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オイルランタンで使える2つの燃料と特徴
オイルランタンに利用できる燃料は「パラフィンオイル」と「灯油(もしくは白灯油)」の2種類です。
ストーブで馴染みのある灯油が燃料になるのはご存じでしょうが、パラフィンオイルは普段なかなか使わないアイテムです。そこで、まずはそれぞれの特徴を解説します。
パラフィンオイル
パラフィンオイルとは、石油を蒸留して精製された燃料の一種です。精製の過程で不純物が取り除かれ、燃焼時に煤が発生しにくいという特徴があります。煤が多く発生すると、ランタンのホヤの部分が黒く汚れて明るさにも影響するので、煤を取り除くために掃除する作業が必要となります。
パラフィンオイルは煤が発生しにくい分ホヤが汚れにくいので、キャンプに慣れていない初心者や、メンテナンス作業に時間をかけたくない方に適したアイテムです。
オイルの状態でも、燃焼しているときでも、においが少ないのもパラフィンオイルの特徴です。食事のときなど、においが気になるシチュエーションでも使いやすいでしょう。
そして、燃料に火がつく温度である「引火点」が高く、じわじわと火が着いてメラメラと小さく燃えるため、初心者にも扱いやすいという特徴もあります。
灯油
オイルランタンのもう一つの燃料は、家庭用のストーブなどでも使われる灯油です。灯油は無色透明で、一見パラフィンオイルと変わりませんが、独特のにおいがします。この灯油のにおいは硫黄系臭気といわれ、好みが分かれるにおいのひとつです。
灯油はパラフィンオイルに比べて煤が発生しやすくホヤが黒く汚れやすい傾向があります。これは、灯油に含まれる不純物の燃焼や、オイルが燃える際の酸素量による影響が原因と考えられます。
メンテナンスの手間は生じますが、ガラス製のホヤに付着した煤汚れは、乾いたタオルで拭くことで簡単に清掃できます。
灯油の引火点は40℃ほどで、パラフィンオイルと比較するとやや低めですが、燃料として一般的で家庭に多く流通している分、扱いやすい面もあるでしょう。
オイルランタンの燃料の選び方で大切な4つのポイント
オイルランタンの代表的な燃料として、2種類のオイルを挙げて紹介してきましたが、それぞれ特徴に相違点があります。どんなシーンでどちらのオイルを使うべきか、比較しながら確認していきましょう。
におい
ランタンのにおいを基準にオイルを選ぶなら、パラフィンオイルが優位といえるでしょう。独特のにおいがある灯油と比べ、パラフィンオイルには気になるにおいが発生しません。とくに調理や食事のときにランタンを使うなら、においの有無はオイル選びの重要ポイントになるでしょう。
価格
燃料の価格で考えると、安価なのは灯油です。パラフィンオイルの価格は、1Lあたり1,000円以上するものも珍しくありませんがが、灯油の場合、1Lあたり100円程度で手に入ります。
燃料の安さからすれば、灯油が圧倒的に優れます。よくキャンプに出かける方や、まとめて購入してリーズナブルにおさえたい方には灯油がおすすめです。
ただし、灯油は少量で購入しにくい側面があるので、年に数回程度の使用を想定しているキャンパーは、500ml程度から購入できるパラフィンオイルのほうが適しているかもしれません。
使う場所
ランタンを使用するシチュエーションによっても、パラフィンオイルと灯油、それぞれの適正が変わってきます。
夏季は、虫よけ効果を付加されたパラフィンオイルがおすすめ。ミントのような虫が嫌うとされる成分を含むパラフィンオイルが販売されています。蚊など、屋外で虫が気になる時期には嬉しいポイントといえるでしょう。
夏季以外のシーズンは、ほかの条件をもとにパラフィンオイルか灯油かを選択してもよいでしょう。
燃焼時間
ランタンがどれくらい長く燃焼させられるか、という燃焼時間も重要な条件といえるのではないでしょうか?
120mlの灯油とパラフィンオイルをそれぞれ使用する場合、灯油の燃焼時間は約8時間ほどなのに対し、パラフィンオイルは約24時間燃焼します。これは、ランタンの芯の形状や、使用する炎の大きさなどの条件にもよりますが、一般的にはパラフィンオイルの方が燃焼時間が長い傾向にあります。
灯油の燃焼時間でも、一晩程度なら十分といえるでしょう。燃料を補充する手間を減らしたいキャンパーや、キャンプ場に連泊することの多い方は、燃焼時間の長いパラフィンオイルがおすすめです。
オイルランタンの燃料にアルコールやサラダ油は代用できない!
オイルランタンの燃料として、アルコールやサラダオイルなどは使用できません。
燃料用アルコールは、アルコールストーブの燃料として、調理などで使用する機会があるかもしれませんが、オイルランタンに併用するのはNGです。燃料用のアルコールの引火点は約11℃ほど。燃える勢いが強いのに加え、揮発性も高く、ランタンの内部で爆発するおそれがあります。
また、キャンプ料理で使用することも多いサラダ油ですが、こちらは引火点が250℃以上と高く、オイルランタンの燃料に使おうとしてもまず点火ができません。着火できないとなると試すだけの価値はないでしょう。
オイルランタンの燃料を安く購入できる場所
オイルランタンの燃料になるパラフィンオイルと灯油は、どこで購入できるのでしょうか?できるだけ安く購入できる場所をまとめました。「ここでも買えるんだ」という新しい発見のヒントにしてください。
パラフィンオイルと灯油を扱うホームセンター4選
パラフィンオイルや燃料の購入先として、ホームセンターが代表的といえるでしょう。コメリやカインズホームなど、身近なホームセンターで購入できます。
ドン・キホーテ
「驚安の殿堂」でおなじみドン・キホーテでパラフィンオイルを購入できます。オイルランタン本体が数種類販売されており、セットになっている商品もあるのでお得に購入可能です。
パラフィンオイルが単体で販売されているわけではなく、キャプテンスタッグのオイルランタンを購入すると付属品として入手できます。販売されているのは「キャプテンスタッグ ランタン用パラフィンオイル」で、たいていはアウトドア用のコーナーに陳列されていますので、ぜひチェックしてみてください。
また、店舗によっては灯油も購入できます。MEGAドン・キホーテ ラパーク金沢店では販売が実施されています。
カインズホーム
カインズホームでは、パラフィンオイルと灯油ともに購入が可能です。
パラフィンオイルなら「カメヤマ オイルランタン用パラフィンオイル」や「キャプテンスタッグ 虫除けパラフィンオイル」、ドンキホーテでも販売されている「キャプテンスタッグ ランタン用パラフィンオイル」などが販売されています。
灯油については店内での購入ではなく、給油所を利用する流れです。
基本的な購入方法配下の通りです。
- レジで必要な料金を支払う
- レシートを持って給油所へ行く
- 担当者にタンクへ入れてもらう
灯油の給油用タンクについては自分で用意する必要があるので、自前のものを持っていくか、店内で購入しましょう。
コメリ
コメリでもパラフィンオイル、および灯油を販売しています。
ドン・キホーテ、カインズホームなどと同じく、販売しているのは「キャプテンスタッグ ランタン用パラフィンオイル」です。
灯油については、基本的にはカインズホーム同様、給油用タンクを持参して給油してもらう方式です。また、「灯油宅配サービス」も実施しており、店舗に給油・購入のために足を運ばなくても、宅配してもらえます。家でストーブにも使うので多めに欲しい、というようなときは宅配サービスの利用をおすすめします。
DCM
ホームセンター、DCMでは豊富なパラフィンオイルを取り扱っています。
「STAR(スター) スターパラフィンオイル」や「STAR(スター) スターパラフィンオイル 虫除けハーブ」、他店舗でも販売されている「キャプテンスタッグ ランタン用パラフィンオイル」、「キャプテンスタッグ 虫除けパラフィンオイル」など、選択肢が豊富です。
また、灯油も全店舗ではありませんが販売している店舗もあります。公式サイトのショップリストにて、条件を「灯油販売」で検索するとお近くのDCMでの取扱店舗が分かります。
パラフィンオイルはダイソーでも購入可能
引用:ダイソー
オイルランタンの燃料となるパラフィンオイルは100均でも購入可能です。全国に展開しているダイソーでは「ハーバリウム専用オイル」という名称の製品が販売されています。
本来はドライフラワーなどをこの専用オイルに浸し、インテリアとして楽しむためのアイテムですが、流動タイプのパラフィンオイルでもあり、オイルランタンの燃料にそのまま使えます。
量が50mlと通販などで見られる製品よりも少量ですが、パラフィンオイルの燃焼時間の長さは紹介したとおり。1回分程度なら十分持つでしょう。
オイルランタンのおすすめ燃料5選
オイルランタン用の燃料は、さまざまな店舗で種類豊富に販売されています。今回は、そのなかから実用的なおすすめ商品をピックアップしました。虫よけ効果があり夏場にも便利なアイテムも紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
KAVILA パラフィンオイル ランタン用
口コミで高い評価を多く得ているパラフィンオイルです。においが少なく、これまでオイルランタンを使用する際に灯油のにおいが気になっていた方におすすめのランタンオイルです。
容器を移し替えずにボトルのまま使用できるので注ぎやすく、キャンプなどのアウトドアへの持ち運びに便利です。さらに、保存期間は約4年と長いので、使用頻度が少ない方も保管しやすいのもおすすめポイントです。
1リットルで1,500円弱と価格もリーズナブル。パラフィンオイルを使ってみたいと考えていたキャンパーは、まずこちらを使ってみてはいかがでしょうか?
STAR(スター) スターパラフィンオイル
こちらも通販サイトの口コミで好評のスターパラフィンオイルです。引火点が95℃以上とほかの液体燃料に比べて高く、揮発性が低いので初心者にも扱いやすい燃料です。
燃焼中に発生する熱量は灯油と同等ですが、煤やにおいがほとんど出ないので、燃焼器具をクリーンに使用でき、その分お手入れも簡単です。
価格も1Lで最安1,300円台と比較的リーズナブルですので、お買い得なパラフィンオイルを探している方はこちらを使ってみてください。
キャンライト カラーリング ランプオイル
注ぎ口にノズルがついているパラフィンオイルです。においが少なく、煤や煙も出にくいので室内でも扱いやすい燃料です。引火点は98℃と高く、キャンプ用のランタンだけでなくテーブルランプにも活用できるでしょう。
注ぎ口が付属しているため、オイルを入れる際にこぼれにくく、持ち運びの小分けボトルにも入れやすく便利という口コミも寄せられています。
カラーバリエーションは、レッド・ブルー・バイオレットなど、10色ほどが展開されています。
2Lタイプも選べるので、国産の燃料を多めに用意したいキャンパーにおすすめです。
KAVILA ランタン用虫除けパラフィンオイル
虫よけに効果的なパラフィンオイルとして、KAVILAのランタン用虫よけオイルをおすすめします。虫除けに効果的な除虫菊の成分を配合。天然由来の成分でつくられており、使用時のにおいは控えめです。
灯油の約8倍の4年間の長期貯蔵が可能で、年に数回しかキャンプやアウトドアでオイルランタンを使用しないという方も、 買い換えることなく次のシーズンに使用できます。
虫の多い夏休みににおいに敏感な子どもとキャンプを楽しむときなど、とくにおすすめです。
キャプテンスタッグ 虫よけパラフィンオイル
国内で人気の高いアウトドアブランド、キャプテンスタッグの虫よけパラフィンオイルです。虫除け効果があるので、キャンプなど夏場のアウトドアにおすすめです。
特徴として白灯油の2倍の明るさで燃えるので、電気のない場所でも明るく照らしてくれます。におい同様、煤も発生しにくく、ランタンのお手入れは簡単です。
口コミではさっぱりとしたハーブのような香りも好評。ランタンによい香りの燃料を使いたい方にピッタリです。
オイルランタンの燃料の入れ方と抜き方
オイルランタンの燃料は、目的やシーズンによって選ぶことが大切です。ランタン本体と燃料が準備できたら、あとは注入して使うだけ。実際のオイルランタンへの燃料の入れ方、抜き方をご紹介します。
燃料の入れ方
まず、オイルランタンへの燃料の入れ方の流れです。
- ランタンを平らな場所に置く
- 容器の注入口から燃料を注ぐ
- 半分程度の量まで注ぐ
- 芯が十分に染み込むまで待つ
ポイントになるのは、燃料を入れる量。適量とされるのは半分程度で、ランタンの二重構造の二層目、空気層へのオイル侵入を防止するためです。
パラフィンオイルであれば、50mlで5~6時間程度持つので、あまり多く入れる必要もないでしょう。
ランタンにオイルを注入したら、すぐに点火はせず、芯にオイルが染み込むまで放置しましょう。とくに新しい芯を使う時は、長時間放置してしっかりと染み込ませるのがポイントです。
燃料の抜き方
ランタンのタンクに余った燃料の抜き方はおもに2通りあります。
- スポイトで移す
- ボトルに注いで抜く
一般的には、空きボトルに直接注ぎ、保管されることが多いようです。
オイルランタンには逆流防止弁が付いていることが多く、ランタンをひっくり返しても芯の部分から燃料が漏れないようになっています。この構造を利用すれば、本体の注入口からオイルをほかのボトルへ注ぐのも簡単にできます。
ランタンのオイル漏れ問題の多くは、キャップ部分から発生します。ランタン運搬中のオイル漏れを防ぐには、オイルをある程度抜いて減らしておくことで対策できます。抜いたオイルを入れておくためのボトルを用意しておくとよいでしょう。
オイルランタンの燃料でよくある質問
オイルランタンにはヴィンテージ品もあり、奥が深いアイテムとして愛されています。これからアウトドアで活用するとしたら、さまざまな疑問が湧いてくるでしょう。最後に、オイルランタンの燃料に関する質問をいくつかピックアップします。
燃料を入れたままオイルランタンを放置しても大丈夫?
基本的には、ランタンに燃料を入れたあとは毎回抜き取るようにしてください。燃料を入れっぱなしにしても、オイルランタン自体の劣化にはつながりません。しかし、移動時に本体が傾くとオイルがこぼれたり、オイルタンクの劣化を早めるおそれがあります。
いつも漏れないように気を配るのはストレスですので、心配のないように燃料は抜くようにしましょう。
オイルランタンは寝る前に消すべき?
就寝前にオイルランタンの火は消すべきです。優しい明りを生み出すオイルランタンですが、火を使う照明器具のため、火災や一酸化炭素中毒などの危険性はゼロではありません。基本は消して寝るようにしましょう。
人気のキャンプ場などでオイルランタンを使う場合、明るいランタンを点灯したままにするのは周囲に迷惑になることがあります。就寝時間には完全に消して、常夜灯としてLEDランタンなどを活用しましょう。
オイルランタンに一度に入れられる燃料の量は?
オイルランタン本体のタンク容量によって異なりますが、基本的には満タンの半分です。
コンパクトなランタンなら150ml、大きめのモデルなら300ml以上燃料が入るランタンがありますが、いずれも使用時に満タン状態にはしません。150mlの場合は75ml、300mlなら150mlと、空気層への侵入防止のために半分まで入れて使用しましょう。
オイルランタンで使う燃料はパラフィンオイルか灯油がおすすめ!
パラフィンオイルと灯油、どちらをオイルランタンの燃料として使うかは人によりますが、本記事ではパラフィンオイルを推奨します。
灯油は1リットルあたり100円という安さが売りですが、独特のにおいは好みが分かれます。その点、パラフィンオイルならにおいは少なく、煤も発生しないので手入れの手間もかかりません。さらに、プラスアルファで虫よけ効果のある製品が販売されており、利便性にも優れる燃料です。
灯油と比べ、あまりにコストがかかりすぎる、ということもないので、オイルランタンにはぜひパラフィンオイルを活用してみてください。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。