険とは?加入する必要はある?

2023年版 山岳保険 単契約/年間契約

山岳保険とは、登山での遭難救助や捜索にかかる費用を補償する保険です。補償内容はさまざまで、救助費用だけでなく、携帯品などを補償するものもあります。

リスクに備え、登山をする人は入っておく必要があるでしょう。下記の記事でも詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

登山 保険
【2024年版】山岳保険おすすめ15選!加入するメリット・選び方

 

山岳保険が必要な理由

2023年版 山岳保険 単契約/年間契約

万が一遭難やケガをした際の、捜索・救助・ケガの治療などにかかる各種の費用をカバーするためには、山岳保険に加入する必要があるといえます。

基本的に、警察や消防による捜索・救助活動は無料です。しかし、民間の救助隊やヘリコプターが出動した場合、遭難者が費用を負担しなければなりません。たとえば、民間のヘリコプターで捜索や救助をすると、1時間で50〜80万円ほどの費用がかかるでしょう。

また、登山は事故のリスクもつきものです。落石などで他人にケガをさせて、賠償責任が発生することもあるでしょう。

山岳保険に入ることで、上記のようなリスクを幅広くカバーできます。自分や家族のためにも、山岳保険に加入しておくとよいでしょう。

 

山岳保険を選ぶ際の3つのポイント

2023年版 山岳保険 単契約/年間契約

山岳保険には、その都度加入する単契約と年間契約の2タイプがあります。そのうえ、補償の範囲や内容などの種類はさまざまです。自分に適したものを選ぶためのポイントを3つ紹介します。

①契約期間|登山の回数にあわせて選ぶ

登山の頻度にあわせて、単契約か年間契約かを選択しましょう。

単契約|登山の回数が少ない人向け

登山をはじめたばかりの人や、年に数回の登山をする人なら、単契約がおすすめです。単契約とは、1日から契約できる保険です。登山をするごとに契約ができ、費用が抑えられます。

ただし、補償内容が乏しい場合があるので、山行の内容と照らしあわせた確認が必要です。また、登山時の契約を忘れないように気を付けましょう。

年間契約|登山の回数が多い人向け

登山をする回数が多い人は、年間契約を検討しましょう。年間契約とは、1年を通じてすべての山行を補償する保険です。その都度契約する必要がなく、手間がかからないのがメリットといえます。

また、年に10回以上の登山をする人は、1回あたりの保険料を安く抑えられるメリットもあります。

②補償範囲|登山のスタイルにあわせて選ぶ

山岳保険を選ぶ際は、自分の登山スタイルに適した補償範囲かを、しっかりとチェックしましょう。山岳保険の補償範囲は、登山のスタイルによって変わります。

アイゼンやピッケルが必要な雪山や、ロープやザイルを用いるクライミングなどの、危険をともなう山岳登攀(さんがくとうはん)は、補償対象外のものがあります。

③補償内容|重視するポイントを考慮して選ぶ

保険によって補償内容が異なるため、重視する部分を考えて選びましょう。主にチェックしたいのは下記の5つです。

  1. 遭難・救助費用
  2. 賠償責任保険
  3. 入院・手術・通院保険金
  4. 死亡・後遺傷害保険金
  5. 携帯品損害保険金

おすすめの山岳保険4選

2023年版 山岳保険 単契約/年間契約

おすすめの山岳保険を4つ紹介します。それぞれの内容を確認し、自分に適したものを選んでください。

①モンベル

登山スタイルにあわせて、4タイプから選べるのが特徴の保険です。申し込みをした翌日の午後から補償されます。

また、モンベルクラブ・メンバーズカードのポイントが貯まるうれしい特典があります。ただし、モンベルメイトに登録する必要があるので、すでに会員の人や、モンベル愛用者にぴったりです。

保険名 契約期間 登山スタイル 保険料
モンベル野あそび保険 単発 軽登山~本格登山 250円~
モンベル山行保険 単発 軽登山~山岳登攀 1,000円~
野外活動保険 年間 軽登山~本格登山 3,420円~
山岳保険 年間 軽登山~山岳登攀 6,340円~

公式サイト:モンベル アウトドアを楽しむ人のための傷害総合保険と国内旅行傷害保険

②jRO(ジロー)日本山岳救助機構合同会社

捜索や救助費用の補償に特化した山岳保険です。年会費のほかに、数百円程度の事後分担金を、会員全員で負担します。事後分担金とは、1年間の救助費用などの総額を、会員全員で均等に割ったものです。

すべての登山スタイルに対応しているので、幅広く登山を楽しむ人におすすめです。ただし、個人賠償請求や携行品補償などは補償内容に含まれていないため、ほかの保険と組みあわせるのもよいでしょう。

保険名 契約期間 登山スタイル 保険料
山岳遭難対策制度ジロー 年間 軽登山~山岳登攀 2,200円
(入会費2,200円:別途)

公式サイト:jROの山岳遭難対策制度

③ココヘリ

遭難に備えた手厚い補償が充実している保険です。早期発見に役立つ発信機能が付いている専用の会員証が大きな特徴です。緊急コールセンターは24時間365日対応しており、捜索開始から約3時間以内での遭難者の発見を実現しています。

また、捜索費用は最大550万円まで補償するほか、個人賠償責任制度やアウトドア用品補償も充実しています。万が一の遭難に備えておきたい人には、大変心強い保険でしょう。

ただし、死亡や入院の補償は含まれていないので、必要な人はほかの保険と組み合わせましょう。

保険名 契約期間 登山スタイル 保険料
通常プラン 年間 軽登山~山岳登攀 5,500円
(入会費3,330円:別途)
3年プラン 3年間 軽登山~山岳登攀 14,850円

公式サイト:COCOHELI ココヘリ | 山岳遭難対策制度

④やまきふ共済会

種類が多く、登山スタイルや重視するポイントにあわせて選びやすい保険です。登山計画書を提出していれば、高額補償が受けられるのが大きな魅力です。

また、保険料の一部が遭難対策費用に寄付されるので、登山の環境整備などに貢献したい人は、ぜひ加入しましょう。

保険名 契約期間 登山スタイル 保険料
やまきふワンタイム 単発 軽登山~本格登山 660円~
やまきふ共済会 年間 軽登山~本格登山 4,000円
やまきふプラス 年間 軽登山~本格登山 7,500円
やまきふエキスパート 年間 軽登山~山岳登攀 10,000円
ふじさん共済 単発 本格登山 660円~

公式サイト:やまきふ共済会|楽しく安全な登山を支援する新しい山岳保険制度

登山をしていれば、誰もが事故や遭難にあう可能性があります。山岳保険に加入することで、高額な捜索費用やケガの治療費などをカバーできるでしょう。自分だけでなく家族のためにも、登山をするなら必ず入っておきたいものです。登山の頻度にあわせて、単契約と年間契約を選択してください。さらに、登山スタイルに適した補償範囲や内容かどうかを確認しましょう。山岳保険に加入していない人は、この機会にぜひ検討してください。

ライター

yuki

幼少期からキャンプや釣り、スキーなどを楽しむアウトドアファミリーで育つ。10代後半は1人旅にハマりヨーロッパや北米を中心としたトラベラー期となる。現在もスキー、スノーボード、ダイビングなど海や山で活動中。「愛する登山」は低山から厳冬期の雪山まで季節問わず楽しむhike&snowrideなスタイル。お気に入りの山は立山連峰!Greenfield登山部/部長の任命を受け部活動と執筆活動に奮闘中。