スズメバチはどんな虫?
対策にはまず相手を知ることから。スズメバチがどんな虫なのかを知っておき、もし外で出会ったらあわてずによく観察して冷静に対処しましょう。
スズメバチの生態
スズメバチは全国の低地から低山地に4月~12月にかけて生息しています。攻撃性が増して危険なのは繁殖期である7~10月。人が被害にあう理由としては、スズメバチにとって大切な巣や餌場が荒らされることを警戒するためです。
スズメバチの成虫は巣にいる幼虫のために餌を集めます。その餌となるのが昆虫などで、キャンプの肉や魚のにおいにも寄ってきます。また、樹液や花の蜜も集めるため、アルコールや甘い飲料にも集まり危険です。
成虫は世話をする幼虫の分泌液を食事にしています。
スズメバチの習性
スズメバチの攻撃前のサインを知っておきましょう。人の周りをブンブン飛び回ったり空中で静止したりしている場合は、近くに巣がある可能性があるので要注意。複数のスズメバチが確認できるようになったらさらに巣に近づき危険なサインです。
ガチガチと威嚇している音が聞こえたらすみやかにその場を離れましょう。このとき慌てて手で追い払ったりしないよう、静かに姿勢を低くゆっくり下がることがポイント。
キャンプでスズメバチに刺されないための対策
よく注意しておけば刺されずに済んだのに、と後悔しないために、キャンプでスズメバチに刺されないために注意すべきポイントについて紹介します。
スズメバチの巣に近づかない
スズメバチは木の枝や軒下など目につく場所のほかに、木の洞の中や根元など見にくい場所に巣を作ります。とくに、オオスズメバチやクロスズメバチは土の中に巣を作るため、気づかずに踏んだり近づいたりすると大変危険です。
キャンプでは昆虫採集や森林浴など森の中を散策する機会は多いですが、スズメバチの活動期である7~10月は十分に気をつける必要があります。
スズメバチに狙われない服装をする
スズメバチは視力が弱く、黒っぽい濃い色を天敵のクマと認識し、攻撃性をもって襲ってきます。そのため白っぽい明るい色の服を選ぶことが大切です。同じ理由で黒髪には明るい色の帽子を被りましょう。
カメラや水筒、サングラスなどの黒いアイテムも狙われるリスクがあるので細心の注意を払ってください。
スズメバチの好むにおいに注意
スズメバチは花の蜜や木の樹液を餌とするので、においにとても敏感です。整髪料や香水などのにおいに寄ってくることがあります。
また甘い飲み物やアルコール、食べ物にも集まってくるので、キャンプ中に食べ物や飲み物をそのままの状態にしておかないように気を付けましょう。
スズメバチに焚き火は有効?
スズメバチは火や煙が苦手なので焚き火は有効です。でも、暑い時期のキャンプでは日中焚き火はあまりしませんよね。
スズメバチの視力はおよそ3mの範囲しか見えないため、夜はあまり行動しません。ですので、夜の焚き火はあまりスズメバチとは関係ないといえます。
スズメバチ対策グッズを活用する
スズメバチに刺されないために便利な対策グッズをうまく活用しましょう。
木酢液
スズメバチは焦げたようなにおいが苦手です。木酢液はスズメバチの苦手なにおいなので、水と1:1で薄めてコップなどの容器に入れてキャンプサイトに置いておきましょう。子どもやペットがこぼさないような場所においてください。
ハッカ油
スズメバチはミント系のハーブのにおいも苦手です。水を入れたコップにハッカ油の原液を数滴入れて置いておくだけでスズメバチよけになります。
水道水10mlとハッカ油1~2滴を入れてハッカ油スプレーを作れば、虫よけやひんやり爽やかな暑さ対策グッズとしても便利です。
パワー森林香
スズメバチは煙が苦手なので、アウトドアで虫よけとして活躍する森林香はスズメバチよけにもなります。ただし、風の影響を受けやすいので、近くにいないと効果がないというデメリットもあります。
キャンプでスズメバチに刺されてしまったときの対処法
対策をしていても、万が一スズメバチに刺されてしまったとき、病院に行くまでにできることを紹介します。
その場でできる応急処置
スズメバチに刺されてしまったら、まずはその場を離れてスズメバチの心配がない場所に避難してください。刺されて30分以内であれば、ポインズンリムーバーで毒を抜き被害を軽減できることがあります。
刺された傷口は絞りながらきれいな流水で洗い流しましょう。傷口を洗い流したら、抗ヒスタミン成分が入ったステロイド軟膏を塗って冷やします。
スズメバチに刺されたら受診しよう
応急処置が終わったら、病院(皮膚科やアレルギー内科)を受診することをおすすめします。
スズメバチに刺されると、呼吸困難や意識障害などのアナフィラキシーショック症状を引き起こす危険性があります。そういった症状が見られる場合は、迷いなく救急車を呼んでください。
スズメバチに刺されたときのためのグッズ
スズメバチに刺されてしまったら、刺されて30分の処置方法がとても大切です。しっかりと処置できるよう準備しておくことが大切です。
ポインズンリムーバー
スズメバチに刺された直後に毒を抜く便利な道具です。スズメバチ以外にブヨやアブに刺されたときにも使えるので、アウトドアグッズのひとつとして常備しておくことをおすすめします。
抗ヒスタミン成分入りステロイド軟膏
かゆみ止め、痛み止め成分の入った軟膏はハチ以外の虫や海水浴でのクラゲ被害などにも使えますので、準備しておくことをおすすめします。
保冷剤
クーラーボックスに小さめの保冷剤を入れておくと、虫刺されや怪我、発熱などで急に冷やしたいときに患部を冷やせます。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。