場所によってストックの種類を変えよう!
登山用ストックはトレッキングポールとも呼ばれ、グリップの形状から「I型」と「T型」の2種類に分けられます。
使用する場所によって、ストックの種類を使い分けるのがおすすめです。
I型とT型の特徴や、使用に適している場所を説明します。
起伏の多い場所なら「I型」
グリップがまっすぐなI型のストックは、通常2本で使うことから、「ダブルタイプ」とも呼ばれています。
両手で使うのでバランスが取りやすく、起伏が多い登山やロングトレイルに向いているのが特徴です。
持ち方は、ストラップの輪の下から手を通して、グリップとストラップを一緒に握ります。
このとき、親指と人差し指でグリップを握り、残りの指は軽く添えるようにするのがポイントです。
平坦な場所なら「T型」
グリップがT字になっているT型ストックは、多くの場合、1本で使います。
「ステッキタイプ」や「スティックタイプ」などとも呼ばれ、体重がかけやすく、腕が疲れにくいのが特徴です。
ハイキングコースなど、なだらかな道を歩くのに適しています。
また、片手があくため、歩きながらハイドレーションで水分補給するときなどにも便利です。
持ち方はI型ストックと同じく、ストラップの輪に下から手を通します。
T字の短いほうを前にして、親指と人差し指で持ち、残りの指で長いほうを握ってください。
手のひらでグリップを包むようなイメージで持つと、使いやすいでしょう。
使用前にストックを調節しよう!
ストックは使いはじめる前に、自分に合う状態に調節することが大切です。
ここでは、多くの登山者が利用するI型ストックについて、使用前に調節しておくべきポイントを説明します。
自分に合った長さに調節する
平坦な場所でグリップを握って立ち、ひじの角度が直角から少し広がる程度の長さに調節しましょう。
これが基本となるストックの長さです。
登りと下りでは長さを変える
登りでは、ストックは基本の長さより短め、下りでは長めにして使います。
平坦な場所で握ったグリップが、登りの場合は腰または腰下あたりにくるのが理想的です。
下りの場合は、グリップが胸の高さになる位置を目安にしてください。
ストラップの長さを調節する
ストラップに手を通してグリップを握ったら、手首のストラップを調節します。
手を動かしてみて軽く隙間があく程度がおすすめです。締めすぎには注意しましょう。
ストラップを手首にきちんと合わせると、握力を使わずに軽く握るだけでストックを持てます。
手を離したときも、ストックが滑り落ちにくくなるのがメリットです。
ストックの使い方は平地・登り・下りで異なる!
ストックを使った歩き方を、平地・登り・下りに分けて説明します。
ストックの平地での使い方
ストックは、踏み出した足と反対側の前に突いてください。強く地面を突くのではなく、トンと軽く置く感じです。
少し前を見ながら、一定のリズムで歩きます。
日常の歩き方より少し大きめに腕を振って、そこにストックをプラスするイメージで使ってみましょう。
ストックの登りでの使い方
歩幅を狭くして、踏み出した足と反対側のストックを、少し前に突いてみてください。
突いたほうに重心を移動させながら、ストックを利用した推進力で前に進みます。
体重のかけすぎには注意しましょう。
ストックを取り入れることで、足や腰への負担を軽減できます。
ストックの下りでの使い方
歩幅は平地で歩くときの半分以下にします。
ストックを少し前に突いて、足をゆっくりおろし、足裏全体で静かに着地しましょう。
着地したときのひざへの衝撃をやわらげられます。
急な下りでは、手首を痛めないために、グリップの上から手をかぶせるように持ってください。
ストックを使うときの注意点4つ
ストックを使うときの注意点を4つ挙げて説明します。安全に使うためにもしっかりチェックしてください。
①負荷をかけすぎない
ストックに体重をかけすぎると、曲がったり折れたりして転倒する可能性があります。
とくに登山中の転倒は危険なので注意しましょう。
②ジョイント部分のゆるみに気をつける
長さ調節をしたときは、ジョイント部分にゆるみがないようにしてください。
歩き出す前にストックをグイッと押してみて、ジョイントが締まっているかを確認するのがおすすめです。
ゆるんだまま使うと、体重をかけたときに急にストックが縮んで、転ぶ恐れがあります。
③ゴムキャップは場所によってつけ外しする
登山道の自然を保護するために、通常はストックの先端にゴムキャップをつけて使います。
電車やバスなどの移動中も、周りの人やモノを傷つけないよう、ゴムキャップをつけてください。
凍った道や滑りやすい岩場を歩くときには、ゴムキャップを外してストックを使います。
なお、登山中にゴムキャップをうっかり落とすと、ゴミとして残ってしまうため注意しましょう。
ゴムキャップは消耗品なので、ヒビ割れがないか、ときどき確認することが大切です。
④ストックを使わない場所ではザックに収納する
ストックを使用しないときには、ザックに収納しておきます。
たとえば、手を使って岩場を登り下りする場所など、ストックを手首にかけたままだと岩に引っかかる可能性があり、危険です。
ストックが邪魔だと感じたらザックに入れて、身動きのしやすさを優先してください。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。