9月はなぜ台風が接近しやすいのか?
春の時期に発生する台風は、緯度も低く西に進むことが多いため、日本に接近することはほとんどありません。
夏の時期になると海水温の上昇から台風は、高い緯度で発生するようになります。そこから太平洋高気圧のふちに沿って北上し、偏西風の影響で回り込むような進路になるのです。
9月の台風は、海水温が高いので発生数も多く、太平洋高気圧が弱まることで日本に接近する進路が多くなります。
9月の台風の波と普段の波の違いとは
9月の台風は長い期間うねりの波をもたらすことが特徴です。その理由は日本に接近する進路が多いこと、秋の時期よりも偏西風が弱いためゆっくりとしたスピードで進むことが多いなどが考えられます。
台風の波と普段の波との違いは、波の周期数値の大きさです。周期とは、1つの波の山の高い位置から次の波の高い位置が来るまでの時間を表しています。この数値が多いほど、波は力強いうねりとなるのです。
台風の波は、周期数値が非常に大きい力強いうねりが約2,000km先まで到達します。そのため9月の台風の波は、水量も多くパワフルなコンディションが長期間続く傾向です。
台風のときのサーフィンの心得
台風の波は、普段の波とは違うスピードや、パワーのあるサーフィンを楽しむことができます。そのようなコンディションならではのスリル感を味わえることも魅力といえるでしょう。
しかし、その波は判断を間違えるとリスクもあります。とくにビギナーサーファーの方は、怪我や事故を起こさないための心得を覚えておきましょう。
心得①ひとりでは入らない
台風のサイズがある波でサーフィンをする際は、ひとりで入ることはおすすめできません。
台風の力強い波では、リーシュが切れてサーフボードが流されたり、ワイプアウトして波に巻かれてサーフボードが折れてしまうことが考えられます。そのため、普段の波にはない不意なアクシデントが起こることがあります。
しかし、海へ一緒に入っている仲間がいると、アクシデントのときに手を借りることができます。
中上級者のサーファーの方も、台風の波は何度も経験があるからと過信せずに、極力ひとりで入るようなシチュエーションは避けるようにしましょう。
心得②ビギナーサーファーは無理しない、無理させない
ビギナーサーファーは、台風の波で無理は禁物です。台風の波が打ち寄せる水量の多さは、普段とは違うカレント(離岸流)を発生させることがあります。
その流れにビギナーサーファーが流されて救助された事故は、台風の時期に起こることが多いです。波が大きくカレントも強そうなコンディションでは、うねりを軽減するサーフポイントに移動したり、その日は海に入らないという判断することも重要です。
挑戦することも大事ですが、挑戦するためには相当のスキルが必須となります。中上級者サーファーは、ビギナーサーファーがいた際は無理をさせないように教えてあげましょう。
心得③台風接近前は急なサイズアップに気をつける
台風の波でサーフィンをする際は、接近前と通過後のタイミングを狙います。とくに気をつけてほしいのは、台風が接近前のコンディションです。
台風接近前はみるみる波がサイズアップしてきて急に風が強まったり、雷雨など荒天になったりと急なコンディション変化がおこります。
台風通過後は、徐々に海が落ち着いていく傾向なので波の判断も比較的しやすいです。ビギナーサーファーが入るなら、台風通過後で無理のないコンディションを選ぶとよいでしょう。
心得④リーシュコードはチェックしておく
サーフボードを流さないように足首へ装着するリーシュコードは、台風コンディションでのサーフィン前にしっかりとチェックしておきましょう。
ワイプアウトしたときボードが波にさらわれると、いつもより力強く引っ張られます。そのような状況でつかい込んだリーシュコードを使用すると、切れてしまったり、ベルクロが外れたりというアクシデントが起きる可能性があります。
リーシュが古くなっているようであれば、新しく買い替えて準備することをおすすめします。また、サイズのある波用に太めのリーシュを予備に持っておいてもよいでしょう。